--- 要約版 ---

15 キハダ インド洋

Yellowfin Tuna, Thunnus albacares


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図13

インド洋キハダの主要な分布域


図1

インド洋キハダの国別漁獲量(1950〜2018年)


図2

インド洋キハダの漁法別漁獲量(1950〜2018年)


図3

インド洋キハダのFAO海域別漁獲量(1950〜2018年)

F51:西インド洋(FAO海域51)、F57:東インド洋(FAO海域57)。


図16

SS3に使用された4海域(順に北西、南西、南東、北東)における四半期別標準化CPUE(日台韓セーシェル複合CPUE:青線)


図17

SS3による資源評価結果(神戸プロット、白丸はベースの24通りのグリッド解析による2017年の資源状態、灰色の丸はメディアン)

キハダ(インド洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
39万〜42万トン
最近(2018)年:42万トン
平均:40万トン(2014〜2018年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
0.3万〜0.4万トン
最近(2018)年:0.3万トン
平均:0.4万トン(2014〜2018年)
管理目標 MSY:40.3万トン(80%信頼区間:33.9万〜43.6万トン)
資源評価の方法 統合モデル(SS3)による解析
はえ縄漁業CPUE、標識データ及び漁獲動向等により水準と動向を評価
資源の状態 SSB2017/SSBMSY=0.83(80%信頼区間:0.74〜0.97)
F2017/FMSY=1.20(80%信頼区間:1.00〜1.71)
資源状況は減少傾向にあり、漁獲圧・資源量ともにMSYレベルを割り込んでいる。
管理措置 一定量以上漁獲した国・漁業の漁獲量削減、オブザーバープログラム(2010年7月より)、漁獲努力量(漁船数)規制、公海における大規模流し網漁業の禁止。
漁業管理措置(共通項目):熱帯まぐろ(メバチ、キハダ)を漁獲対象とする漁船隻数の2006年水準への制限、FAD数制限、支援船数制限、まき網・はえ縄漁業ログブック最低情報収集の義務及びオブザーバープログラム等。
最新の資源評価年 2019年
次回の資源評価年 2020年(予定)

管理・関係機関
インド洋まぐろ類委員会(IOTC)

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長2.0 m・160 kg
  • 寿命:7〜10歳
  • 成熟開始年齢:3歳
  • 産卵期・産卵場:表面水温24℃以上の海域で行われ、赤道域では主に12〜3月、主な産卵海域は東経75度以西
  • 索餌期・索餌場:分布域と同じ海域
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身や缶詰原料

漁業の特徴
インド洋におけるキハダの主漁場は、南緯10度以北、モザンビーク海峡付近及びアラビア海である。最近5年間(2014〜2018年)の漁法別漁獲量は、EU(主にスペイン・フランス)等によるまき網漁業(西部インド洋主体)が36%、台湾、インドネシア、日本等によるはえ縄漁業が17%、流し網漁業(イラン、オマーン、スリランカ)が18%、竿釣り漁業(主にモルディブ)が5%、そしてその他の漁業が24%となっている。また、総漁獲量の約半分が、沿岸国・島嶼国における小規模漁業(流し網・竿釣り・手釣り等)で漁獲されている。1994年以来、中近東諸国(イラン、オマーン、イエメン、パキスタン)のまき網及び流し網による漁獲量が増加している。海域別では、西インド洋(FAO海域51)と東インド洋(FAO海域57)における2014〜2018年平均漁獲量の割合はそれぞれ83%及び17%である。

漁獲の動向
西インド洋でフランス及びスペインのまき網漁業が本格的に開始される1984年までは、キハダ総漁獲量は最大8.8万トンであり、はえ縄漁業による漁獲が50%以上であった。まき網漁業が開始した1984年から総漁獲量は急増し、1988年には20万トンを超えた。1993年にはアラビア海で台湾による大量漁獲があったため40万トンに達し、その後2002年までは32万〜37万トンと比較的高いレベルで推移した。2003〜2006年にかけて、西インド洋熱帯域においてまき網漁業(主に素群れ操業)、はえ縄漁業及び小規模漁業による大量漁獲があり、さらに2004〜2005年にはアラビア海で台湾のはえ縄漁業による2度目の大量漁獲があった。これにより、キハダの総漁獲量は2003〜2006年に40万〜50万トン台へと急増し、2004年に53万トン(過去最大漁獲量)を記録した。しかし、その後2007〜2011年には漁獲量が27万〜33万トンへと急減した。この漁獲量の急減の主な原因は、ソマリア沖海賊の活動範囲が拡大したことにより、沿岸国の漁船が操業できなくなり、まき網船・はえ縄船が大西洋等他の海域へ移動したためである。2012年には海賊活動がなくなり、39万トンと2011年(33万トン)より大きく増加して、その後はほぼ横ばいもしくはやや増加である。2012年の増加は全ての漁法で記録された。

資源状態
2018年のIOTC第20回熱帯まぐろ作業部会ではSS3(統合モデル)及びBiodyn(Biomass dynamic) SCAAを用いて資源評価が行われ、SS3の結果が採用された。MSYは40.3万トン(80%信頼区間:33.9万〜43.6万トン、前回42.2万トン)、F2017 / FMSYは1.20(1.00〜1.71、前回は1.11)、SSB2017 / SSBMSYは0.83(0.74〜0.97、前回は0.89)と推定された。そのため、現状の資源(2017年)は乱獲及び過剰漁獲にある。過剰漁獲の原因は、海賊活動がなくなって漁獲量が急増したためである。リスク解析(Kobe II matrix)にもとづき、2017年の漁獲量が継続した場合、3年後にそれぞれSSB<SSBMSY(乱獲状態)、F>FMSY(漁獲過剰)になる確率はともに100%かそれに近いと予測された。

管理方策
キハダ資源に関し、2016年5月のIOTC第20回年次会合では、2014年にまき網、はえ縄、その他漁法は5,000トン以上、刺網は2,000トン以上漁獲した国は2017年以降それぞれ15%(まき網)、10%(はえ縄)、5%(その他漁法)、10%(刺網)削減の管理措置が採択された。さらに、2017年5月のIOTC第21回年次会合では既存の決議を改定し、支援船の数は段階的に削減(2018-2019年にはまき網船2隻に対して支援船1隻まで、2020-2022年には5隻に対して2隻まで)、FAD数は同時に稼働する数が350基/隻、年間最大設置数が700基/隻までとした。なお、現在IOTCでは熱帯まぐろ(メバチ、キハダ)を漁獲対象とする漁船の隻数を2006年水準に制限している。