--- 要約版 ---

09 ビンナガ 南太平洋

Albacore, Thunnus alalunga


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図3

太平洋におけるビンナガの分布域と主な漁場

南北のビンナガは赤道で区分される。


図1

南太平洋におけるビンナガの国別漁獲量


図2

南太平洋におけるビンナガの漁法別漁獲量


図5

南太平洋ビンナガの資源評価における海区区分


図7

南太平洋の各海域区分におけるビンナガの産卵資源量(上段)、加入量(中段)、資源量(下段)の推定値


図10

南太平洋のビンナガに関するF/FMSYとSB/SBMSY

ビンナガ(南太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 高位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
6.8万〜9.3万トン
最近(2018)年:8.2万トン
平均:8.1万トン(2014〜2018年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
1,892〜3,219トン
最近(2018)年:2,529トン
平均:2,557トン(2014〜2018年)
管理目標 目標管理基準値として資源量を漁業がないと仮定した場合の資源量の56%
資源評価の方法 MULTIFAN-CL
資源の状態 MSY=98,080
Frecent/FMSY=0.20
SBrecent/SBF=0=0.52
SBrecent/SB0=0.56
管理措置 南緯20度以南の漁船数を2005年または過去5年(2000〜2004年)の平均以下に抑制。
最新の資源評価年 2018年
次回の資源評価年 2021年

管理・関係機関
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)
太平洋共同体事務局(SPC)

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長最大約120 cm、約30 kg
  • 寿命:12歳以上
  • 成熟開始年齢:6歳
  • 産卵期・産卵場:10〜2月(南半球の春・夏季)、中・西部熱帯〜亜熱帯海域
  • 索餌期・索餌場:南半球の夏季、主に南緯30〜45度の外洋域
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
缶詰原料等

漁業の特徴
本種を対象とする漁業は、1950年代初めから日本、韓国、台湾のはえ縄で始まった。1960年代までの漁業はこの3カ国のはえ縄だけであったが、1970年代以降、ニュージーランドや島嶼国等がはえ縄やひき縄で参入し、1980年代の一時期には流し網も行われた。現在の主な漁業は、遠洋漁業国(日本、中国、台湾、韓国)や島嶼国(フィジー、サモア、仏領ポリネシア)のはえ縄、ニュージーランド、米国のひき縄であり、竿釣りの漁獲はわずかである。

漁獲の動向
年間の総漁獲量は、1960年に2万トンを超えてから1990年代までは約2.2万〜4.9万トンの範囲で増減していたが、2000年代以降は増加して2017年まで4.7万〜9.3万トンで推移している。2018年は8.2万トンであり、2017年を下回り、2013〜2017年の平均と同程度であった。国別の漁獲量は、1970年代以降2000年代まで最大であった台湾が近年減少する一方、中国が2008年から急増し、2014年以降、最大となった。また、近年は島嶼国の漁獲量も急増している。漁業別の漁獲量は、近年は中国以外の遠洋漁業国のはえ縄が減少し、島嶼国のはえ縄が増加しつつある。はえ縄以外では、ニュージーランドのひき縄が最も多い。

資源状態
2018年にSPCがMultifan-CLを用いて資源評価を行い、WCPFC科学委員会に報告した。親子関係や自然死亡係数等の不確実性を考慮した72のモデルから推定された現在の親魚資源量は、漁業がないと仮定して推定した現在の資源量(SBF=0)の52%で、MSY水準(6.8万トン)及び限界管理基準値(20%SBF=0)を上回り、乱獲状態ではないとされ、高位と判断される。親魚の漁獲係数(F)は、1990年頃に急増し、2010年以降は減少傾向である。現状のFrecentのFMSYに対する比率は0.20と推定され、過剰漁獲ではないとされた。漁業別では亜熱帯域における近年のはえ縄による漁獲が本資源へ大きく影響しているとされた。

管理方策
SPCは2015年のWCPFC科学委員会において、次の通り報告した。努力量のさらなる増加は長期にわたって漁獲量は増えないことに加えて、漁獲効率の減少をもたらす可能性があることを留意する。南太平洋ビンナガ資源の減少は、島嶼国のはえ縄漁業の経済学的状況を衰退させる重要な要素である。また、魚価の低迷は遠洋はえ縄漁業にも影響がある。亜熱帯域のはえ縄漁業の漁獲量と努力量の増加が南緯10〜30度の特にはえ縄による成魚の漁獲効率を下げている可能性があることに留意する。現在は過剰漁獲でもなく、乱獲状態でもないが、漁業が経済的に存続できる漁獲効率を維持する資源量とするために、SC10同様に引き続きはえ縄漁業による死亡率と漁獲量を減少することを勧告する。
WCPFC科学委員会は、SPCの報告を検討し、生物学的な限界管理基準値を下回ることを回避し、経済学的に実現可能な漁獲率を持続するために、はえ縄の努力量と漁獲量を減少することを勧告した。
WCPFCにおいては、南緯20度以南の太平洋でビンナガを目的として操業する漁船隻数を2005年または過去5年間(2000〜2004年)の平均より増加させないことが2005年に合意されており、引き続き踏襲されている。2018年には、目標管理基準値(TRP)として、資源量を漁業がないと仮定した場合の資源量の56%にすることとし、20年以内にこの水準に達成することが合意された。