--- 要約版 ---

33 カツオ 大西洋

Skipjack, Katsuwonus pelamis


PIC

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図4

大西洋のカツオの分布域、産卵場および主な漁場


図5

大西洋のカツオの年齢と体長の関係

A〜Gの曲線は各海域で報告されたカツオの成長を示す。


図1

東部及び西部大西洋におけるカツオ漁獲量の年変化


図2

大西洋におけるカツオの漁法別漁獲量の年変化


図3

東部大西洋におけるまき網によるカツオ漁獲量(1操業あたり漁獲量)の経年変化

France FADs:フランスのまき網船・FAD操業、Spain FADs:スペイン・その他のまき網によるFAD操業、Free schools all PS:まき網による素群れ操業。


図6

東部大西洋(上)及び西部大西洋(下)におけるカツオCPUEの経年変化

Azores BB:アゾレス諸島の竿釣り、Brazil BB:ブラジルの竿釣り、Canary BB:カナリア諸島の竿釣り、Dakar BB:セネガルの竿釣り、Larvae GOM:メキシコ湾における仔魚採集データ、PS EU Dak Free:ダカールに水揚げされたヨーロッパまき網船の素群れ操業、PS Free+FAD:まき網(素群れ+FAD操業)、PSVEN:ベネズエラのまき網、US LL:米国のはえ縄。


図7

Schaefer型のASPICから推定された西部大西洋のカツオにおけるB / BMSYとF / FMSYの歴史的推移

カツオ(大西洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 中位(西部)
資源動向 横ばい(西部)
世界の漁獲量
(最近5年間)
23.2万〜30.5万トン
最近(2018)年:30.5万トン
平均:26.1万トン(2014〜2018年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
1〜4トン
最近(2018)年:3トン
平均:2トン(2014〜2018年)
管理目標 MSY(3.0-3.2万トン(西部))
資源評価の方法 プロダクションモデル(BSP、ASPIC)等
資源の状態 悪化の兆候は認められない
管理措置 漁船登録
FAD操業の禁漁区・禁漁期、FAD数制限
最新の資源評価年 2014年
次回の資源評価年 2021年

管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長100 cm・15 kg
  • 寿命:6歳以上
  • 成熟開始年齢:1〜2歳
  • 産卵期・産卵場:周年・表面水温24℃以上の海域
  • 索餌期・索餌場:熱帯〜温帯域
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海鳥類など

利用・用途
缶詰等の加工品

漁業の特徴
主要な漁業は、東部大西洋でのスペインのまき網、ガーナ、スペイン等の竿釣りと、西部大西洋でのブラジル等の竿釣り、ベネズエラによるまき網である。ひき縄やはえ縄でもわずかに漁獲される。東部大西洋では、近年パナマの漁獲量が増加し、ポルトガルよりも多くなった。主な漁場は、アフリカ西岸ギニア湾の赤道を中心とした熱帯域〜北西岸モーリタニア沖のまき網漁場と、ブラジル南東岸沖の竿釣り漁場である。まき網は、1991年からFAD(人工浮き漁礁)操業が本格化し、漁獲量が増大した。

漁獲の動向
年間漁獲量は1960年代には4千〜5万トン、1970年代には5万〜12万トン、1980年代には11万〜16万トンで推移した。まき網のFAD操業開始により、1991年22万トン、1993年の21万トンがピークで、1995年以降は12万〜19万トンで推移している。2011年以降、漁獲量は20万トンを超えるようになり、2018年には 31万トンと歴史的に最も多い漁獲量を記録した。日本の竿釣りは、1980年代前半まで東部大西洋で操業し、1976〜1981年には1万〜2万トンを漁獲したが、現在は行われていない。

資源状態
2014年6月にICCATの科学委員会(SCRS)において資源評価が実施された。大西洋における本種の生物・漁業学的特徴を考慮して東部・西部大西洋の2海域に区分して資源評価を実施した。東部大西洋では2種類のプロダクションモデル(BSP、ASPIC)及びその他の2種類のモデル(漁獲量のみを用いる資源評価モデル、Gedamke and Hoenig model)を用いて解析を試みた。これらのモデルからは信頼性のあるMSYが得られなかったが、乱獲状態に陥っていることを示す指標も認められていない。西部大西洋ではMSYは30,000〜32,000トンと推定され、資源状態はMSYからの相対値で示された。B2013 / BMSYはおよそ1.3、F2013 / FMSYはおよそ0.7である可能性から、西部大西洋では乱獲状態には陥っていないと推定された。以上から、資源は中位で横ばいと判断された。

管理方策
2014年11月のICCAT年次会合において、データ不足に起因する資源評価の不確実性がSCRSから指摘されていることを踏まえ、既存の熱帯まぐろ保存管理措置に含める形で、管理方策が初めて設定されることとなった。それにより、カツオを漁獲する漁船のICCATへの登録、FAD操業の禁漁区・禁漁期等が設定されることとなった。FAD操業の禁漁区・禁漁期は新たなものが2015年に決定、2016年に発行され、2017年より適用され1〜2月においてアフリカ沿岸域〜西経20度、南緯4度〜北緯5度の範囲となっている。2019年のICCAT年次会合において、熱帯まぐろ保存管理措置が改定され、2020年には1〜2月の2ヶ月間、2021年には1〜3月の3ヶ月間、大西洋全体においてFAD操業の禁止を決定した。FAD数は、1隻当たり一度に350基(2020年)及び300基(2021年)までとなった。2022年以降の措置は今後決定される予定である。