--- 要約版 ---

14 キハダ インド洋

Yellowfin Tuna, Thunnus albacares

                                                       
PIC

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図13

インド洋キハダの主要な分布域


図1

インド洋キハダの国別漁獲量(1950〜2016年)(IOTCデータベース:2017年9月)


図2

インド洋キハダの漁法別漁獲量(1950〜2016年)(IOTCデータベース:2017年9月)


図3

インド洋キハダのFAO海域別漁獲量(1950〜2016年)(IOTCデータベース:2017年9月)
F51:西インド洋(FAO海域51)、F57:東インド洋(FAO海域57)。


図16

SS3に使用された4海域における四半期別標準化CPUE(日台韓複合CPUE:赤線)


図17

SS3による資源評価結果(神戸プロット)



キハダ(インド洋)の資源の現況(要約表)(*)

                       
資源水準 低位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
40万〜41万トン
最近(2016)年:41万トン
平均:41万トン(2012〜2016年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
0.3万〜0.4万トン
最近(2016)年:0.3万トン
平均:0.4万トン(2012〜2016年)
管理目標MSY:42.2万トン(80%信頼区間:40.6万〜44.4万トン)
資源評価の方法統合モデル(Stock Synthesis)による解析
はえなわ漁業CPUE、標識データおよび漁獲動向等により水準と動向を評価
資源の状態SSB2015/SSBMSY=0.89(80%信頼区間:0.79〜0.99)
F2015/FMSY=1.11(80%信頼区間:0.86〜1.36)
資源状況は減少傾向にあり、漁獲圧・資源量共にMSYレベルを割り込んでいる。
管理措置一定量以上漁獲した国・漁業の漁獲量削減、オブザーバープログラム(2010年7月より)、漁獲努力量(漁船数)規制、公海における大規模流し網漁業の禁止。共通漁業管理措置についてはインド洋メバチを参照。
最新の資源評価年 2016年
次回の資源評価年 2018年
(*) 2015年までのデータを使用した資源評価の結果に基づく

管理・関係機関
インド洋まぐろ類委員会(IOTC)

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長2.0 m・160 kg
  • 寿命:7〜10歳
  • 成熟開始年齢:3歳
  • 産卵期・産卵場:表面水温24℃以上の海域で行われ、赤道域では主に12〜1月、主な産卵海域は東経50〜70度
  • 索餌期・索餌場:分布域と同じ海域
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身や缶詰原料

漁業の特徴
インド洋におけるキハダの主漁場は、南緯10度以北、モザンビーク海峡付近及びアラビア海である。最近5年間(2012〜2016年)の漁法別漁獲量は、EU(主にスペイン・フランス)によるまき網漁業(西部インド洋)が35%、台湾、インドネシア、日本によるはえ縄漁業が17%、流し網漁業(イラン、オマーン、スリランカ)が16%、竿釣り漁業(主にモルディブ)が5%、そしてその他の漁業が27%となっている。また、総漁獲量の約半分が、沿岸国・島嶼国における小規模漁業(流し網・竿釣り・手釣りなど)で漁獲されている。1994年以来、中近東諸国(イラン、オマーン、イエメン、パキスタン)のまき網及び流し網による漁獲量が増加している。海域別では、西インド洋(FAO海域51)と東インド洋(FAO海域57)における2012〜2016年平均漁獲量の割合は79%及び21%である。

漁獲の動向
西インド洋でフランス及びスペインのまき網漁業が本格的に開始される1984年までは、キハダ総漁獲量は最大9.2万トンであり、はえ縄漁業による漁獲が50%以上であった。まき網漁業が開始した1984年から総漁獲量は急増し、1988年には20万トンを超えた。1993年にはアラビア海で台湾による大量漁獲があったため40万トンに達し、その後2002年までは32万〜37万トンと比較的高いレベルで推移した。2003〜2006年にかけて、西インド洋熱帯域においてまき網漁業(主に素群れ操業)、はえ縄漁業及び小規模漁業による大量漁獲があり、さらに2004〜2005年にはアラビア海で台湾のはえ縄漁業による2度目の大量漁獲があった。これにより、キハダの総漁獲量は2003〜2006年に40万〜50万トン台へと急増し、2004年に53万トン(過去最大漁獲量)を記録した。しかし、その後2007〜2011年には漁獲量が27万〜33万トンへと急減した。この漁獲量の急減の主な原因は、ソマリア沖海賊の活動範囲が拡大したことにより、沿岸国の漁船が操業できなくなり、まき網船・はえ縄船が大西洋など他の海域へ移動したためである。2012年には海賊活動がなくな り、40万トンと2011年(33万トン)より大きく増加して、その後はほぼ横ばいである。2012年の増加は全ての漁法で記録された。

資源状態
2016年のIOTC第18回熱帯まぐろ作業部会ではSS3(統合モデル)及びBiodyn(Biomass dynamic model)を用いて資源評価が行われ、SS3の結果が採用された。MSYは42.2万トン(80%信頼区間:40.6〜44.4万トン、前回42.1万トン)、F2015/FMSYは1.11(0.86〜1.36、前回は1.34)、SSB2015/SSBMSYは0.89(0.79〜0.99、前回は0.66)と推定された。そのため、現状の資源(2015年)は乱獲及び過剰漁獲にある。過剰漁獲の原因は、海賊活動がなくなって漁獲量が急増したためである。リスク解析(Kobe II matrix)にもとづき、2015年の漁獲量が継続した場合、3年後にそれぞれSSB<SSBMSY(乱獲状態)、F>FMSY(漁獲過剰)になる確率はともに100%かそれに近いと予測された。

管理方策
キハダ資源に関し、2016年5月のIOTC第20回年次会合では、2014年にまき網、はえ縄、その他漁法は5,000トン以上、刺し網は2,000トン以上漁獲した国は2017年以降それぞれ15%、10%、5%、10%削減の管理措置が採択された。さらに、2017年5月のIOTC第21回年次会合では既存の決議を改定し、支援船の数は段階的に削減(2018-19年にはまき網船2隻に支援船1隻、2020-22年には5隻に2隻)、FAD数は同時に稼働する数が350基、年間の取得数が700基までとした。なお、現在IOTCでは熱帯まぐろ(メバチ、キハダ)を漁獲対象とする漁船の隻数を2006年水準に制限している。