--- 要約版 ---

16 キハダ 大西洋

Yellowfin Tuna, Thunnus albacares


PIC

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図3

大西洋におけるキハダの分布域


図1a

大西洋におけるキハダの漁法別漁獲量


図1b

大西洋におけるキハダの国別漁獲量


図S

大西洋におけるキハダの成長


図8

大西洋キハダの資源解析結果

青丸は2018年の状態を示す。黒丸は4,500回(9シナリオ×500回)のモデル設計やデータの不確実性を考慮した試行の分布を示す。縦軸は漁獲圧、横軸は資源量で現状/持続可能な値の比で示す。神戸プロットの上側と右側に、それぞれ横軸、縦軸についての頻度分布図を示す。

キハダ(大西洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
11.3万〜14.9万トン
最近(2018)年:13.6万トン
平均:13.2万トン(2014〜2018年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
0.3万〜0.4万トン
最近(2018)年:0.3万トン
平均:0.3万トン(2014〜2018年)
管理目標 MSY:12.1(9.0〜26.7)万トン
資源評価の方法 プロダクションモデル(MPB、JABBA)
統合モデル(SS)
資源の状態 B2018/BMSY:1.17(0.75〜1.62)
F2018/FMSY:0.96(0.56〜1.50)
管理措置 TAC(11万トン)
大西洋全体におけるFADを利用したまき網操業の禁止(2020年は1〜2月の2か月間、2021年は1〜3月の3か月間を予定)
最新の資源評価年 2019年
次回の資源評価年 2024年

管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長2.0 m・200 kg
  • 寿命:7〜10歳(18歳の可能性もある)
  • 成熟開始年齢:3歳
  • 産卵期・産卵場:周年・表面水温24℃以上の海域
  • 索餌期・索餌場:分布域に等しい
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身、すし、缶詰等

漁業の特徴
大西洋におけるキハダ漁業は1950年頃に始まり、1955年頃から竿釣り及びはえ縄漁業が開始された。当初ははえ縄の漁獲が多くを占めたが、最近年はまき網が主となっている。主漁場は熱帯域であり、特に東部大西洋からの漁獲が多い。近年はまき網のFAD操業の漁場が拡大し、南は西アフリカ沿岸の南緯15度付近、北はモーリタニア沖合の北緯15度付近まで拡がっている。はえ縄は大西洋のほぼ全域で操業が行われている。竿釣り漁業は東部、西部大西洋の沿岸部で行われている。

漁獲の動向
漁獲量は、当初から1970年代までは概ね増加傾向にあり、1980年以降は10万〜19万トンの間で変動し、最近年は全漁獲量のうちおおよそ70%がまき網、16%がはえ縄、8%が竿釣りにより漁獲されている。1990年に漁獲量のピーク(19.3万トン)が記録された後、減少傾向に転じ、2018年には13.6万トン(予備集計)となった。

資源状態
最新の資源評価はICCATにより2019年に行われた。資源評価モデルは、2種類のプロダクションモデル(MPB:Surplus production model、JABBA:Bayesian surplus production model)及び統合モデル(SS:Stock Synthesis)が用いられた。MSYは12.1(9.0〜26.7)万トンと推定され、2018年の漁獲量より小さい。2018年の資源量はMSYレベルより大きく(B2018 / BMSY = 1.17(0.75〜1.62))、2018年の漁獲圧はほぼMSYレベルである(F2018 / FMSY = 0.96(0.56〜1.50))と推定された。したがって、2018年において、本資源は乱獲状態ではなく、本資源への漁獲圧は適正なレベルであったといえる。将来予測(3モデル統合)では、将来的な漁獲量13万トン(現状の漁獲量)で2033年(15年後)にグリーンゾーン確率38%、11万トン(TAC)で2033年にグリーンゾーン確率86%と推定された。

管理方策
2019年11月のICCAT年次会合でTACを引き続き11万トンとすることが合意された。また、従来のFAD操業の制限(2019年1月1日〜2月28日の2か月間、南緯4度、北緯5度、西経20度、アフリカ大陸で囲まれた海域で操業禁止)は強化され、2020年には1〜2月の2か月間、さらに2021年には1〜3月の3か月間において、大西洋全体におけるFAD操業の禁止が予定されている。