--- 要約版 ---

29 クロカジキ 大西洋

Blue Marlin, Makaira nigricans


PIC

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図3

クロカジキ(大西洋)の分布


図1

大西洋におけるクロカジキの国別漁獲量

2018年は暫定値。


図2

大西洋におけるクロカジキの漁法別漁獲量

2018年は暫定値。


図6

JABBA及びSS3による2016年の神戸プロット

資源状態と管理勧告はJABBAとSS3の結果によって決定された。赤丸はSS3の結果、青丸はJABBAの結果である。

クロカジキ(大西洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
1,436〜2,689トン
最近(2018)年:1,436トン
平均:2,042トン(2014〜2018年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
280〜430トン
最近(2018)年:293トン
平均:318トン(2014〜2018年)
管理目標 MSY:目標値3,056(2,384〜3,536)トン
資源評価の方法 JABBA及びSS3
資源の状態 現在の資源量は乱獲状態であり、漁獲も過剰漁獲状態である。
管理措置 ・2020年以降の陸揚げ限度量を1,6700トンとする(日本の割当量は328.1トン)
・スポーツフィッシングについてオブザーバー乗船(5%)、サイズ規制、漁獲物の売買禁止
最新の資源評価年 2018年
次回の資源評価年 未定

管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)

生物学的特性
  • 体長・体重:下顎叉長2.8 m・200 kg(雄)、下顎叉長3.8 m・500 kg(雌)
  • 寿命:調査中
  • 成熟開始年齢:2〜4歳
  • 産卵期・産卵場:夏〜秋、熱帯・亜熱帯域
  • 索餌期・索餌場:夏、温帯域
  • 食性:魚類(特にさば類)、頭足類
  • 捕食者:調査中

利用・用途
刺身、切り身(ステーキ、ソテー)

漁業の特徴
本資源が主対象の漁業は米国、ベネズエラ、バハマ、ブラジル等のスポーツフィッシングとカリブ海諸国やアフリカ西岸諸国の沿岸零細漁業である。近年の漁獲の多くは、日本や台湾等のまぐろ類を対象としたはえ縄漁業の混獲及びカリブ海諸国やアフリカ西岸諸国の沿岸漁業によるものである。

漁獲の動向
最新の本資源の漁獲量は1979〜1998年に増加傾向を示した後、2000年代中旬まで減少し、その後再び増加したが、2009年以降は減少傾向を示している。1990年代半ば〜2000年代半ばには便宜置籍船によるはえ縄の漁獲等が増加した。また、1996年以降からはガーナ、コートジボワールといった沿岸零細漁業国がまとまった漁獲を揚げる等、近年は新しい漁業国による漁獲が増えている。2018年の漁獲量は暫定で1,436トンであった。日本の漁獲量は、2001年以降増加の傾向を示し2008年に1,000トンを上回った。その後、漁獲量は減少しつつも2018年は293トンを記録し、漁獲量は国別で最多となっている。

資源状態
資源評価は2018年6月にICCAT科学委員会(SCRS)によって実施された。資源評価には、プロダクションモデルのJABBA(Just Another Bayesian Biomass Assessment)とASPIC(A Stock-Production Model Incorporating Covariates)及び統合モデルのStock Synthesis 3(SS3)が用いられ、最終的にJABBAとSS3の結果が採用された。これらの資源評価モデルには、データ準備会合で選定された10種の漁業の資源量指数が適用された。また、総漁獲は公式統計のTASK1に未分類のかじき類の漁獲量を考慮したものを用いた。資源評価モデルの結果は、2011年の資源評価結果と同様に、資源量が乱獲状態であり、漁獲も過剰漁獲状態であることを示した。さらに、SCRSは、JABBAとSS3の結果をもとに将来予測も行い、2028年に50%以上の確率で資源をMSYレベルにするためのTAC(1,750トン)を算出した。これらの結果を受け、SCRSは、2011年の資源評価結果で決定した2,000トンのTACを上回る漁獲が続いたため、資源量は回復しなかったと結論づけた。なお、SCRSは、この結果に対し、本資源の漁獲量と生産性について不確実性があることを明記している。

管理方策
2018年に行われた資源評価結果で現行のTACを引き下げる必要性を示唆したことから、2019年のICCAT年次会合では、大西洋のクロカジキ資源に対して、2020年以降の陸揚げ限度量を1,670トンとすることが合意され、放流後の死亡率を最小化するよう取り組むことが勧告された。なお、日本の割当量は年間328.1トンである。また、生きて漁獲された個体をできるだけ放流後の生存率が高くなるように放流することが勧告された。また、資源解析・評価の実施に当たって問題となった生存放流及び死亡投棄個体数の各国の推定方法のSCRSによる検証、スポーツフィッシングについてはオブザーバーの乗船(カバー率5%)、サイズ規制と売買の禁止が勧告されている。