--- 要約版 ---

31 カツオ 中西部太平洋

Skipjack, Katsuwonus pelamis


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図5

太平洋におけるカツオの分布域、産卵域及び漁場


図3

中西部太平洋におけるカツオの主要漁法別漁獲量の経年変化


図4

中西部太平洋におけるカツオの国別漁獲量年変化


図1

中西部太平洋におけるカツオの漁法別漁獲分布(1990〜2017年)

赤:竿釣り、青:まき網、黄:その他


図S

各海域における資源量推定値

(a) 総資源量、(b) 産卵資源量


図13

推定された海区別漁獲係数(F)


図14

産卵親魚の減耗率(親魚量の推定値/漁業が無いと仮定した場合の親魚量)

赤:限界管理基準値、緑:暫定目標管理基準値

カツオ(中西部太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 高位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
162.5万〜200.7万トン
最近(2018)年:183.8万トン
平均:181.2万トン(2014〜2018年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
19.3万〜26.6万トン
最近(2018)年:20.2万トン
平均:20.9万トン(2014〜2018年)
管理目標 (暫定)漁業がないと仮定して推定した現在の資源量の50%
資源評価の方法 統合モデル(Multifan-CL)
資源の状態 最近年(2014-2018)の産卵親魚量は、漁業が無いと仮定した場合の約44%程度である。資源は適度に利用されているが、産卵親魚量は過去最低値付近にあること、漁獲圧は増加傾向にある。
管理措置 ・メバチ・キハダ・カツオの保存管理措置は、2019年・2020年の2年間の措置として、まき網漁業によるEEZ内、公海域FAD禁漁期間がそれぞれ3ヶ月と5ヶ月、公海操業日数制限は先進国に加え、島嶼国がチャーターする船にも適用、FAD数制限を1隻あたり常時350基以下とすることが決まった。
最新の資源評価年 2019年
次回の資源評価年 2022年

管理・関係機関
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)
太平洋共同体事務局(SPC)

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長100 cm・25 kg
  • 寿命:6歳以上
  • 成熟開始年齢:1.5歳
  • 産卵期・産卵場:表面水温24℃以上の海域
  • 産卵場・索餌場:表面水温15℃以上の海域
  • 食性:動物プランクトン、魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海鳥類等

利用・用途
缶詰や節原料、刺身・たたきによる生食

漁業の特徴
1950年代から1970年代までは主に日本の竿釣りが中心で漁獲量が伸びていった。1980年代にはいると漁場の拡大に伴う活餌保持の問題と燃油高騰等の経済的要因から遠洋竿釣り漁船数が減少して竿釣り漁獲量の伸びが停滞した。竿釣りの漁獲量は、1980年代後半以降は緩やかに減少している。1980年代には各国のまき網船による熱帯水域漁場の開発が始まって漁獲量の急増期に入り、以降現在までまき網の漁獲量は増加している。竿釣りは、2005年頃まで日本が約6割を占めていたが、次第に減少し、2006年以降はインドネシアが最も漁獲量が多くなり、近年の日本が占める割合は4〜5割ほどになっている。まき網については米国、韓国、台湾及び日本の遠洋漁業国が近年の漁獲量の5〜6割を占め、他はインドネシア、フィリピンが多い。

漁獲の動向
漁獲量は、主に竿釣りにより、1960年前後には10万〜17万トン、1970年には20万トンを超えた。1970年代後半には竿釣りが30万トンを超える水準となり、全体では40万トン台となった。1980年代以降はまき網による漁獲量が急増し、1990年代には100万トン前後に増大、さらに2009年には180万トン近くに達したが、2011年にかけて減少し、その後再び増加に転じて2014年には約200万トンと過去最高を記録し、2015〜2017年に減少傾向を示したが、2018年は再び増加した。2018年の漁法別漁獲量(暫定値)は、まき網が146万トンで79%、竿釣りが17万トンで約9%、その他の漁業が21万トンで約11%である。2018年の国別漁獲量は、インドネシアが29万トンで最大で、韓国22万トン、パプアニューギニア21万トン、日本20万と続き、台湾、米国は近年それぞれ15万〜25万トンほど漁獲している。日本沿岸域のひき縄による2018年の漁獲量は471トンであり、近年で大不漁を示した2014年と同程度であった。

資源状態
中西部太平洋のカツオの資源評価は前回2016年に実施されたが、モデルの設定に問題があることから資源状態について合意できなかった。2019年に最新の資源評価が前回と同様SPCの専門家グループにより、統合モデルのMultifan-CLを用いて実施された。評価期間は1972〜2018年とし、漁獲量データ、努力量データ、体長組成データ、標識放流再捕データを入力して行われた。2016年からの主な更新と変更は、@海域区分を5海域から8海域に変更、A成熟体長の変更、B日本のデータ(沿岸漁獲量、サイズ、標識放流再捕)の更新、Cモデル設定(成長式をモデル内で推定、再捕された標識個体の分布に関する前提条件、データ間の重み付け)の変更、Dこれまで一つの結果を参照モデル結果(reference case)とした示し方を54の異なるモデル設定の中央値を代表値として示した。中西部太平洋全域において推定されたカツオの総資源量は1980年代中頃から2000年代中頃まで横ばいで、その後減少傾向を示した。また、産卵親魚量は減少傾向を示し、最近年(2014〜2018年)の産卵親魚量は過去最低値付近にあることが留意された。推定された加入量は、1972年から2000年頃まで増加した後、横ばいで推移した。推定された漁獲係数は成魚、未成魚ともに増加傾向を示し、2018年は最大に達した。近年(2014-2018)の産卵資源量は漁獲がなかったと仮定して推定された産卵親魚量の約44%であった。以上から、資源の状態は、資源は適度に利用されているが、産卵親魚量は歴史的最低値水準にあることが留意され、漁獲圧は増加傾向にあるとされた。

管理方策
WCPFCでは、2018年12月の第15回年次会合において、メバチ・キハダ・カツオの保存管理措置の見直しが議論され、2018年の主要な措置を2019年・2020年の2年間延長する措置が合意された。主な措置の内容は、まき網漁業によるEEZ内、公海域FAD禁漁期間はそれぞれ3ヶ月と5ヶ月、公海操業日数制限は先進国に加え、島嶼国がチャーターする船にも適用、FAD数制限を1隻あたり常時350基以下とすること等である(FAD操業規制はメバチ幼魚死亡率削減を目的とするが、本種にも影響を与えている)。
2015年WCPFC第12回年次会合で合意された暫定的な長期管理目標は、漁業がないと仮定して推定した現在の資源量の50%であった。この管理目標値は2019年に見直しについて議論されたが、合意には至らず、2020年の年次会合で再度議論することとなった。また、SPCと科学小委員会に対して、@見かけ上の努力量の増加を考慮した将来予測の実施、A目標管理基準値の候補として、42%、44%、46%、48%、50%について追加の将来予測、Bメバチ・キハダでも同様の計算を実施し、情報提供することが要請された。この他、以下のメバチ・キハダ・カツオの保存管理措置の見直しについても、2020年の年次会合で再度議論することとなった。