--- 要約版 ---

37 ヨシキリザメ 全水域

Blue Shark, Prionace glauca

                                                                                   
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図2

ヨシキリザメの分布


図3

ヨシキリザメの年齢と成長


図1

日本の主要漁港へのヨシキリザメ水揚量(1992〜2016年)


図5

北太平洋系群の資源評価で用いられたヨシキリザメのはえ縄船標準化CPUE(1976〜2015年)
縦軸は、CPUEを平均値で割ることで1にスケール化したCPUE。JPEおよびJPLは日本の標準化CPUEを表す。MEXはメキシコの標準化CPUE(2006〜2015年)、SPCはSPCの標準化CPUE(1993〜2009年)、TWNは台湾の標準化CPUE(2004〜2015年)、HWIはハワイの標準化CPUE(2000〜2015年)。


図6

統合モデル(Stock Synthesis)で推定された北太平洋におけるヨシキリザメの産卵親魚量
青の影は95%の信頼区間、赤線はMSY水準を表す。


図7

統合モデル(Stock Synthesis;左図)及びベイジアンサープラスプロダクションモデル(BSP;右図)で示された神戸プロット
黒丸および実線は北太平洋におけるヨシキリザメの相対資源量および相対漁獲死亡係数の時系列変化。


図8

大西洋におけるヨシキリザメの標準化されたCPUE
上:北大西洋、1957〜2013年、下:南大西洋、1971〜2013年。灰色は漁獲量、実線は各国のCPUE(北資源:米国のオブザーバー航海(朱)、日本のはえ縄前期(青)、日本のはえ縄後期(茶)、米国のオブザーバー航海(橙)、ベネズエラのはえ縄(黄緑)、スペインのはえ縄(黒)、ポルトガルのはえ縄(紫)、台湾のはえ縄(紫と×印)、南資源:ウルグアイのはえ縄(緑)、ブラジルのはえ縄(朱)、日本のはえ縄前期(青)、日本のはえ縄後期(赤)、スペインのはえ縄(黒)、台湾のはえ縄(紫))を示す。


図9

資源評価で用いられたインド洋におけるヨシキリザメの標準化CPUE(1992〜2015年)
縦軸は、CPUEを平均値で割ることで1にスケール化したCPUE。各線はそれぞれ日本のはえ縄(青線)、EUフランスのはえ縄(赤線)、EUポルトガルのはえ縄(緑線)を示す。


図10

統合モデル(Stock Synthesis)で示された神戸プロット
青丸および実線は北太平洋におけるヨシキリザメの相対資源量および相対漁獲死亡係数の時系列変化。グレーの丸はMCMCによる不確実性の範囲を示す。



ヨシキリザメ(全水域)の資源の現況(要約表)

                                   
北太平洋
(北緯20度以北)
南太平洋
(北緯20度以南)
資源水準 中位〜高位 調査中
資源動向 横ばい 調査中
世界の漁獲量
(最近5年間)
調査中 調査中
我が国の漁獲量
(最近5年間)
6,547〜7,520トン(水揚量)
最近(2016)年:7,509トン
平均:7,108トン
注:これらの数値は遠洋はえ縄船の漁獲量がほとんど含まれていない
196〜735トン
最近(2016)年:196トン
平均:503トン
管理目標検討中検討中
資源評価の方法SS、BSPMultifun-CL
資源の状態B2015/BMSY
1.65(BSP)
1.69(SS)
議論中
管理措置漁獲物の完全利用等漁獲物の完全利用等
最新の資源評価年 2017年 2016年
次回の資源評価年 未定 未定
                                   
北大西洋
(赤道以北)
南大西洋
(赤道以南)
資源水準 中位〜高位 調査中
資源動向 横ばい 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
3.7万〜4.2万トン
最近(2016)年:4.2万トン
平均:3.8万トン
2.0万〜2.6万トン
最近(2016)年:2.4万トン
平均:2.4万トン
我が国の漁獲量
(最近5年間)
1,808〜4,239トン
最近(2016)年:4,239トン
平均:3,156トン
2,135〜3,199トン
最近(2016)年:2,135トン
平均:2,577トン
管理目標検討中検討中
資源評価の方法SS、BSPBSP
資源の状態B2013/BMSY:1.35〜3.45B2013/BMSY:0.78〜2.03
管理措置漁獲物の完全利用等漁獲物の完全利用等
最新の資源評価年 2015年 2017年
次回の資源評価年 未定 未定
                       
インド洋
資源水準 中位〜高位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
2.8万〜3.2万トン
最近(2016)年:3.0万トン
平均:3.0万トン
我が国の漁獲量
(最近5年間)
832〜1,558トン
最近(2015)年:974トン
平均:1,175トン
管理目標検討中
資源評価の方法SS、BSP、Catch-only model
資源の状態SB2015/SBMSY:0.83〜1.75
管理措置漁獲物の完全利用等
最新の資源評価年 2017年
次回の資源評価年 未定

管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)
みなみまぐろ保存委員会(CCSBT)
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)
北太平洋まぐろ類国際科学委員会(ISC)
全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)
インド洋まぐろ類委員会(IOTC)
太平洋共同体事務局(SPC)

生物学的特性
  • 体長・体重:雄 最大290 cm・251 kg、雌 最大243 cm・168 kg(体長は尾鰭前長)
  • 寿命:20歳以上
  • 成熟開始年齢:雄:4〜6歳 雌:5〜7歳
  • 繁殖期・繁殖場:初夏、北緯30〜40度の海域
  • 索餌期・索餌場:熱帯・温帯域
  • 食性:魚類、頭足類
  • 捕食者:幼魚は大型さめ類や海産哺乳類、成魚は調査中

利用・用途
肉はすり身など、鰭はふかひれ、皮は工芸品や医薬・食品原料、脊椎骨は医薬・食品原料

漁業の特徴
本種は全世界の熱帯から温帯にかけて出現し、外洋性さめ類の中で最も資源豊度が高いと考えられている。本種はまぐろはえ縄漁業で数多く漁獲されているが、基本的に混獲種であり、日本周辺の漁場を除き、遠洋水域で混獲されるヨシキリザメは外地で水揚げされるか放流されている。水揚げは宮城県の気仙沼港を中心に行われ、肉、鰭、脊椎骨、皮が食用や工芸用に利用されている。

漁獲の動向
本種のはえ縄漁業等による水揚量は、1992〜2016年において5,100〜16,000(平均10,934)トンであり、2001年をピークにやや減少傾向で、2011年は東日本大震災の影響により過去最低を大きく更新したが2012年は2010年レベルまで回復した。その後は7,000トン前後で安定している。

資源状態
北太平洋系群については、2017年にISCさめ作業部会で行われた資源評価において、現在の資源量は乱獲状態になく、漁獲も過剰漁獲の状態にはないとされた。この結果は同年7月のISC本会合で承認されたのち、8月のWCPFC科学委員会でも受け入れられた。WCPFC科学委員会から特に勧告は出ていない。南太平洋系群については、2016年にSPCの専門家グループによりオブザーバーデータとはえ縄の漁業データを用いて、Multifun-CL(統合モデル)により資源評価が行われWCPFC科学委員会において報告された。しかし、資源状態を示すのにデータが不十分かつ生物学的なパラメータ等多くの課題が残っているため、資源評価結果から資源状態や管理勧告を示すことができなかった。
南北大西洋系群は2015年のICCATさめ資源評価会合において資源評価が行われ、南北資源の入力データ及びモデル構造の仮定に関して不確実性が高いことを指摘した上で、北資源に対しては乱獲状態になく漁獲も過剰漁獲の状態ではないだろうと評価し、南資源に対しては、資源状態は不明とした。
インド洋系群は2017年のIOTCさめ資源評価会合において資源評価が行われ、現在の資源量は乱獲状態になく、漁獲も過剰漁獲の状態にはないとされた。しかし、近年の資源量および漁獲死亡係数ともにMSY水準に近付いており、漁獲量を増加させないことが勧告された。

管理方策
全てのまぐろ類地域漁業管理機関において、漁獲されたさめ類の完全利用(頭部、内臓及び皮を除く全ての部位を最初の水揚げ又は転載まで船上で保持すること)及び漁獲データ提出が義務付けられている。
加えて、WCPFCでは、2014年の年次会合において、@まぐろ・かじき類を対象とするはえ縄漁業は、ワイヤーリーダー(ワイヤー製の枝縄及びはりす)又はシャークライン(浮き玉又は浮縄に接続された枝縄)のいずれかを使用しないこと、Aさめ類を対象とするはえ縄漁業は、漁獲を適切な水準に制限するための措置等を含む管理計画を策定すること、が合意された。Aに対応して、ヨシキリザメを漁獲対象としている気仙沼の近海はえ縄漁業において、年間のヨシキリザメの水揚量の上限を7,000トンにすること等を定めた管理計画が2016年1月1日より5年間実施されている。
ICCATでは、北資源については、総漁獲量3.9万トン(2011〜2015年の平均総漁獲量)を基準として、2年間の平均漁獲量がこれを超過した場合には、次回の資源評価(2021年に実施予定)の結果を踏まえて追加的な管理措置を検討することとし、南資源については、当該資源評価の結果を踏まえて適切な管理措置を検討することが採択された。