--- 要約版 ---

17 メバチ 東部太平洋

Bigeye Tuna, Thunnus obesus


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図1

太平洋におけるメバチの分布域

赤色と緑色を合わせた海域が索餌域(分布域)。赤色が産卵域(年平均表面水温24℃以上)。


図2a

東部太平洋におけるメバチの漁法別漁獲量


図2b

東部太平洋におけるメバチの国別漁獲量


図S

東部太平洋におけるメバチの年齢ごとの尾叉長(cm)と体重(kg)の関係


図6

東部太平洋におけるメバチのF / FMSYとSB / SBMSYの推移

水色丸は現状、水色バーは95%信頼区間。白い△は解析開始年(1975年)。破線は暫定限界管理基準値を示す。横軸の破線は、親子関係を想定(スティープネス0.75)し、かつ漁業がないと仮定したときの産卵資源量の加入量の50%を得るための産卵資源量で0.38×SBMSYに相当する。縦軸の破線は、そのときの漁業の強さで1.6×FMSYに相当する。

メバチ(東部太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 中位
資源動向 増加
世界の漁獲量
(最近5年間)
9.2万〜10.5万トン
最近(2018)年:9.4万トン
平均:9.8万トン(2014〜2018年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
0.6万〜1.4万トン
最近(2018)年:0.6万トン
平均:1.0万トン(2014〜2018年)
管理目標 検討中
資源評価の方法 統合モデル(Stock Synthesis)
資源の状態 SB2018/SBMSY=1.02
F2015-2017/FMSY=1.14
ただし、本資源評価結果は不確かで、資源評価モデルの包括的な見直しが必要と考えられており、2018年IATTC第93回年次会合には、カツオと同様の複数の漁業指標(CPUE、漁獲サイズ等)が示されたに過ぎない。
管理措置 ・2017年〜2020年におけるまき網漁業の禁漁期間を拡大(62日⇒72日、一部漁法に設定されていた漁獲上限は廃止)
・2018年〜2020年においてまき網漁業で使用可能なFADの数を大型まき網漁船で450基に制限
・はえ縄漁業:国別メバチ漁獲枠の設定(我が国漁獲枠は32,372トン)
最新の資源評価年 2018年
次回の資源評価年 2020年

管理・関係機関
全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長2.0 m・200 kg
  • 寿命:10〜15歳
  • 成熟開始年齢:3歳
  • 産卵期・産卵場:周年、表面水温24℃以上の海域
  • 索餌期・索餌場:温帯域
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身や缶詰原料

漁業の特徴
主要な漁業ははえ縄とまき網であり、1975〜1993年ははえ縄による漁獲が大部分を占めていたが、1990年代に入って集魚装置(FAD)を使用したまき網操業が発達すると、まき網の漁獲が急増するとともにはえ縄の漁獲が減少した。まき網漁業について、当初は米国船が多かったが、1970年代の終わり頃からメキシコ、ベネズエラ船が増加するとともに米国船が減少し、1990年代に入るとエクアドルやバヌアツ船が増加した。伝統的にいるか付き操業と素群れ操業が行われてきたが、これらは主としてキハダを漁獲していた。1990年代にFAD操業が発達すると、まき網によるメバチの漁獲量が急増した。まき網船の隻数は1961年から2007年の間に125隻から227隻に増加し、それに伴い魚艙容量は3.2万m3から22.5万m3に増加した。2018年には250隻、26.2万m3と、過去最高値を記録した2017年の254隻、26.3万m3よりは少ないが、高い値を示した。まき網総操業数は予備集計値で2018年に32,523操業を記録し、2016年の過去最高値33,211操業よりは若干少ないが、高い値を示した。はえ縄漁業について、我が国漁船は当初は缶詰等の加工品原料としてキハダとビンナガを漁獲していたが、1970年代半ばには、刺身需要の増加と冷凍設備の改善によってメバチへと主たる対象魚種を変更した。2000年以降、南北アメリカ沿岸域への出漁が減少し、現在は赤道を挟んだ南北15度の範囲が主な漁場となっている。台湾船は1960年代から出漁しているがビンナガを主対象としており、韓国船は1970年代半ばから操業がある。このほかに、中国、米国、バヌアツ等が漁獲を行っている。

漁獲の動向
1975〜1993年までははえ縄による漁獲が大部分(88%)を占めており、1986年に10万トンに初めて達した。その後、1990年代に入ってFADを使用したまき網操業が発達すると、まき網の漁獲が急増するとともにはえ縄の漁獲が減少した。2000年にピーク(14.3万トン)を記録した後、減少傾向となり、2018年には9.4万トン(予備集計)となった。この年、まき網とはえ縄の割合はまき網が69.5%、はえ縄が30.5%であった。

資源状態
資源評価は2018年にIATTC事務局により行われた。MSYは9.5万トンと推定され、2017年の漁獲量より小さい。2018年当初の産卵資源量はMSYレベル(SB2018 / SBMSY = 1.02)。2014〜2017年の平均漁獲努力は、MSYレベルよりやや大きい(F2015-2017 / FMSY = 1.14、Fmultiplier = 0.87)と推定された。SBMSY及びFMSYは暫定目標管理基準値(Interim Target Reference Point)であるので、2017年当初の本資源は適正なレベルであり、本資源への近年3か年の漁獲努力は適正レベルであったと推定される。また、資源水準は中位、動向は増加と判断できる。ただし、本資源評価結果は不確かで、資源評価の包括的な見直しが必要と考えられており、2018年のIATTC第93回年次会合ではこの資源評価結果は示されず、カツオと同様に複数の漁業指標(CPUE、漁獲サイズ等)が示されたに過ぎない。

管理方策
IATTC事務局からの勧告に基づき、2017年及び2018年に開催されたIATTC第92回、93回会合において、2017年から2019年(2020年に延長)については、(ア)2017年〜2020年におけるまき網漁業の禁漁期間を拡大(62日⇒72日、一部漁法に設定されていた漁獲上限は廃止)、(イ)2018年〜2020年においてまき網漁業で使用可能なFADの数を大型まき網漁船で450基に制限、(ウ)はえ縄漁業の国別メバチ漁獲枠設定の維持(我が国漁獲枠は32,372トン)といった保存管理措置が採択された。(ウ)の措置はキハダの漁獲量にも影響をもたらすと考えられる。なお、2019年に開催されたIATTC第94回会合において、まき網漁船が使用するFADを使用した操業回数の制限等について議論が行われたが、合意に至らず、議論を継続することになった。