--- 要約版 ---

59 トド 北太平洋沿岸・オホーツク海・ベーリング海

Steller Sea Lion, Eumetopias jubatus


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図3

トドの分布


図2

体長と年齢の関係


図1

トド採捕頭数の推移(1958〜2018年)(北海道庁、青森県庁)

揚収頭数は回収し陸上処理した頭数、海没頭数は死亡を確認したが回収できなかった頭数、傷害頭数(1993年度まで)は被弾したが死亡を確認できなかった頭数、損傷死亡頭数(2015年度から)は損傷を負わせ死亡させたとみなされる頭数を意味する。なお、2018年度の海没・損傷死亡数の内訳は暫定値である。

*トド年度(1993年以前は4〜3月、1994〜2013年は10〜6月、2014年以降は9〜6月)による集計


図6

チュレニー島の個体数変化


図10

近年の来遊状況と回遊模式図


図8

航空機目視調査の調査定線とトド発見位置(2012年)

(●:トド一次発見、○:トド二次発見、青線:海況2以下での探索、赤点線:海況3以上での探索)

トド(北太平洋・オホーツク海・ベーリング海)の資源の現況(要約表)

資源水準 西部系群:不明
資源動向 西部系群:増加
世界の漁獲量
(最近5年間)
(米国のみ、
日本を除く)
325.7〜355.0頭
最近(2018)年:355.0頭
平均:340.7頭(2014〜2018年)
我が国の漁獲量
(近年5年間)
415〜540頭
最近(2018)年:476頭
平均:483.0頭(2014〜2018年)
管理目標 10年後(2023年)に来遊個体群の個体数が現在(2010年)の水準の60%になるまで減少させる(日本海来遊群)
資源評価の方法 繁殖期に上陸個体を計数し、水準と動向を判断
(国内では、日本海来遊群を対象にライントランセクト法による広域航空機目視調査及び北海道庁が集計する「来遊目視状況資料」に基づく)
資源の状態 検討中
管理措置 ・日本海来遊群:2019〜2023年度の間、年間のクオータ(混獲死亡個体数を除いた採捕上限頭数)を501頭とする(ただし、前年度未消化枠がある場合は75頭を上限に加算される)
・根室(知床)来遊群:年間のクオータを15頭とする
最新の資源評価年 2020年
次回の資源評価年 2021年

管理・関係機関
農林水産省
北海道連合海区漁業調整委員会
青森県東部海区漁業調整委員会
青森県西部海区漁業調整委員会

生物学的特性
  • 体長・体重:雌で2.7 m・350 kg、雄で3.3 m・1,100 kg(体長は吻端−尾端)
  • 寿命:雌で30歳程度、雄で18歳程度
  • 成熟開始年齢:3〜7歳
  • 繁殖期・繁殖場:5月下旬から7月初旬、千島列島やオホーツク海、アリューシャン列島、アラスカ湾、カリフォルニア等の沿岸の特定の岩礁。日本沿岸にはない。
  • 索餌期・索餌場:繁殖場及び上陸場周辺、北海道沿岸(冬季)
  • 食性:魚類、頭足類
  • 捕食者:シャチ、オンデンザメ

利用・用途
北海道の一部の地域では焼肉、鍋等で食されるほか、缶詰原料として利用されている。

漁業の特徴
一部食用としての利用も含め、漁業被害対策として年間のクオータ(混獲死亡頭数を除いた採捕上限頭数)を定めて採捕が行われている(2019年度のクオータは591頭)。

漁獲の動向
1959年より一部食用としての利用を含め、漁業被害対策としての採捕が行われてきた。1994年より北海道連合海区漁業調整委員会による年間116頭の制限が設けられた。2007年、北海道に冬期来遊するトドの推定個体数にPBR(生物学的間引き可能量)の考え方を適用し、人為的死亡頭数(混獲等の全ての人為的要因による死亡を含む)を227頭/年度とした。2014年に日本海来遊群の減少を図る「トド管理基本方針」(2019年一部改正)が策定され、501頭/年度がクオータと設定された。2018年度の混獲死亡を除いた採捕数は476頭(根室(知床)来遊群を含む。)であった。

資源状態
アラスカのサックリング岬(西経144度)以東の東部系群は1970年代半ば以降年率約3%で増加傾向にある。同岬以西の西部系群のうちアリューシャン列島周辺の中央集団は1970年代より急激に減少したが、2000年以降やや増加傾向にある。西部系群のうちコマンドル諸島以西に分布するアジア集団は、1980年代までの急激な減少の後、ベーリング海西部やカムチャツカ半島東部では依然安定もしくは減少傾向にあるが、千島列島やオホーツク海では近年増加傾向にある。そのうちサハリン周辺のチュレニー島では、顕著な増加傾向を示している。

管理方策
主に北海道沿岸で深刻な漁業被害があるため、強化定置網(破られやすい部分に強い繊維を使用)の普及、強化刺網(普通の刺網を、強い繊維の目の粗い刺網で挟む)の開発・実証、音響忌避装置の開発、猟銃による採捕・追い払い、生態調査等を行っている。2014年に策定された基本方針では、@本種の絶滅の危険性がない範囲で本種による漁業被害を最小化することを目標とする、A管理は予防原則に基づくとともに順応的管理の考え方を導入し行う、との基本的な考え方に基づき、「日本海来遊群の個体数を10年後(2023年)に現在(2010年)の水準の60%となるまで減少させること」を管理の目標とすることとされた。基本方針(2019年一部改正)の下での日本海来遊群の採捕数は2019〜2023年度の間604頭/年度とされ、混獲死亡個体数(103頭)を減じた501頭/年度がクオータとされた。ただし、前年度未消化枠がある場合は75頭を上限に加算される。基本方針の対象ではない根室(知床)来遊群のクオータについては、北海道が定めた直近の根室地区の採捕数を踏まえ15頭/年度とされた。なお、基本方針に基づく管理を開始して5年経過時(2019年)に、採捕数、来遊個体群の個体数の変化、漁業被害等の状況を点検し、本方針に関する所用の見直しを行うことが規定されており、2019年8月に各種点検項目に係る点検結果等を踏まえて見直しが行われ、採捕頭数等について現方針の考え方を維持することが確認された。2019年度のクオータは、2018年度未消化分を考慮して591頭(根室(知床)来遊群15頭を含む。)が設定された。日本海来遊群の採捕数は、根室(知床)来遊群15頭分を除いた576頭以内になるよう、北海道、青森県の両道県で調整される(青森県は青森県東部海区漁業調整委員会及び青森県西部海区漁業調整委員会分として8頭以内とされている)。