--- 要約版 ---

59 カラフトマス 日本系

Pink Salmon, Oncorhynchus gorbuscha


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図3

日本系カラフトマスの主たる分布域


図4

標識放流(1956〜2010年)によって確認された日本系カラフトマスの沖合分布域


図1

日本の漁業におけるカラフトマスの漁獲量経年変化


図6

日本系カラフトマスの来遊漁獲数、放流数および放流体重の推移


図8

北海道本島および周辺地域のカラフトマスの漁獲時期の経年変化


図9

日本系カラフトマスの来遊漁獲数の予測値と実測値の関係

カラフトマス(日本系)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
30.7〜59.1万トン
最近(2017)年:44.9万トン
平均:43.3万トン
(2013〜2017年、注:日本系以外が主体)
我が国の漁獲量
(近年5年間)
約3,000〜14,000トン
最近(2017)年:2,609トン
平平均:6,200トン
(2013〜2017年、注:日本系以外も含む)
管理目標 約1,700〜12,000トン
最近(2018)年:8,000トン
平均:5,500トン(2014〜2018年)
資源評価の方法 現在の資源水準の維持
目標値:平均沿岸漁獲数(過去10年)4.4百万尾
資源の状態 沿岸漁獲量および河川捕獲数により水準と動向を評価
再生産モデルによる解析
資源の状態 2018年の沿岸漁獲数/目標値=1.33
管理措置 産卵親魚量一定方策
持続的河川捕獲数1.0百万尾
稚魚放流1.2億尾
幼魚・未成魚期・成魚期EEZ外、成魚期河川内禁漁
最新の資源評価年 2018年
次回の資源評価年 2019年

※これ以外の漁期・漁法でも日本系は、他の系群とともに漁獲されるが、その混合量の推定は困難である。


管理・関係機関
北太平洋溯河性魚類委員会(NPAFC)
日ロ漁業合同委員会

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長50 cm・1.5 kg
  • 寿命・成熟年齢:ほぼ全てが2歳
  • 産卵期・産卵場:8〜10月、北海道北東部に流入する河川
  • 索餌期・索餌場:夏期・北西太平洋
  • 食性:水生昆虫(河川)、動物プランクトン・マイクロネクトン(海洋)
  • 捕食者:鳥類・オショロコマなど魚類(幼魚)、ネズミザメなど大型魚類・おっとせいなど海産哺乳類(未成魚・成魚)

利用・用途
用途は広く、塩蔵品、生鮮、缶詰などがある。魚卵製品として、筋子(ます子)がある。

漁業の特徴
主に北海道北東部沿岸の産卵河川周辺で夏〜秋季に定置網で漁獲される。広く北太平洋を回遊するが、北太平洋公海のさけます漁業は禁止されている。他国200海里水域内での漁獲量は不明である。

漁獲の動向
1970年代から沖合域での漁獲量は減少し、沿岸域の漁獲量が増加した。沿岸漁獲尾数は、1990年代に急増し偶数年と奇数年の差も広がった。しかし近年、奇数年と偶数年で一定の豊凶が見られるものの、そのパターンの持続性は不明瞭になり、日本系カラフトマスは不安定な資源動向にある。2017年漁期(7月以降)の沿岸漁獲量は1,714トン(105万尾)と極端な不漁となったが、2018年漁期の沿岸漁獲量(速報値)は8,048トン(586万尾)と回復した。最近5年間(2013〜2017年)の沖合を含む漁獲量は3,000〜14,000トンであった。

資源状態
稚魚放流数は1980年代から約1.1〜1.4億尾で安定しているが、来遊漁獲数(沿岸漁獲+河川捕獲)は、1970年代後半〜1980年代前半の約100万尾から、1990年代には500万尾以上となった。しかし、2009年以降は、大きな変動を繰り返しながらも全体的には年々減少する傾向にある。2017年は過去35年間で最も低い漁獲量に陥ったことおよび2018年は同一系統である前偶数年比では72%であったことから、資源水準は低位であり、減少傾向にあると判断された。

管理方策
繁殖期の降水量と冬期・春期の平均気温を説明変数として作成した再生産曲線を元に来遊漁獲数を予測し、現在の資源水準が維持できる河川遡上数を獲り残すという、産卵親魚量一定方策による管理を提案した。今後は、放流効果と自然再生産効果の定量的な評価を行い、索餌域である北太平洋の生物生産も考慮した資源管理方策を開発する必要がある。