--- 要約版 ---

13 キハダ 東部太平洋

Yellowfin Tuna, Thunnus albacares


PIC

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図1

太平洋におけるキハダの分布域


図S

東部太平洋におけるキハダの年齢ごとの尾叉長(cm)と体重(kg)の関係


図2a

東部太平洋におけるキハダの漁法別漁獲量


図2b

東部太平洋におけるキハダの国別漁獲量


図6

東部太平洋におけるキハダのF/FMSYとSB/SBMSYの推移

白色丸は現状、白色バーは95%信頼区間。破線は暫定限界管理基準値を示す。横軸の破線は、親子関係を想定(スティープネス0.75)し、かつ漁業がないと仮定したときの産卵資源量の加入量の50%を得るための産卵資源量で0.28×SBMSYに相当する。縦軸の破線は、そのときの漁業の強さで2.42×FMSYに相当する。

キハダ(東部太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 中位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
22.4万〜26.0万トン
最近(2018)年:25.1万トン
平均:24.7万トン(2014〜2018年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
0.1万〜0.3万トン
最近(2018)年:0.2万トン
平均:0.2万トン(2014〜2018年)
管理目標 検討中
資源評価の方法 統合モデル(Stock Synthesis)
資源の状態 SB2019/SBMSY=0.76
F2016-2018/FMSY=1.12
ただし、本資源評価結果は不確かで、資源評価モデルの包括的な見直しが必要と考えられており、2019年IATTC第43回年次会合には、カツオ、メバチと同様の複数の漁業指標(CPUE、漁獲サイズ等)が示されたに過ぎない。
管理措置 ・2017年〜2020年におけるまき網漁業の禁漁期間を拡大(62日⇒72日、一部漁法に設定されていた漁獲上限は廃止)
・2018年〜2020年においてまき網漁業で使用可能な集魚装置(FAD)の数を大型まき網漁船で450基に制限
・はえ縄漁業:国別メバチ漁獲枠の設定(我が国漁獲枠は32,372トン:キハダの漁獲量にも影響をもたらすと考えられる)
最新の資源評価年 2019年
次回の資源評価年 2020年

管理・関係機関
全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長2.0 m・200 kg
  • 寿命:7〜10歳(18歳の可能性もある)
  • 成熟開始年齢:3歳
  • 産卵期・産卵場:周年、表面水温24℃以上の海域
  • 索餌期・索餌場:熱帯域・温帯域
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身や缶詰原料

漁業の特徴
主要な漁業はまき網(総漁獲量の95%を占める;2014〜2018年)であり、残りがはえ縄(4%未満)と竿釣り(1%未満)である。まき網漁業について、当初は米国船が多かったが、1970年代の終わり頃からメキシコ、ベネズエラ船が増加するとともに米国船が減少し、1990年代に入ると、エクアドルやバヌアツ船が増加した。伝統的にいるか付き操業と素群れ操業が行われてきたが、1990年代に入ると集魚装置(FAD)を使用した操業が発達した。まき網船の隻数は2018年には250隻、26.2万m3と過去最高値を記録した2017年の254隻、26.3万m3よりは少ないが、高い値を示した。はえ縄漁業について、我が国漁船は、当初は缶詰等の加工品原料としてキハダとビンナガを漁獲していたが、1970年代半ばには、刺身需要の増加と冷凍設備の改善によってメバチへと主たる対象魚種を変更した。2000年以降、南北アメリカ沿岸域への出漁が減少し、現在は、赤道を挟んだ南北15度の範囲が主な漁場となっている。台湾船は1960年代から出漁しているがビンナガを主対象としており、韓国船は1970年代半ばから操業があり、2005年以降の漁獲量は多くない。中国船は2015年以降、日本の漁獲量を超え、東部太平洋で最もキハダを漁獲する、はえ縄漁業国となった。

漁獲の動向
近年の漁獲は大部分がまき網(95%、2014〜2018年)によるものであり、残りがはえ縄(4%未満)と竿釣り(1%未満)である。漁獲量は1970年代半ばと1990年にピークがみられる。1983年の漁獲量の急激な落ち込みは、海況の変化に起因する漁船数の減少による。1990年から1995年頃の漁獲減少は、いるかの保護運動の影響で、いるかに付くキハダ魚群を狙う操業が減少したことによる。2001〜2003年に漁獲量は40万トンを超えたが、好調な加入による資源量増大が要因である。2018年の漁獲量は23.8万トン(予備集計)で前年の106%であった。

資源状態
資源評価は2019年にIATTC事務局により行われた。MSYは25.4万トンと推定され、2018年の漁獲量より大きい。2019年当初の産卵資源量はMSYレベルより大きい(SB2019 / SBMSY = 0.76)。2016〜2018年の平均漁獲努力は、MSYレベルより大きい(F2016-2018 / FMSY = 1.12、Fmultiplier = 0.89)と推定された。SB / SBMSY、F / FMSYが暫定目標管理基準値(Interim Target Reference Point)であるので、2019年当初の本資源は乱獲であり、本資源への近年3か年の漁獲努力は、過剰であったといえる。信頼性のある資源評価結果が得られていないものの、資源水準、動向は中位、横ばいと考えられる。

管理方策
IATTC事務局からの勧告に基づき、2017年および2018年に開催されたIATTC第92回、93回会合において、2017年から2019年(2020年に延長)については、(ア)2017年〜2020年におけるまき網漁業の禁漁期間を拡大(62日⇒72日、一部漁法に設定されていた漁獲上限は廃止)、(イ)2018年〜2020年においてまき網漁業で使用可能な集魚装置(FAD)の数を大型まき網漁船で450基に制限、(ウ)はえ縄漁業の国別メバチ漁獲枠設定の維持(我が国漁獲枠は32,372トン)といった保存管理措置が採択された。(ウ)の措置はキハダの漁獲量にも影響をもたらすと考えられる。なお、2019年に開催されたIATTC第94回会合において、まき網漁船が使用する集魚装置(FAD)を使用した操業回数の制限等について議論が行われたが、合意に至らず、議論を継続することになった。