--- 要約版 ---

27 ニシマカジキ 大西洋

White Marlin, Tetrapturus albidus


PIC

[HOME] [詳細版PDF] [要約版PDF] [詳細版html] [戻る]
図4

ニシマカジキの分布


図1

ニシマカジキの国別漁獲量


図2

ニシマカジキの海域別・漁法別漁獲量


図5

資源評価で用いられた漁業別資源量指数

EUスペインのはえ縄の指標(紫色実線)は、感度解析のみに使用された。また、JABBAのベースケースモデル(モデルS3)は、1959-1961の日本のはえ縄CPUEを使用していない。


図6

資源評価結果(神戸プロット)

資源評価の結果として、JABBAのS3モデル(1959年から1974年までの日本のはえ縄CPUEを使用していないモデル)とSS3のモデル6(投棄した漁獲をモデル内で推定した結果)及びモデル7(投棄した漁獲を推定していない結果)が合意された。

ニシマカジキ(大西洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 微増
世界の漁獲量*
(最近5年間)
304〜480トン
最近(2018)年:304トン
平均:417トン(2014〜2018年)
我が国の漁獲量*
(最近5年間)
6〜10トン
最近(2018)年:8トン
平均:8トン(2014〜2018年)
管理目標 MSY
資源評価の方法 JABBA及びSS3
資源の状態 B2010<BMSY、F2010<FMSY
管理措置 2020年以降の陸揚げ限度量を355トンとする(日本の割当量は35トン)。
スポーツフィッシングについてオブザーバー乗船(5%)、サイズ規制、漁獲物の売買禁止。
最新の資源評価年 2019年
次回の資源評価年 未定

* 漁獲量には、いずれもラウンドスケールスピアフィッシュの漁獲が混入していると考えられる。


管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)

生物学的特性
  • 体長・体重:下顎叉長200 cm・44 kg
  • 寿命:不明
  • 成熟開始年齢:不明
  • 産卵期・産卵場:春、熱帯域
  • 索餌期・索餌場:夏、温帯域
  • 食性:おそらく魚類、いか類
  • 捕食者:大型歯鯨類、まぐろ・かじき類などが小型個体を捕食する場合がある。
※2006年に本種に外見がよく似たラウンドスケールスピアフィッシュが新種として記載された。これ以前に行われた本種の生物学的研究には、ラウンドスケールスピアフィッシュの標本が混入していると考えられる。

利用・用途
刺身、寿司、切り身(ステーキ)、マリネ等

漁業の特徴
本種を主対象として漁獲している漁業は米国、ベネズエラ、バハマ、ブラジル等のスポーツフィッシングとカリブ海諸国やアフリカ西岸諸国の沿岸零細漁業であるが、漁獲量の大部分は台湾、日本、ブラジル等のはえ縄漁業の混獲によるものである。近年、ベネズエラ、トリニダード・トバゴ等のカリブ海諸国やブラジルの零細漁業の漁獲の割合が多い。最近本種に外見が極めてよく似たラウンドスケールスピアフィッシュ(Roundscale Spearfish, Tetrapturus georgii)という新種の存在が確認され、ニシマカジキの報告漁獲量の中に本種の漁獲が含まれていることがわかった。現在までのところICCATのニシマカジキの漁獲統計はこの2種を一緒に計上している。

漁獲の動向
本種の漁獲の大半ははえ縄漁業によるものであり、1980年代半ば以降は南大西洋での漁獲が、北大西洋を上回っていたが、2010年からは北大西洋の漁獲量がやや多くなっている。本種の総漁獲量は1960年代に約5,000トンまで達した後、1970年代に2,000トン前後に急減し、2000年までの間に1,000〜2,000トンの間で推移した。その後総漁獲量は緩やかな減少傾向を示し、2009年までは600トン前後で推移したが、2010年以降再び減少し、2018年は暫定値で304トンと報告されている。日本の漁獲量は、1990年代前半までは100トンを上回っていたが、それ以降減少を続け、近年の漁獲量は6〜10トンであり、2018年は8トンであった。

資源状態
資源解析はベイジアンプロダクションモデル(JABBA)と統合モデル(SS3)を用いて実施された。漁獲量に対する不確実性を反映するために、SS3を用いた解析では、投棄・放流をモデル内で推定するシナリオ(モデル6)と、提出された漁獲データのみを使用するシナリオ(モデル7)が使用された。資源評価の結果、本資源はこれまで高い漁獲圧を受けてきたが、現在は漁獲圧も減少し、現在の漁獲死亡係数の水準はMSYレベルよりも低くなっている。一方、資源量はいまだにMSYレベルよりも低くなっていると考えられる。以上の結果から、資源量は、MSYを下回っている可能性があるものの、漁獲量は減少しているため、資源水準は定位、資源動向は微増と判断される。

管理方策
2019年に行われた資源評価結果を受けて、大西洋のニシマカジキ資源に対しては、2020年以降の毎年の陸揚げ限度量を355トンとすることが合意された。日本の割当量は年間35トンである。また、生きて漁獲された個体をできるだけ放流後の生存率が高くなるように放流することが勧告されたほか、資源解析・評価の実施に当たって問題となった生存放流及び死亡投棄個体数の各国の推定方法のSCRSによる検証、スポーツフィッシングについてはオブザーバーの乗船(カバー率5%)、サイズ規制と売買の禁止が勧告されている。