用語解説


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ABC
(Allowable Biological Catch)
生物学的漁獲可能量 漁獲割り当てを決定するための科学的な根拠となる量。
Abundance index 資源量指数 資源豊度の指標となる情報。調査による絶対量の推定値や、統計的手法を用いてCPUE(下項参照)から資源豊度以外の影響を補正して資源豊度の相対的な変化を表すようにしたものなどが用いられる。
ADAPT-VPA 年齢別漁獲尾数とCPUEなどの資源量指数を用いて年齢別資源尾数を推定するVPAの一種。北米東海岸の資源評価及びICCAT、NAFOにおいて年齢別漁獲尾数データが得られる場合のスタンダードな資源評価手法となっている。
AMSY
(Average Maximum Sustainable Yield)
平均最大持続生産量 平均的な加入量での最大持続漁獲量。平均的な加入量が維持されFmaxで漁獲を続けたときに達成される。IATTCが用いている。
Anadromous fish species 溯河性魚種 産卵の時などに海から川へ遡上する回遊魚。
Antarctic front
(Antarctic convergence line)
南極前線
(南極収束線、南極収斂線)
南極の周囲の南緯約45度から60度にある、暖流(亜熱帯海流)と寒流(南極海流)の境界。位置は一定していない。この境界では水温、塩分などの海洋環境が大きく変化し、気象上の前線も形成される。また、海洋生物の分布の境界としても重要。
Archival tag
(data storage tag)
アーカイバルタグ データ記録式標識。温度・圧力・照度等のセンサーを持ちそれらのデータや演算処理した情報(緯度経度等)を連続的にメモリーに記録する。情報取得のためには装着した魚類等が再捕獲されアーカイバルタグが回収される必要がある。
A-SCALA
(Aged-structured Statistical Catch-At-Length Analysis)
IATTCで資源評価に用いられている、漁獲量、努力量及び体長組成データを用いた統合資源評価モデル。モデル内で漁獲物の体長組成を年齢組成に変換するのが特徴。複数の漁法(年齢別選択制が異なる)に対応し、努力量と漁獲死亡係数の関係に誤差があること、漁具効率に経年変化があること、加入量に変動があること、環境要因と加入量、漁具効率に何らかの関係が予想されることなどを考慮できるのが特徴。Multifan-CLとの違いは、海域間の移動を考えない点。
ASAP
(Age Structured Assessment Program)
統計的年齢別漁獲尾数モデル(Statistical Catch at Age Model)の一つ 統合資源評価モデルの一種、ADAPT-VPAの様々な仮定(年齢別漁獲尾数は正確、漁具能率一定等)を緩めた資源評価モデル。
ASPM
(Age Structured Production Model)
年齢構成プロダクションモデル 資源の年齢構成は考慮するが年齢別漁獲尾数あるいは年齢組成データを使用しない。プロダクションモデルとVPAの中間的な資源評価手法。
Associated set
付き物操業 素群れ操業と異なって、自然流木・竹や人工物の漂流物、人工集魚装置(FAD)等に蝟集(いしゅう:群がり集まること)した魚群に対する操業。
ASPIC
(A Suite of Surplus Production Model Incorporating Covariates)
非平衡プロダクションモデルの一種。年齢別漁獲尾数データが得られない場合に使われることが多い資源評価手法。最新のASPICでは、推定する各パラメータに事前分布を設定することもできる。
B
(Biomass)
資源量(重量)
B0 初期資源量(処女資源量) 漁業開始前の資源量(ときには産卵親魚量を指すこともある)。漁業開始時点からデータがなければ、平均的な加入尾数と死亡率から外挿して計算することもある。漁業が無いと仮定した場合の推定資源量を意味する場合もある。
Bloss 観測された中で最小の資源量。
BMSY MSYを達成可能な資源量。
Baveg 資源生物学的に望ましくない資源状態になる確率を最小にすることができるBの上限値。
Blimit 望ましくない資源状態になる確率を最小にすることができるBの下限値。
Bait boat, Pole and Line 竿釣り 海の表層に分布するカツオ、ビンナガ、キハダ等を生餌を撒いて集群させ、擬餌鈎又は餌の付いた竿で一尾ずつ釣り上げる漁法。カツオの一本釣りが有名。
Bayesian Statistics ベイズ統計 ベイズの定理に基づいて構築された統計学の流派。近年の計算機の発達によって現実的なモデルが取り扱えるようになったので急速に水産の分野にも普及してきた。
Beverton-Holt型再生産曲線 親魚量と加入量の間の関係式の一つ。親魚量が少ないと親魚量にはほぼ正比例して加入量が増加するが、親魚量の増大につれて密度効果により加入量の増加は頭打ちとなる。
Body length 体長 まぐろ類、かつお類、かじき類については尾叉長、さめ類については全長・尾鰭前長・尾叉長、鯨類については上顎先端から尾鰭切れこみまでの直線距離、いか類については外套長、オキアミについては目前端から尾節までの長さ。
(nonparametric) Bootstrapping (ノンパラメトリック)ブートストラップ法
(ブーツストラップ法)
元のデータから無作為にデータを選び直すシミュレーションを繰り返すことにより仮想のデータを大量に作成して、その分散や平均を計算することによって推定値の精度や偏りを検討する方法。一般にブートストラップ法(Bootstrapping)という場合には、ノンパラメトリックなブートストラップ法を指すことが多い。→パラメトリックなブートストラップ法(parametric bootstrapping)
Bottom trawl 底びき網(底曳網) 海底を曳き回すことで漁獲を得る袋状の網漁具。形状や海域などでさまざまに分類される。
BRP
(Biological Reference Point)
生物学的管理基準 当該年の資源量に当てはめてABCあるいは適切な漁獲死亡係数を算出する。通常は漁獲係数(F)に基づくが(例:FMSY、Fmed、Fmaxなど)、直接的に資源量や親魚量などを基準とする場合もある。
BSP, BSP2
(Bayesian Surplus Production Model)
ベイズ型プロダクションモデル プロダクションモデルの各パラメータに事前分布を導入してベイズ的なアプローチを取り込んだプロダクションモデル。近年、ICCATでは、標準的な資源評価手法の一つとして使われている。BSP2は、資源量のプロセス誤差をモデル化できるようにしたBSPの拡張版。
(Fishing) Capacity 漁獲能力 船速や魚群の探索能力なども加味した漁業による潜在的な漁獲能力を意味し、Carrying Capacity(魚艙容積)とは区別する必要がある。
CASAL
(C++ Algorithmic Stock Assessment Laboratory)
ニュージーランドで広く使われている資源評価モデル。統合資源評価モデルの一種で複数種、系群、回遊をモデル化することができる。
CITES
(Conservation on international Trade in Endangered species of wild Fauna and Flora)
ワシントン条約(サイテス:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約) 絶滅の恐れのある野生動植物の国際取引がある輸出国と輸入国が協力し規制を実施することにより、それらの採取・捕獲を抑制し保護を図ることを目的とする条約。IUCNが中心となり条約作成準備が行われ、1973年にアメリカのワシントンで採択、日本は1980年に締約国となった。対象となる動植物種の絶滅のおそれの度合いにより同条約附属書I −IIIのいずれかに記載され、国際取引の規制が実施される。
Close-kin analysis 近親遺伝解析 親と子のような近親関係をもつ個体のペアでは、遺伝子を共有していることを利用して、例えば親魚と幼魚から遺伝子標本を統計的サンプリングした際の近親関係のペアの頻度から親魚の個体数を推定する手法。ミナミマグロで初めて実用化された。
CPUE
(Catch Per Unit Effort)
単位努力量あたりの漁獲量 標準化を行って資源量指数として使用されることが多い。はえ縄であれば(1,000)鈎当たりの漁獲尾数(重量)であるがまき網の様に資源量指数としての努力量が自明でない漁業もある。
Critical Weight 理論的に加入量当たり漁獲量を最大にできる体重。漁獲物の平均体重がこの値に近ければ近いほど最大の漁獲が得られる。
CV 変動係数 データのばらつきを表す統計値標準偏差を平均値で除し100をかけたもの(%)。スケールの異なるデータのばらつきを直接比較することができる。
Deeper set 深縄(ふかなわ) まぐろはえ縄において深い水深にいるメバチ等を狙って枝縄を深く入れる操業方式。通常は一鉢あたりの釣り鈎数(枝縄)を多くして(10本以上)、到達水深を深くする(200〜350 m)。
Drift gill net 流し網(ながしあみ) 水底に網を固定しない、刺し網の一種。→刺し網、大目流し網
EEZ
(Exclusive Economic Zone)
排他的経済水域 沿岸国の領海基線から200海里(約370 km)までの海域(領海部分を除く)であって、この海域における生物資源、海底資源の採取や管理等に関して、当該沿岸国の主権的権利が及ぶとされる海域。
Effective effort 有効努力量 単位当たりの漁獲努力量が漁獲死亡係数(F)に比例する努力量。
Exploitation Rate 資源の漁獲率 漁獲量/総資源量
F 漁獲(死亡)係数 漁業による死亡係数。
FAD, FADs
(Fish Aggregating Devices)
人工浮き魚礁、集魚装置 人工的に集魚する目的で作られる人工筏、ブイ等。RFMOの管理上は集魚効果のある浮遊物全てが含まれる場合がある。
(tuna) Farming/Fattening (まぐろ)養殖・蓄養 一般的には畜養(fattening)は比較的短期間(数か月)の給餌養殖を指し、養殖(farming)は稚魚もしくは幼魚から比較的長期間(数年)の給餌養殖を指すことが多い。しかしながら農林水産省の定義では、短期、長期の給餌養殖のどちらも養殖となる。また、数か月の養殖をfarmingと記載することもあり、日本語での養殖・畜養、英語でのfarming/fatteningは厳密に区別されていない。国際魚類資源の現況の中では、原則として比較的短期間の養殖については、畜養(養殖)と記載し、長期間の養殖は、養殖と記載することとする。
Fcurrent 現在(最新)のF 資源評価を実施した時点での推定精度が良いと考えられる最も最近の年もしくは数年間平均の漁獲死亡係数(F)。通常、資源評価の最終年のFの推定精度は悪く、Fは年変動が大きいことから最終年を含めた数年分のFは使わずに最終年から数年遡って3年程度の算術平均もしくは幾何平均をとることが多い。また、統合資源評価モデルやVPAでは、年齢によってFの値も異なるので、特定の年齢(例、最高齢)のF、全年齢の最大値、ある管理基準(例:FMSY)に対する相対値を使ったりする。どの年を使用するか、どの求め方で出すかは各RFMOあるいは魚種によっても異なる。
Flimit 資源生物学的に望ましくない資源状態になる確率を最小にすることができるFの上限値。
Ftarget 確実な資源の維持・回復を期待する場合の目標となるF。
Fmax 年齢別選択率を固定したときに加入量当たり漁獲量を最大にする漁獲係数(F)。元々の定義は漁獲開始後の選択率は変わらないとして考えるが、実態にそぐわないので使われない。
F0.1 YRPとFの関係を表す曲線において原点における傾きの1/10の傾きに相当するF(右図)。経験的に安全な管理基準で広く用いられる。
Floss 親魚量を、Blossで長期的に維持できることが期待されるF。一般的は、親子関係式から、Blossに対応する加入量をもとめてBlossと求められた加入量のもとで持続的なFとして得られる。
Fmed 親魚量と加入量の関係(毎年のデータ点のプロット)で中央値(メディアン)に対応するF(右図)で、Fmedで漁獲すると資源量は安定することが期待される。
FMSY MSYを達成するF。
Fork Length 吻端から尾の切れ込みまでの長さ(かじき類では下顎前端や眼窩後縁から)。
F%SPR %SPR(下項参照)に対応するF。
Fratio VPAで最高齢とプラスグループの漁獲死亡係数の比。
FSSBx% 将来の親魚量が、過去の歴史的な親魚量の変動の下限(最小値)からx%の親魚量(例えば過去100年間の親魚量の変動のデータがあるときに最小値から順番に過去の親魚量の値を並べたときのx番目の親魚量)を一度も下回らないようにするF。
FSSB-ATHL WCPFC北小委員会で決定した、北太平洋のビンナガの管理基準、過去の親魚量の最小値から10番目までの平均を、将来25年間で一度でも割り込む確率が50%になるF。
Flag of Convenience Vessels 便宜置籍船 税制上の優遇措置を得るため、便宜的に他国籍へ置籍した船。近年では漁獲規制から逃れるために行われることもある。
Free swimming school set 素群れ操業(すむれそうぎょう) 流れ物操業と異なって魚群が蝟集する対象がない群れに対する操業、海鳥や摂餌行動の際の湧き群等を目印として発見する。
Generalized Production Model 一般化プロダクションモデル 漁獲に対する資源の反応(生産曲線)がMSYを中心に対称、 非対称のどちらでも有り得るもの。
Gill net 刺し網(さしあみ) 水中に広げた網の網目に魚体をからめる漁具。水底への固定の有無や、形状でさまざまに分類される。→流し網、大目流し網、反(たん)
GLM
(Generalized Linear Model)
一般化線形モデル 魚の成熟率のように0から1の間の値しかとらない量や、漁獲尾数のようにとびとびの値しかとらない量を正規分布の場合の線形モデルと同様に解析するのに用いる。扱える確率分布はポアソン分布やガンマ分布、二項分布など指数分布族と呼ばれる確率分布の種類で、実用上重要な確率分布の多くがこの範疇に属する。この手法は、Nominal CPUEから資源の変動要素のみを抽出するCPUEの標準化に用いられる。
Growth Overfishing 成長乱獲 漁獲圧が高く、充分成長する前に漁獲されてしまうこと。
Habitat model ハビタットモデル CPUEの標準化において、魚の分布(好適生息環境指数、HSI)と漁具の分布を考慮して漁具の有効努力量を標準化するモデル。HSIは記録式標識などで収集した遊泳水深や水温データ等が用いられ、かじき類等、鉛直方向の分布が非常に浅いところに偏っていたりすると有効な手法。魚の鉛直分布と鈎の鉛直分布からはえ縄の有効努力量を補正するモデル。主に南西太平洋と東部太平洋のまぐろ類、かじき類で用いられている。ヒントン・中野モデルとも呼ばれる。
Harpoon 突きん棒 通常小型漁船を用い、海の表層にいる動物を視認して銛(もり)を打ち込んで漁獲する漁法。
Harvest Control Rule (HCR) 漁獲決定ルール 資源状態に応じて漁獲量その他の管理方策を予めルールとして合意し決めておくもの。
Highly migratory species 高度回遊性魚種 排他的経済水域の内外を問わず広く回遊する魚種。
HITTER-FITTER Hitter・Fitter法 過去の捕獲頭数と資源量推定値並びに年齢別死亡率などの生物学的特性値などの入力データを用いて、資源動態モデルにより初期資源量や捕獲開始以降の毎年の資源量を推定するプログラムで、IWCでヒゲクジラ類の資源変動推定に用いられている。
Isolated (epi)pelagic egg 分離浮性卵 卵のタイプで産卵後に海面近くを漂い、かつ何かに付着したり塊になったりするための粘着性を持たない卵。
Iterotarous spawningg 多回産卵 さけ・ますのように一生に一度しか産卵しないものと異なって、何回も産卵するもの。まぐろ類では産卵期にはほぼ毎日産卵するものが多い。
IQ,ITQ
(Individual Transferable Quota)
個別漁獲割当量、譲渡可能個別漁獲割当量 漁獲割り当て量を漁業者、漁業団体または漁船ごとに配分する方式(IQ)。IQの割り当て量を他者と取引することが認められているもの(ITQ)。
IUCN
(International Union for Conservation of Nature)
国際自然保護連合 1948年に設立された国家、政府機関、非政府機関で構成された国際的な自然保護機関。世界中の生物多様性保護に取り組む専門家からなる6つの専門委員会(種の保存委員会、世界保護地域委員会、生態系管理委員会、教育コミュニケーション委員会、環境経済社会政策委員会、環境法委員会)を有する。
IUU fisheries
(Illegal, Unreported and Unregulated Fisheries)
違法・無報告・無規制漁業 違法で管理されておらず、どこにもその漁獲を報告しない漁業。
Kobe chart (plot) 神戸プロット 横軸に資源量(親魚量)、縦軸にFをとって、年ごとの値を図示したグラフ。 通常、管理基準(例、BMSY,FMSY)に対する相対値を使い、各象限を赤 (SSB<BMSYかつF>FMSY)、黄(SSB<BMSYまたはF>FMSY)、 緑(SSB>BMSYかつF<FMSY)に塗り分けることが多い。
Large mesh drift gill net 大目流し網 海の表層に分布するまぐろ類、かじき類、いか類を対象にやや網目の大きい刺網を用いて表層で漁獲する漁法。主に夜間に網を設置する。→流し網、刺し網
Limit Reference Point 各RFMOで定めた管理目標に基づき逸脱する確率を最小にとどめるべき資源の水準(B:資源量あるいは親魚量)もしくは漁獲係数(F)あるいは両方。Fの場合は上限値となり、Bの場合は下限値となる。
Lognormal (Distribution) 対数正規分布 自然対数をとると正規分布となる分布。正の値のみを取り右にすその長い分布になっている。生物現象を説明するのに用いられることが多い。
Longline はえ縄(延縄) 海の中層を遊泳する中・大型のまぐろ類を主として狙う釣り漁法。大型船では1日に100 km以上に及ぶ長い幹縄を用い、それに釣り鈎の付いた枝縄を2,500本程度設置して漁獲する。餌としてイカ、アジ類、サンマ等を用いる。1尾毎に釣り上げるため、魚の身質を高度に保つことができる。
M 自然死亡係数 漁獲以外の要因による死亡係数。
Management Objectives 管理目標 資源管理で達成すべき目標。例:MSYを達成する等
Minimum size of matured individual 生物学的最小形 性的に成熟する最小サイズ。体長で表されることが多い。
Mixed Layer Depth
(MLD)
表層混合層の厚さ 鉛直混合により海水温がほぼ一定となっている海面近くの層の海面からの深さ。
MP
(Management Procedure)
管理方式 資源や漁業が変化した際に、管理措置(例えばTAC)を決めるために一連の手順を事前に決定する仕組み。IWCの改訂管理方式(RMP)やミナミマグロのバリ方式がその代表例。
MSE
(Management Strategy Evaluation)
管理戦略評価 漁獲決定ルールや管理方式の期待される性能を、資源の個体群動態、漁業データ等の仮想データ上でのシミュレーションで評価する仕組み。
MSY
(Maximum Sustainable Yield)
最大持続生産量 プロダクションモデルなどに基づく 最も有名な管理目標(右図)。古典的な定義は、資源を持続的に利用可能な最大の毎年一定の漁獲量を指す。現代的な定義は、資源変動のあるなかである特定の管理方策(一定漁獲死亡率(漁獲率)あるいは、一定率の取り残し等)で長期的に実現可能な最大の漁獲量の平均を指すことが多い。
Multifan-CL 統合資源評価モデルの一種。WCPFCでの資源評価で主に使用されている。漁獲量、漁獲努力量、体長データ、標識再捕データなど多くの情報を取り込み、体長データを積極的に活用する。海域間の移動もモデル化しており、海域毎の資源量の計算も可能である。
NEI
(Not Elsewhere Included)
漁獲国を特定できない漁獲量を示す。ICCAT、FAO等で使用している。
Nominal CPUE 対象魚種の変更や漁具の改良などの資源変動以外の要因の補正(標準化)をする前の漁船や調査船の生の漁獲データと努力量のデータから計算したCPUE。
Non equilibrium surplus production model 非平衡プロダクションモデル 資源が平衡状態にあることを仮定して推定する通常の プロダクションモデルに対し、その仮定を用いず非平衡状態でも適用可能なプロダクションモデル。 現在は、こちらの方を用いるのが一般的。
Olympic style
(fisheries management)
オリンピック方式 漁獲割当量の総枠を決めて、早い者勝ちで漁獲枠の消化を行う資源管理。
Operating Model
(OM)
オペレーティングモデル 個体群動態、漁獲、資源評価、管理も含めたシミュレーションモデル。資源評価モデルにオペレーティングモデルで作られたシミュレーションデータを解かせて、オペレーティングモデル(仮想の現実)での真の答えと比較することで資源評価モデルの問題点を検討することが出来る。またMPのような管理方策の検討も行うことも可能である。ケープタウン大学のバタワース教授が名付け親。
Otolith 耳石 魚の内耳の三半規管内にあり、カルシウムを主成分とし、有毛細胞の上にあって加速度を検出し、平衡感覚をつかさどる。耳石の成長には季節変化があるため透明帯と不透明帯が形成され、年齢を読み取ることが可能である。さらに、1日に1本の細かな輪紋が形成される種の場合は、これを計数することにより日齢を知ることができる。1個体で3種の耳石があるが、年齢査定に用いられるのは通常、最も大きい扁平石である。
Overfishing 乱獲状態(過剰漁獲) 漁獲が続くことにより、これ以下では資源状態が、適切ではないと考えられる閾値の資源量を下回った状況。例えばBMSYを下回れば、乱獲状態と判断される場合もある。資源状態で判断するので漁獲(死亡)係数は低くとも乱獲状態と判断される場合や、逆に漁獲(死亡)係数は高くても乱獲状態ではないと判断される場合もある。
Overfished 乱獲(状態) 漁獲が続くことにより、資源状態が、“低すぎる”と考えられる基準の資源量よりも悪くなった状況。例えばBMSYを下回れば、乱獲状態と判断される場合もある。資源状態で判断するので漁獲(死亡)係数は低くとも乱獲状態と判断される場合や、逆に漁獲(死亡)係数は高くても乱獲状態ではないと判断される場合もある。
Parametric bootstrapping パラメトリックブートストラップ法
(ブーツストラップ法)
最尤法等で確率分布を仮定したモデルをデータに当てはめ、 推定したモデルから仮想のデータを大量に作成して、その分散や平均を計算することによって 推定値の精度や偏りを検討する方法。→ノンパラメトリックブートストラップ法
PBR
(Potential Biological Removal)
最小個体数推定値、純増加率、回復係数により算定される捕獲枠決定方式。
Pinger
(ultra sonic tag)
ピンガー(音波標識) 最尤法等で確率分布を仮定したモデルをデータに当てはめ、推定したモデルから仮想のデータを大量に作成して、その分散や平均を計算することによって推定値の精度や偏りを検討する方法。→ノンパラメトリックブートストラップ法
Plus group プラスグループ VPAやコホート解析において、ある年齢以上をまとめた年齢群。
Polar front 極前線(寒帯前線) 寒冷な水塊と温暖な水塊との境界にできる前線。北太平洋では親潮と黒潮の境界域(混合水域)を指す。
Positive list ポジティブリスト IUU漁業の台頭により、これと区別するために正規漁業であることを証明する漁船リスト。まぐろ類に関する各国際漁業委員会で作成。
Pop up tag ポップアップタグ 浮上式標識。動物に装着した標識はあらかじめ設定した日時に魚体から切り離され浮上し人工衛星経由で浮上位置等を送信する。装着した動物が再捕されなくても移動情報が収集できる。また、アーカイバルタグと同様に連続した情報をメモリーに保存し、浮上時に送信するアーカイバル・ポップアップタグも使用されている。
Precautionary approach 予防的取り組み (漁業活動による)資源、環境、人間に対して予測される脅威を、脅威の不確実性と脅威の評価が間違っている可能性も考慮した上で、可能な範囲で避けるために(事前に)合意された、効率的な(今後の措置も含めた対策)措置。/td>
(Surplus) Production Model プロダクションモデル(余剰生産モデル) 個体群の増殖曲線を基に、資源量と余剰生産量(加入+成長−死亡)の関係をあらわすモデル。データとして漁獲量とCPUE(努力量当たり漁獲量)を用いる。
Purse seine まき網(旋網、巻網) 表層性浮魚類を漁獲する漁法。巾着のような大きな網を用いる。アメリカで発達したことから、アメリカ式巾着網と呼ばれた。
R
(Recruitment)
加入量(尾数) 体サイズの成長や回遊にしたがって初めて漁獲対象になった魚の量(尾数)。VPA等の資源評価モデルの中では単に資源評価モデルの中で最小年齢(0歳あるいは1歳の事が多い)魚の量(尾数)を指すこともある。
Random walk ランダムウォーク 加入量変動を考えるとき、そのばらつきが単に平均の周りでランダムにあるのではなく、ある年の加入量はその前年の加入量の近辺でばらついていると考えられることがある。このような現象をランダムウォークや自己相関(過程)と呼ぶことがある。このような加入量の変動パターンが見られる原因はいくつか考えられるが、長期的な環境変動の加入変動への影響などが考えられる。
Recruitment Overfishing 加入乱獲 漁獲圧が高く、加入量の減少をもたらすほど親魚量が漁獲によって減少すること。
Reference Points 管理基準 資源管理を行う際に、乱獲等を判断するための基準となる量
Replacement Yield
(RY)
資源量をそのまま一定水準に保つ漁獲量。
Reproductive value 繁殖価(繁殖ポテンシャル) 繁殖価及び繁殖ポテンシャルは年齢が異なる個体や資源の再生産上の価値を相対的に比較するための概念である。繁殖価はある魚を漁獲しなければ将来どれだけ子孫を残すかを表す。個体の再生産能力の指標として使用される。
Retrospective analysis レトロスペクティブ解析(分析) VPA、プロダクションモデル等の資源評価モデルでは、最新年のデータを追加して資源評価を更新すると、過去の期間の推定値が傾向をもって変化することが観察されることが多い。このような傾向をもった変化が見られるかどうかを、最新年から、1年ずつ数年(5年から10年程度)データを削除して資源評価モデルによる資源量、漁獲死亡率等の推定値を計算してみることで検証すること。
RFMO
(Regional Fisheries Management Organization)
地域漁業管理機関 大洋などの広い範囲(例:大西洋など)で、漁業資源の持続的利用の実現を目的として、条約に基づいて設置される国際機関のこと。対象資源の保存管理措置を決定及び実施している。かつお・まぐろ類では5つのRFMO(IATTC, ICCAT, IOTC, CCSBT, WCPFC)が世界の海を管理している。
SBF=0 ある再生産関係の元で漁獲が無かったときに期待される親魚量。WCPFCで使用されている。再生産関係はBeverton-Holt再生産式のような理論的なものだけでなく過去の特定の年代(例、最近10年)の加入からのリサンプリングによるシミュレーションでも良い。
SBlatest 最新年の親魚量 資源評価の最新年の時点の親魚量、WCPFCで使用されており他のRFMOでのSSBcurrentと同義。
SBR
(Spawning Biomass Ratio)
IATTCが用いている漁業がなかったと仮定したときに 期待される産卵親魚量とある年の産卵親魚量の比(St/SF=0)。 資源が定常状態である場合を除いて%SPRとは異なる。
SCRS
(Standing Committee on Research and Statistics)
調査統計常設委員会 ICCATの科学委員会。
Sensitivity Analysis 感度解析 資源評価の際に、特定のパラメータの影響を評価するため、そのパラメータを変化させて結果に及ぼす影響を検証すること。
Set net, Trap net 定置網 海中に設置される袋型あるいは箱形の網漁具。沿岸に回遊する魚類等を対象とする。形状や規模でさまざまに分類される。
Shallower set 浅縄(あさなわ) まぐろはえ縄において、深縄と対照的に夜間メカジキを狙う際には、表層付近を狙うため浅い水深に漁具を設置する。通常は1鉢(ひとはち:縄の浮き玉と浮き玉の間)当り枝縄3〜4本を用いる。→深縄
SPR
(Spawning Per Recruitment)
加入量当たり産卵資源量 データとして年齢別体重、成熟割合、自然死亡係数、 年齢別加入割合を用いる。管理目標が資源水準の維持ならSPR = 1/RPS、 資源の回復を目標とするならSPR > 1/RPSとする。
%SPR 漁獲がないとき(F=0)のSPRを100としたときの漁業があるときのSPRの割合。
SS
(Stock Synthesis)
漁獲量、CPUE、体長組成データを組み込んだ年齢構成モデル。Multifan-CLやA-SCALAと同じくいわゆる統合資源評価モデルの一種。米西海岸の底魚資源の標準的な資源評価モデル。IATTC及びISCでのまぐろ、かじき類及びさめの資源評価でも使用されている。最近ではIOTCの資源評価でも使用されている。
SSB
(Spawning Stock Biomass)
(産卵)親魚量(重量) SB(Spawning biomass)ともいう。特にWCPFCではSBが用いられる。
SSBAMSY AMSYを達成可能な親魚量。
SSBcurrent 資源評価の最新年の時点の親魚量。
SST
(Sea Surface Temperature)
表面水温
Standardized CPUE 標準化CPUE Nominal CPUEの年々の変動に含まれる、対象魚種の変更や漁具の改良などの資源変動以外の要因を補正したCPUE。補正を行うことを標準化と言う。標準化にはGLMの様な統計手法等が用いられる。
Statistical habitat model 統計的ハビタットモデル ハビタットモデルでは、記録式標識などから得られた外部情報(例えば水深分布)を魚の好適生息環境指数(HSI)として直接用いるが、統計的ハビタットモデルでは、漁具の設置位置と別途得られた環境データからモデル内で統計的にHSIを推定し、CPUEの標準化を行う。
Steepness スティープネス Beverton-HoltもしくはRicker型の再生産モデルの理論的に定められる初期資源量(処女資源量)とそれに対応する加入量に対して親魚量が初期資源量の20%のときに再生産モデルから決定論的に期待される加入量の初期資源量に対応する加入量に対する比。再生産モデルの密度補償効果の程度を示している。0.2から1の間の値を取り0.2の時は、密度補償効果がないことを意味し、1の時は親魚量に関わらず一定の加入量が得られることを意味している。
Stock 系群 資源の遺伝的構造が同一な最小構成群。
Stock status 資源水準 過去20年以上にわたる資源量(漁獲量)の推移から、 「高位、中位、低位」の3段階に区分。
Stock trend 資源動向 資源量や漁獲量の過去5年間の推移から「増加、横ばい、減少」に区分。
Straddling stock ストラドリングストック 複数の(漁業管理上の)海域をまたいで分布する漁業資源。
Subtropical Convergence 亜熱帯収斂線
(あねったいしゅうれんせん)
中緯度・亜熱帯海域を東西に走る表面流の弱い収束線で亜熱帯収束線とも呼ばれる。 南半球では、各大洋の中央水と亜南極海域の水塊との境をなしている。 北太平洋では中央水内部での南西流と北赤道海流との間にある収束線を指すのが普通であるが、 あまり明確な前線ではない。
Surface fishery 表層漁業 海の表層にいる魚群を対象とする漁法。まき網、竿釣り、ひき縄等が該当する。
TAC
(Total Allowable Catch)
総漁獲可能量 あらかじめ定めた漁獲量の上限。
Tag release 標識放流 個体に識別標識(ビニール製の細長い標識やひれの一部を切りとる等)を装着し、放流と再捕時の情報から対象生物の成長、死亡率、回遊に関する知見を得る。資源量推定に用いられる場合もある。
Target Reference Point 各RFMO等で定義された管理目標(management objective)に基づき、“平均的に”達成すべき水準(資源水準と漁獲係数の両方あるいは一方、例、BMSY、FMSY)。ただし、“平均的に”というのは各RFMOあるいは魚種毎に、特定の何らかの確率的な形で定義されることが多い。
TED
(Turtle Excluding Device)
海亀混獲回避装置 エビなどを対象とするひき網漁法において、漁獲対象種を逃がさずに海亀だけを選択して逃がす脱出装置。仕組みとして、魚は通るが海亀は通ることができない幅の格子状のロープを網の途中に設置することによって海亀だけが外部に排出される。
Thermocline 水温躍層(すいおんやくそう) 鉛直方向に水温が急激に変化する層を指す。温度躍層は主水温躍層と季節躍層に分けられる。赤道域ではそのうち主水温躍層が主に見られ、海面付近では日射により海水温は高い状態にあるが、深度数百mより深い場所では1年を通じて水温が低い状態でほとんど変化しない。主水温躍層はこの温度差によって生じる。
Tori-line トリライン まぐろはえ縄船において海鳥の混獲を防ぐ目的で船尾付近に立てたポールに、ロープが付けられるとともに、他の目立つビニールテープ等が付けられ、船尾から流して投入した仕掛けに海鳥が掛かるのを防ぐ。
Troll fishery ひき縄(曳縄) 海の表層に分布するまぐろやかつお、時にはかじき類を対象にルアー(擬餌鈎)や生餌を使って行なう曳き釣り漁法。まぐろやかつおの小型魚が主として漁獲される。
UNCLOS
(United Nations Convention ofon the Law of the Sea)
国連海洋法条約 海洋法秩序に関する包括的な条約として、1982年に第三次国連海洋法会議において採択され、1994年11月に発効。
VMS
(Vessel Monitoring System)
漁船位置通報監視システム 定期的、自動的に、漁船の位置を報告するシステム
VPA
(Virtual Population Analysis),Cohort Analysis
コホート解析 同一年級群(同じ年生まれ)の魚の資源尾数を、年齢別漁獲尾数を用いて計算する方法。年齢別漁獲尾数は正確に分かっていると仮定している。
VPA-2 Box ADAPT VPAの一種でICCATや米国メキシコ湾岸の資源評価で用いられている。空間構造、性別を考えない通常のADAPT VPAの他に雌雄を区別したり、2海域までの空間構造、2系群が混合している状況に用いることができる。
YPR,Y/R
(Yield Per Recruitment)
加入量当り漁獲量 データとして年齢別体重、自然死亡係数、年齢別加入割合を用いる。一定の加入がある場合、ある年齢別選択率と漁獲の強さによって得られる漁獲重量を加入(1尾)あたりで表す。大きいほど得られる漁獲量は大きくなる。
反(たん) 流し網や刺し網などは、多数の網を連結して一つの網として使用される。この一式を構成する網の単位(枚数)。流し網の努力量の単位として使用されている。→流し網
統(とう)、ヵ統(かとう) 定置網は様々な網、浮子や綱等により構成されている。この定置網一式の単位。定置網の努力量の単位として使用されている。→定置網