--- 要約版 ---

09 ビンナガ インド洋

Albacore, Thunnus alalunga

                                                       
PIC

[HOME] [詳細版PDF] [要約版PDF] [詳細版html] [戻る]

図4

インド洋ビンナガの分布とはえ縄漁場


図1

インド洋ビンナガの国別漁獲量(1950〜2016年)(IOTCデータベース:2017年9月)
NEI:Not Elsewhere Included、FR、CEはそれぞれ冷凍、生鮮の意味。


図2

インド洋ビンナガの漁法別漁獲量(1950〜2016年)(IOTCデータベース:2017年9月)


図3

インド洋ビンナガのFAO海域別漁獲量(1950〜2016年)(IOTCデータベース:2017年9月)
F57:東インド洋(FAO海域57)、F51:西インド洋(FAO海域51)。


図5

台湾(上図)、日本(中図)(いずれも年別)及び日台韓複合(下図)(四半期別)はえ縄標準化CPUE(いずれも南部主漁場)


図6

SS3による資源評価(Kobe Iプロット)の結果
縦軸と横軸はそれぞれ漁獲死亡係数、産卵親魚量(SS3)のMSYレベルに対する比。



ビンナガ(インド洋)の資源の現況(要約表)(*)

                       
資源水準 中位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
3.3万〜4.0万トン
最近(2016)年:3.6万トン
平均:3.5万トン(2012〜2016年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
2,276〜3,737トン
最近(2016)年:2,337トン
平均:2,837トン(2012〜2016年)
管理目標MSY=3.9万トン(80%信頼区間:3.4万〜4.4万トン)
資源評価の方法統合モデル(Stock Synthesis)による解析
はえなわ漁業CPUE、漁獲動向等により水準と動向を評価
資源の状態資源評価結果によると、資源は乱獲状態及び過剰漁獲状態ではない。現状の漁獲量がこのまま続いても10年後(2024年)には資源量がSSBMSYレベルを下回る確率は50%以下。
管理措置ビンナガを漁獲対象とする漁船の隻数を2007年水準に制限。
最新の資源評価年 2016年
次回の資源評価年 2019年(予定)
(*) 2014年までのデータを使用した資源評価の結果に基づく

管理・関係機関
インド洋まぐろ類委員会(IOTC)

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長約1.2 m・約30 kg
  • 寿命:10歳以上
  • 成熟開始年齢:5歳頃
  • 産卵期・産卵場:南緯10〜25度
  • 索餌期・索餌場:南緯30〜40度
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身や缶詰原料

漁業の特徴
本資源の漁業は、1950年代前半、日本のはえ縄船により始まった。その後、台湾、韓国のはえ縄漁業が、それぞれ1954年、1965年から参入した。また、1982〜1992年の11年間、台湾は流し網漁業を行ったが、国連の公海大規模流し網漁業禁止決議により1992年末で停止した。本資源の漁業では、流し網の行われた11年間と1950〜1951年を除き、漁獲量の9割以上ははえ縄による。台湾のはえ縄漁業の漁獲量は1970年以来、流し網漁業の全盛期(1987〜1993年)及び最近年(2003〜2012年)を除き、総漁獲量の5〜9割を占める。近年ではインドネシア(大半ははえ縄船)の比率も高くなっている(2003年以降は2013年を除き20%以上)。また、1983年からは西インド洋でまき網船による漁獲が始まった。

漁獲の動向
総漁獲量は、1950年代のはえ縄漁業の操業開始以来緩やかに増加し、ほぼはえ縄漁業によって1958年までは1万トン以下、以降1980年代初めまでは1万〜3万トンであった。1982〜1992年の11年間には、台湾の流し網漁業で最大2.6万トン漁獲されたため、3.6万トンまで達したが、流し網漁業が停止した1993年には2.1万トンにまで減少した。その後、はえ縄漁業の漁獲量が徐々に増加したことによって、2001年には4.6万トン(過去最大)に達したが、その後減少し、2003年には2.9万トンになった。2006年からは再び増加し、2010年には4.4万トンとなったが、その後は3.3万〜4.0万トンで推移している。なお、1983年から始まったまき網漁業では、1992年に最大3,400トンの漁獲があったが、最近は少ない。

資源状態
2016年に開催されたIOTC第6回温帯まぐろ作業部会において、台湾、日本、および日台韓はえ縄漁業複合標準化CPUEが資源量指数として提示された。台湾と日本のCPUEについて一部期間のトレンドに違いがあり、その原因は本種を漁獲対象としているか否かが関係しているものと考えられる。2016年の資源評価では主として複合CPUEを資源量指数として用いていくつかのモデルで実施し、SS3の結果が採用された。結果として、F2014/FMSY =0.85(80%信頼区間:0.57〜1.12)、SSB2014/SSBMSY =1.80(1.38〜2.23)及びMSY=3.9万トン(3.4万〜4.4万トン)(資源評価実施時2010〜2014年の平均漁獲量:3.7万トン)であった(2014年の資源状態)。これらの推定値から、インド洋のビンナガ資源は乱獲状態及び過剰漁獲状態ではないことがわかった。また、現状(2014年:資源評価実施時)の漁獲量がこのまま続いても2024年には資源量がSSBMSYレベルを下回る確率は50%以下となった。

管理方策
2016年12月のIOTC第19回科学委員会は、2016年7月に実施された資源評価結果を基に、資源は乱獲状態及び過剰漁獲状態ではないものの、資源評価の不確実性を考えて、漁獲量はMSY推定値を上回らないようにする必要があるとして、2017年11-12月の第20回科学委員会でもそれが継続された。