--- 要約版 ---

19 メバチ インド洋

Bigeye Tuna, Thunnus obesus


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図4

インド洋メバチの漁場


図2

インド洋メバチの国別漁獲量(1950〜2018年)

NEI:Not Elsewhere Included;FR:冷凍。


図1

インド洋メバチの漁法別漁獲量(1950〜2018年)


図3

インド洋メバチの海域別漁獲量(1950〜2018年)

F57:東インド洋(FAO海域57)、F51:西インド洋(FAO海域51)。


図10

日本、韓国、台湾及びセーシェルのまぐろはえ縄漁業データを複合したメバチ標準化CPUE(エリア別・年別)


図11

インド洋におけるメバチ資源評価(SS3)結果に基づくKobeプロット(各シナリオのメディアン及び2018年の資源状態)

メバチ(インド洋)の資源の現況(要約表)*

資源水準 中位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
8.7万〜9.6万トン
最近(2018)年:9.3万トン
平均:9.2万トン(2014〜2018年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
0.4万〜0.6万トン
最近(2018)年:0.4万トン
平均:0.5万トン(2014〜2018年)
管理目標 MSY :8.7万トン(7.5万〜10.8万トン)*
資源評価の方法 統合モデル(SS3)による解析
はえ縄漁業CPUE、標識データ及び漁獲動向等により水準と動向を評価
資源の状態 SSB2018/SSBMSY=1.22(0.82〜1.81)*
F2018/FMSY=1.20(0.70〜2.05)*
漁獲圧はMSYレベルを上回り資源量はほぼMSYレベル(過剰漁獲であるが乱獲状況ではない)
管理措置 資源管理措置:現在(2018年)の漁獲努力量レベルでは資源はMSYレベルを割り込む確率が50%を超える。漁獲量を少なくとも10%削減すればその確率は50%以下。
漁業管理措置(共通項目):熱帯まぐろ(メバチ、キハダ)を漁獲対象とする漁船隻数の2006年水準への制限、FAD数制限、支援船数制限、まき網・はえ縄漁業ログブック最低情報収集の義務及びオブザーバープログラム等。
最新の資源評価年 2019年
次回の資源評価年 2022年(予定)

* 80%信頼区間


管理・関係機関
インド洋まぐろ類委員会(IOTC)

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長約2.0 m・約200 kg
  • 寿命:10〜15歳
  • 成熟開始年齢:3歳
  • 産卵期・産卵場:周年・表面水温24℃以上の海域
  • 索餌期・索餌場:4〜9月に南半球温帯域に現れるほか、温帯域と熱帯域を複雑に回遊
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身や缶詰原料

漁業の特徴
本種ははえ縄漁業(2歳以上対象)とまき網漁業(0〜1歳対象)で主に漁獲される。本資源のインド洋における漁獲は日本のはえ縄漁船により、1952年にジャワ島南部海域で始まった。その後、台湾、韓国のはえ縄漁船がそれぞれ1954年、1965年から参入した。まき網の主要漁業国はスペイン、フランスである。西インド洋のEUまき網開始(1984年)以前は、はえ縄による漁獲が大半で主に2歳魚以上であったが、まき網による0〜1歳の漁獲尾数が急増し、最近(2013〜2018年)では総漁獲尾数の5割近くを0〜2歳が占める。最近5年間の漁法別の漁獲量は、はえ縄52%、まき網37%、その他10%、また海域別ではFAO海域51(西インド洋)における漁獲量65%、FAO海域57(東インド洋)35%となっている。

漁獲の動向
はえ縄漁業による漁獲量は、操業開始以来緩やかに増加し、1992年に6.4万トンに達した後、1993年に8.9万トンに急増し、1997年には11.8万トンとピークに達した。1999年からはいったん減少したものの、その後再び増加し、2004年には11.9万トンと2度目のピークに達した。しかし、その後減少し、2010年には4.9万トンになり、1984年以降最低レベルとなった。その後は再び増加に転じていたが、2013年以降は減少している。一方、まき網漁業は1984年より西部インド洋で本格的に始まり、漁獲量は徐々に増加し、1999年には4.4万トンとピークに達した。しかし、その後2万〜3万トンで推移しており、2017年以降は増加している。総漁獲量は、操業開始以来増加し、1986年に6万トン台になった。1993年から急増し、1993年に11万トン台、1999年に16万トンとピークに達した。その後、2000年から減少傾向が続き、特にソマリア沖海賊の活動が強まった2010年に8.5万トンと1993年以降最低レベルとなった。2012年に海賊活動がなくなって漁獲は12.0万トンに増加したが、その後微減し、2016年には8.7万トンになったが、2017年以降やや増加して2018年には9.3万トンであった。

資源状態
2019年の第21回IOTC熱帯まぐろ作業部会では、SS3(統合モデル)を含む2つのモデルにより資源評価が行われ、SS3の結果が採用された。標準化CPUEは日台韓セーシェル複合のものが使用され、解析結果は、MSY = 8.7万トン(80%信頼区間:7.5万〜10.8万トン)、F2018 / FMSY = 1.20(0.70〜2.05)及びSSB2018 / SSBMSY = 1.22(0.82〜1.81)であった。解析時最新年である2018年の漁獲量は9.4万トンで、漁獲量はMSYレベルを上回って、資源量はMSYレベルを上回っているが、過剰漁獲状態とされた。また、リスク解析(Kobe II)の結果、現状(2018年)の漁獲量で漁獲すると、10年後にSSB<SSBMSY(乱獲)、F>FMSY(過剰漁獲)になる確率は61%及び55%と予測された。

管理方策
第21回IOTC熱帯まぐろ作業部会(2019年10月)における資源評価結果を受け、第22回IOTC科学委員会(2019年12月)は、資源状態は過剰漁獲であり、現状(2018年)の漁獲が続けば、資源が10年後にMSYレベルを割り込む確率は50%を超えるが、漁獲量を少なくとも10%削減すればその確率は50%以下となり、引き続きデータ収集・報告及び解析のモニター及改善をする必要があると勧告した。また、FADの管理として、2013年の第16回科学委員会ではFAD操業による漁獲報告の詳細な様式設定、混獲を回避するFADデザイン構築等が勧告された。さらに、2015年の第19回IOTC年次会合ではFADワーキンググループの設立及びFAD数制限(1隻あたり550基まで)が決議として採択された、2016年5月の第20回年次会合では、支援船の数はまき網船の半数を超えず、FAD数は同時に稼働する数が2015年よりさらに厳しく425基/隻、年間最大設置数が850基/隻までとした決議が採択された。2017年5月の第21回年次会合では、支援船の数は段階的に削減(2018-2019年にはまき網船2隻に支援船1隻、2020-2022年には5隻に2隻)、FAD数は同時に稼働する数が350基/隻、年間最大設置数を700基/隻までと改訂された。2019年6月のIOTC第23回年次会合では、FAD数は同時に稼働する数が300基/隻、年間に取得できるブイの数を500基/隻まで等の改定が加えられた。
このほか、2010年から熱帯まぐろ(メバチ、キハダ)を漁獲対象とする漁船隻数の2006年水準への制限、まき網・はえ縄漁業ログブック最低情報収集及びオブザーバープログラムが義務づけられている。