--- 要約版 ---

23 メカジキ 北大西洋

Swordfish, Xiphias gladius

                                                           
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図4

大西洋におけるメカジキの分布


図5

北大西洋メカジキの成長曲線


図1

北大西洋におけるメカジキの国別漁獲量
2016年の値は暫定値。


表1

北大西洋におけるメカジキの近年の国別漁獲量及び投棄量(トン)
2016年の値は暫定値。


図6

Bayesian Surplus Production 2(BSP2)で推定されたF/FMSYとB/BMSYの点推定値の年変化
点線は95%信頼区間を示す。


図7

Stock synthesis 3(SS3)で推定されたF/FMSY(上図)とB/BMSY(下図)の点推定値の年変化
点線は95%信頼区間を示す。



メカジキ(北大西洋)の資源の現況(要約表)

                       
資源水準 中位
資源動向 増加
世界の漁獲量
(最近5年間)
10,447〜13,869トン
最近(2016)年:10,447トン
平均:11,554トン(2012〜2016年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
300〜639トン
最近(2016)年:383トン
平均:460トン(2012〜2016年)
(注)暫定値。生存放流分は含まれていない。
管理目標BMSY:目標値82,640(51,580〜132,010)トン*1
資源評価の方法Surplus Production 2(BSP2)とStock Synthesis 3(SS3)による。
資源の状態B2015/BMSY=1.04(0.82〜1.39)*2
F2015/FMSY=0.78(0.62〜1.01)*2
管理措置2018〜2021年のTACを13,200トン(日本の割り当ては842トン)とする。国別割り当てについて、割り当て分を超過もしくは余った場合には、2年以内であれば差し引き・上乗せを行い調整することができる。ただし、調整分は割り当て量の15%(割り当てが500トン以上の国)または40%(割り当てが500トン未満の国)を超えない範囲とする。
下顎叉長125 cm/体重25 kg未満の個体の水揚量を15%以下に抑えるか、下顎叉長119 cm/体重15 kg未満の個体の水揚量を0%にする(投棄量の評価含む)。
最新の資源評価年 2017年
次回の資源評価年 未定
*1 BSP2の結果。
*2 中央値と95%信頼区間は、BSP2とSS3の結結果を合わせて算出。

管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)

生物学的特性
  • 体長・体重:下顎叉長4.68 m・500 kg
  • 寿命:15歳以上
  • 成熟開始年齢:5歳(雌)
  • 産卵期・産卵場:春から初夏、西大西洋の熱帯域・亜熱帯域
  • 索餌期・索餌場:秋から冬、温帯域
  • 食性:魚類、頭足類
  • 捕食者:調査中

利用・用途
刺身、寿司、切り身(ステーキ)、煮付け

漁業の特徴
本資源は主に浮きはえ縄で漁獲される。このうち米国、カナダ、スペイン、ポルトガル、ブラジル、モロッコ、ナミビア、南アフリカ、ウルグアイ及びベネズエラは、本種を主対象の浅縄(夜縄)操業で主に漁獲し、日本、台湾、韓国、フランスは、まぐろ類を対象とするはえ縄操業(熱帯域では深縄操業)による混獲である。いずれの場合も、前線域や海山周辺水域での漁獲が多い。

漁獲の動向
北大西洋のメカジキは、1970年代後半から漁獲量が急増し1987年にピーク(20,236トン)に達し1990年代に減少した。これは、筋肉に水銀が多く含まれているという理由で米国において水揚げが禁止されていたためである。その後規制が緩和され、2003年以降に報告された漁獲量は10,000〜14,000トンの間で増減を繰り返している。過去10年の平均漁獲量は11,728トンで、2016年の漁獲量は死亡投棄も含めて10,447トンであった。

資源状態
最新の資源評価は2017年にICCATの科学委員会(SCRS)によって実施された。資源評価モデルにはBayesian Surplus Production 2(BSP2)とStock Synthesis 3(SS3)が用いられ、両モデルともに資源量指数として、米国、カナダ、日本、スペイン、モロッコ及びポルトガルのはえ縄データを1つにまとめて標準化したCPUEが使用された。なお、資源評価の期間は1950年から2015年である。
BSP2の計算結果では、資源量は1994年以降BMSY以下の状態から増加し、2015年にBMSY程度まで回復した。一方、漁獲係数(F)は資源量の増加に伴い減少の傾向を示し、2015年にはFMSYを下回った。SS3で計算した結果、資源量は1997年以降増加傾向にありBMSY以上であること、Fは1995年をピークとして若干の増減はあるものの減少傾向を示し、2000年以降はFMSY以下であることが示された。これらの結果から、本種はほぼBMSYにあり、過剰漁獲も起きていないことが合意された。しかし、推定された資源量は以前の資源評価(2009および2013)と比較して、若干悲観的な結果となった。
SCRSは、資源評価の結果を用いて、漁獲量を8,000トンから19,000トンまで1,000トンずつ変化させて2028年までの将来予測を行った。漁獲量を既存のTAC(13,700トン)とした場合では、10年の間資源量と漁業をMSYレベル(B>BMSY、F<FMSY)に保つことができる可能性は36%であり、50%の確率で資源量と漁業をMSYレベルにするためには漁獲を13,200トンにする必要があることが示唆された。

管理方策
ICCATのコミッションは、2014〜2017年のTACを13,700トンとしていたが、2017年の年次会合において、2018〜2021年までのTACを13,200トンとした。日本の漁獲割当量は年間842トンである。国別割り当て分を超過もしくは余った場合には、2年以内であれば差し引き・上乗せを行い調整することができる。ただし、調整分は割り当て量の15%(割り当てが500トン以上の国)または40%(割り当てが500トン未満の国)を超えない範囲とする。現在、大西洋全域について、@下顎叉長125 cm/体重25 kg未満の個体の水揚量を15%以下に抑える、またはA下顎叉長119 cm/体重15 kg未満の個体の水揚量を0%にする(投棄量の評価含む)、という2種類の最小体長規制がある。
なお、北大西洋メカジキについては、「限界管理基準値(LRP)」を用いた「暫定的な漁獲管理規則(HCRs)」の導入が検討されている。