--- 要約版 ---

11 ビンナガ 南大西洋

Albacore, Thunnus alalunga

                                                       
PIC

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図3

南大西洋におけるビンナガの年齢と尾叉長(cm)の関係
実線はLee and Yeh 2007、点線はBard and Compean-Jimenez 1980。


図2

大西洋のビンナガの分布と主な漁場


図1

南大西洋におけるビンナガの漁法別漁獲量


図5

2016年の資源評価に用いられた南大西洋ビンナガの標準化CPUE
Chinese Taipei LL:台湾のはえ縄、Japan LL:日本のはえ縄、Uruguay LL:ウルグアイのはえ縄。


図4

ASPICモデル及びBSPモデルのそれぞれシナリオごとのKobe plot(上段)と資源状態を確率としてを示した円グラフ(下段)



ビンナガ(南大西洋)の資源の現況(要約表)

                       
資源水準 中位
資源動向 増加
世界の漁獲量
(最近5年間)
13,677〜25,061トン
最近(2016)年:13,679トン
平均:17,362トン(2012〜2016年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
1,100〜3,106トン
最近(2016)年:1,100トン
平均:1,998トン(2012〜2016年)
管理目標MSY:25,901トン
(範囲:15,270〜31,768トン)
資源評価の方法BSP及びASPIC
資源の状態B2015/BMSY=1.10(0.51〜1.80)
F2014/FMSY=0.54(0.31〜0.87)
管理措置漁獲量規制:24,000トン
うち日本への割り当ては1,355トン
最新の資源評価年 2016年
次回の資源評価年 2020年(予定)

管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長130 cm、40 kg
  • 寿命:10歳以上
  • 成熟開始年齢:5歳頃
  • 産卵期・産卵場:南緯10〜25度の南米大陸寄り
  • 索餌期・索餌場:温帯域
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身や缶詰原料とされる。

漁業の特徴
本資源を対象とする漁業は、1950年代後半の日本のはえ縄の大西洋への進出とともに始まった。1960年代には韓国や台湾のはえ縄が参入した。現在は主に台湾のはえ縄及び南アフリカの竿釣りによって漁獲されており、日本、ブラジル、ナミビアのはえ縄がこれに次ぐ。特に台湾のはえ縄の漁獲の割合は高く、1973年以降総漁獲量の6〜9割を占めてきた。台湾船は伝統的に本資源を主対象として亜熱帯から温帯域の広い海域で周年操業してきたが、近年は本資源への漁獲努力の減少により、漁獲量が減少している。

漁獲の動向
総漁獲量は1960〜1970年代にはおよそ2.0万〜3.5万トンの範囲で推移していたが、1980年代後半〜2000年代の初め頃には2.6万〜4.0万トンとより高い水準となった。その後、大幅に減少し、2005年に過去20年で最低となる1.9万トンとなった。2005年以降は、約1.9万〜2.5万トンの範囲で推移していたが、2014年には過去最低の1.3万トンを記録した。2016年は約1.3万トンであり、2014年と同程度で、過去5年間の平均を下回った。最近年の漁獲量の減少は、主要漁業国である台湾のはえ縄船の操業対象種の変更に伴う本資源への漁獲努力量の減少に起因すると考えられている。日本の漁獲量は2011年以降、1,194〜3,145トンの範囲で推移し、2016年は1,100トンであった。なお、2014年より日本には国別漁獲割り当て:1,355トンが与えられている。

資源状態
2016年にICCATで行われた最新の資源評価ではBSP及びASPICによって解析が行われ、資源量はMSYからの相対値で示された。MSYは25,901トン(80%信頼区間:15,270〜31,768トン)、B2015/BMSYは1.10(80%信頼区間:0.51〜1.80)、F2014/FMSYは0.54(80%信頼区間:0.31〜0.87)であった。これらの信頼限界の幅は広く、不確実性が大きいと考えられた。過剰漁獲でありかつ乱獲状態である確率は3%、過剰漁獲もしくは乱獲状態である確率は31%、過剰漁獲ではなくかつ乱獲状態でもない確率は66%であることが示された。近年の総漁獲量は操業対象種の変化によって減少傾向を示しているが、2004年以降、漁獲量は2万〜2.5万トンで推移している。これらのことから,資源水準・動向を中位・増加と判断した。将来予測では、2016年の総漁獲可能量(TAC)レベル(2.4万トン)で漁獲した場合、資源が2020年にB>BMSY、F<FMSY(即ち、Kobe plotの緑の領域になる)となる確率は63%と推定された。

管理方策
2016年のICCATの年次会合では、2017〜2020年のTACを2.4万トンとする決定をした。日本へ配分された年間漁獲量は1,355トンであるが、ブラジル等から毎年200トンの移譲を受けるため、実質的には1,555トンとなる。また、漁獲国にはICCAT事務局への迅速な漁獲実績の通報が義務づけられた。