--- 要約版 ---

48 イシイルカ 太平洋・日本海・オホーツク海

Dall's Porpoise, Phocoenoides dalli


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図6

北太平洋のイシイルカの分布

1はリクゼンイルカ型系群、2はイシイルカ型の日本海−オホーツク海系群、3〜8はイシイルカ型他系群の各繁殖海域。


図1

イシイルカ捕獲頭数の推移(1979〜2017年)

イシイルカ(太平洋・日本海・オホーツク海)の資源の現況(要約表)

資源水準 調査中
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
我が国以外では商業利用されていない
我が国の漁獲量
(近年5年間)
1,059〜1,636頭
最近(2017)年:1,371頭*
平均:1,390頭(2013〜2017年)
管理目標 現在の資源水準の維持
資源評価の方法 ライントランセクト法に基づく目視調査データ解析から資源量を推定する。
資源の状態 イシイルカ型イシイルカ系群:17.4万頭(CV=0.212、2003年)
リクゼンイルカ型イシイルカ系群:17.8万頭(CV=0.232、2003年)
管理措置 操業海域の道県知事による許可制
(体色型別捕獲枠、年間5〜6か月の漁期、捕獲統計)
最新の資源評価年 捕獲対象系群の主要生息域(オホーツク海と北西太平洋):1989-1900年の調査データに基づき各年の資源量推定値を1991年に発表
オホーツク海全域:2003年の調査データに基づき資源量推定値を2007年に発表
オホーツク海中西部:1990-2010年の調査データに基づき各年の資源量推定値を2015年に発表
次回の資源評価年 2014-2016年の調査データに基づき道東沿岸域の各年の資源量を分析中

* イシイルカ型・リクゼンイルカ型計。


管理・関係機関
水産庁、漁業道県

生物学的特性
  • イシイルカ型とリクゼンイルカ型の2型
  • 体長・体重:2.1 m(上顎先端〜尾鰭分岐点)・220 kg
  • 寿命:15〜20歳(詳細は未解明)
  • 性成熟年齢:雌3〜4歳、雄4〜6歳
  • 繁殖期・繁殖場:晩春から夏(成熟雌は1〜2年毎に出産)、オホーツク海
  • 索餌期・索餌場:周年・北海道沿岸、オホーツク海、三陸沖
  • 食性:ハダカイワシ類、スケトウダラ
  • 捕食者:シャチ

利用・用途
刺身、煮物など

漁業の特徴
北海道、青森県、岩手県および宮城県で知事許可漁業である突きん棒で捕獲されている。この漁業による本種の捕獲頭数は、現在、我が国におけるいるか類の捕獲頭数の中で最大である。捕獲頭数は岩手県船が卓越している。操業は5〜6月と9〜10月に北海道沿岸の太平洋・日本海・オホーツク海で、11〜4月に三陸沖で行われるが、近年は北海道沿岸では操業が行われていない。

漁獲の動向
年間捕獲頭数は、1987年以前は2万頭以下であったが、商業捕鯨モラトリアム以降は鯨肉の流通不足を補うためか、1988年に捕獲頭数が4万頭以上へ急増した(この年までは、2つの型が統計上区別されていない)。その後は1993年の捕獲枠導入によって両型合計1.5万頭程度の水準が続いたが、近年は浜値低迷と燃油高騰などで操業が縮小し、1万頭程度で推移していた。また、東日本大震災の影響で2011年以降は北海道沿岸での操業が行われていないため、イシイルカ型の捕獲頭数は100頭以下で推移し、2017年は7頭であった。リクゼンイルカ型は近年1,000頭台の捕獲頭数で推移しており、2017年は1,364頭であった。したがって、近年の捕獲頭数が少ない状況は経済的要因や震災の影響が考えられる。

資源状態
両型の資源水準については、調査海域の制限や操業形態などの変化があり、調査継続中である。オホーツク海主要部では、資源量に統計的に有意な傾向は見いだせない。近年は、捕獲頭数が変動あるいは減少しているが、上記経済的な理由や震災の影響もあり、資源動向は依然横ばいと考えられる。

管理方策
鯨類の再生産率は1〜4%と経験的に考えられている。出産間隔から本種の再生産率が高い方(3〜4%)であることがうかがえる。これに捕獲実績なども加味して1993年に水産庁が捕獲枠を設定した。また、道県知事による操業海域の許可制、漁期の設定が行われている。水産庁は2007年に本種の管理にPBR(Potential Biological Removal)の概念を適用した。