--- 要約版 ---

30 カツオ 中西部太平洋

Skipjack, Katsuwonus pelamis


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図5

太平洋におけるカツオの分布域、産卵域および漁場


図6

中西部太平洋のカツオの成長パターン


図3

中西部太平洋におけるカツオの主要漁法別漁獲量の経年変化


図4

中西部太平洋におけるカツオの国別漁獲量年変化


図1

中西部太平洋におけるカツオの漁法別漁獲分布(1990〜2017年)

赤:竿釣り、青:まき網、黄:その他

カツオ(中西部太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 高位
資源動向 検討中
世界の漁獲量
(最近5年間)
162.7万〜200.8万トン
最近(2017)年:162.7万トン
平均:181.6万トン(2013〜2017年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
18.2万〜26.6万トン
最近(2017)年:18.2万トン
平均:22.0万トン(2013〜2017年)
管理目標 (暫定)漁業がないと仮定して推定した現在の資源量の50%
資源評価の方法 統合モデル(Multifan-CL)
資源の状態 2016年科学小委員会では合意できず
管理措置 ■メバチ・キハダ・カツオの保存管理措置は、2019年・2020年の2年間の措置として、まき網漁業によるEEZ内、公海域FAD禁漁期間がそれぞれ3ヶ月と5ヶ月、公海操業日数制限は先進国に加え、島嶼国がチャーターする船にも適用、FAD個数制限を1隻あたり常時350個以下とすることが決まった(FAD操業規制はメバチ幼魚死亡率削減を目的とするが、本種にも影響を与えている)。
■長期管理目標として、@漁業がないと仮定して推定した現在の資源量の50%を暫定的な目標とすること、Aこの管理目標値は遅くとも2019年に見直され、それ以降も適宜見直されること、B見直しに際しては、日本沿岸域への来遊状況などに関する科学委員会の勧告が考慮されることについて、2015年第12回年次会合で合意。
最新の資源評価年 2016年
次回の資源評価年 2019年

管理・関係機関
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)
太平洋共同体事務局(SPC)

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長100 cm・25 kg
  • 寿命:6歳以上
  • 成熟開始年齢:1.5歳
  • 産卵期・産卵場:表面水温24℃以上の海域
  • 産卵場・索餌場:表面水温15℃以上の海域
  • 食性:動物プランクトン、魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海鳥類など

利用・用途
缶詰や節原料、刺身・たたきによる生食

漁業の特徴
1950年代から1970年代までは主に日本の竿釣りが中心で漁獲量が伸びていった。1980年代にはいると漁場の拡大に伴う活餌保持の問題と燃油高騰などの経済的要因から遠洋竿釣り漁船数が減少して竿釣り漁獲量の伸びが停滞した。竿釣りの漁獲量は、1980年代後半以降は緩やかに減少している。1980年代には各国のまき網船による熱帯水域漁場の開発が始まって漁獲量の急増期に入り、以降現在までまき網の漁獲量は増加している。竿釣りは、2005年頃まで日本が約6割を占めていたが、次第に減少し、2006年以降はインドネシアが最も漁獲量が多くなり、近年の日本が占める割合は4〜5割ほどになっている。まき網については米国、韓国、台湾および日本の遠洋漁業国が近年の漁獲量の5〜6割を占め、他はインドネシア、フィリピンが多い。

漁獲の動向
漁獲量は、主に竿釣りにより、1960年前後には10万〜17万トン、1970年には20万トンを超えた。1970年代後半には竿釣りが30万トンを超える水準となり、全体では40万トン台となった。1980年代以降はまき網による漁獲量が急増し、1990年代には100万トン前後に増大、さらに2009年には180万トン近くに達したが、2011年にかけて減少した後、再び増加に転じ、2015年は180万トンと過去最高を記録した2014年から約20%減少した。2017年の漁法別漁獲量(暫定値)は、まき網が128万トンで79%、竿釣りが12万トンで約8%、その他の漁業が21万トンで約13%である。2017年の国別漁獲量は、2009年を除き2010年までは日本が最大であったが、2011年には24万トンに減少し、インドネシアが27万トンで最大となり、これ以降も高く推移している。韓国、フィリピン、台湾、米国は近年それぞれ15万〜25万トンほど漁獲している。日本沿岸域のひき縄による2017年の漁獲量は1,443トンであり、日本近海漁獲量の約2%程度である。

資源状態
最新の資源評価はSPCの専門家グループにより2016年に行われ、Multifan-CLを用いた1972年から2015年について実施された。 SPCは、13通りの評価結果を示し、どの結果も同じようにありえるとしつつも、その中の1つを取り上げ、資源は過剰漁獲の状態にはなく、乱獲状態にも陥っていない。また、資源状況は改善し、漁業による圧力は減少していると評価した。8月のWCPFC科学小委員会においては、SPCが選んだ参照事例の評価結果に対し、日本、中国、台湾は、どの評価結果もあり得るのであれば、その上限と下限の範囲で示すべき、また評価モデルの設定などに問題があり、SPCが選んだ評価結果は漁業者との感覚とも大きく乖離しており、支持できないと主張した。その結果、参照事例の評価結果は承認されなかった。また科学小委員会は、SPCが示した計算結果のうち、いくつかは現在の産卵資源量が管理目標を下回っていることを留意するとともに、分布域縮小に関する研究の継続などを勧告した。
漁獲量は過去20年間継続して100万トンを超えていること、設定の異なる72通りの結果から最近年(2012-2015)の産卵親魚量がSBMSYの1.46倍(中央値)であることから資源水準を高位であると判断した。ただし、参照事例の評価結果のみに基づいた資源状態ついては合意されていないことから、資源動向については検討中とした。

管理方策
WCPFCでは、2018年12月の第15回年次会合において、メバチ・キハダ・カツオの保存管理措置の見直しが議論され、2018年の主要な措置を2019年・2020年の2年間延長する措置が合意された。主な措置の内容は、まき網漁業によるEEZ内、公海域FAD禁漁期間はそれぞれ3ヶ月と5ヶ月、公海操業日数制限は先進国に加え、島嶼国がチャーターする船にも適用、FAD個数制限を1隻あたり常時350個以下とすることなどである。
2015年12月のWCPFC第12回年次会合においては、カツオの長期管理目標として、@漁業がないと仮定して推定した現在の資源量の50%を暫定的な目標とすること、Aこの管理目標値は遅くとも2019年に見直され、それ以降も適宜見直されること、B見直しに際しては、日本沿岸域への来遊状況などに関する科学小委員会の勧告が考慮されること、が合意されている。