--- 要約版 ---

06 大西洋クロマグロ 西大西洋

Atlantic Bluefin Tuna, Thunnus thynnus

                                                       
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図1

大西洋クロマグロの分布域(赤)と主要漁場(青)、産卵場(黄)
索餌場は産卵場を除く分布域。縦太線は東西の系群の境界。


図3

大西洋クロマグロ(西系群)の年齢あたりの体長と体重
青は2017年の資源評価で更新された成長曲線、灰色の実線は更新前を示す。図中の矢印は成熟体長(若齢成熟または高齢成熟)を表す。赤は体重曲線を示す。


図2

大西洋クロマグロ(西系群)の年別漁法別漁獲量(上)と年別国別漁獲量(下)
漁獲量には投棄分も含まれる。


図5

大西洋クロマグロ(西系群)の資源量の経年変化
資源評価モデルでの推定資源量(全年齢の魚)。青はSS3、赤はVPAの結果を示す。上下の点線間は80%信頼範囲。


図6

大西洋クロマグロ(西系群)の加入尾数(1歳魚)の経年変化
資源評価モデルでの推定加入尾数。青はSS3、赤はVPAの結果を示す。上下の点線間は80%信頼範囲。


大西洋クロマグロ(西大西洋)の資源の現況(要約表)

                       
資源水準 中位
資源動向 増加
世界の漁獲量
(最近5年間)
1,482〜1,899トン
最近(2016)年:1,899トン
平均:1,741トン(2012〜2016年)(投棄を含む)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
289〜347トン
最近(2016)年:345トン
平均:320トン(2012〜2016年)
管理目標2018年内に50%以上の確率で親魚資源量をMSYを与えるレベルに回復させる
資源評価の方法VPAおよびSS3
資源の状態F2012-2014/F0.1:0.59 [0.44-0.79]
管理措置TAC:2,350トン(2018〜2020年)(日本枠:407.48トン)
115 cm(または30 kg)以下の魚の漁獲量制限(10%以下、国別)、漁場・漁期の制限(産卵場における産卵親魚の漁獲制限)、漁獲証明制度
最新の資源評価年 2017年
次回の資源評価年 2020年


管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長3.3 m・725 kg
  • 寿命:40歳
  • 成熟開始年齢:11歳
  • 産卵期・産卵場:5〜6月、メキシコ湾
  • 索餌期・索餌場:北緯35度以北の大西洋
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身・すしなど

漁業の特徴
主な漁業国は、米国、カナダ及び日本である。日本の漁獲は全てはえ縄、米国及びカナダではロッド&リールと呼ばれる釣り漁業が主体である。漁期は、米国が主に7〜11月、カナダは8〜11月である。日本の従来の漁期は11〜3月であったが、2009年の個別割当制度(IQ制)導入により徐々に早まり、現在は9〜12月である。

漁獲の動向
漁獲量は1981年までは5,000トン前後で推移したが、漁獲規制により1983年以降は2000年代半ばまで2,500トン前後となっている。2002年に、1982年以降で最大の3,319トンに達した後、1,800トン前後で推移し、2013年には過去最低水準(1,482トン)を記録した。2015年以降のTACは2,000トンに設定され、2015年および2016年の漁獲量は1,842トンおよび1,899トンであった。2003年以降の漁獲量の減少は、米国での不漁が主な原因である。

資源状態
SCRSにおける2017年の資源評価では、従来の手法であるADAPT VPAとSS3を等しい重み付けで平均したものを採用した。1970年代半ば以降の推定された資源量は、ADAPT VPAおよびSS3ともに同様の傾向を示しており、ADAPT VPAの推定値は常にSS3より小さく推定された。資源量は1980年代半ばまで大幅に減少し、2000年半ばまで横ばいで推移したあと、近年まで増加し続け、2015年には1980年代前半のレベル(ADAPT VPAは約3万トン、SS3は約4万トン)となった。2017年のSCRSは、管理目標値の推定に必要な将来の長期的な加入量について様々な場合を検討したが、推定された管理目標値の範囲が非常に広くなったため、加入量を選択することは適切でないと判断し、管理目標値を推定しなかった。そのため、漁獲死亡係数Fのみに基づいて管理勧告を作成した。なお、管理目標にはFMSYの代替値としてF0.1を使用することとした。2017年のSCRSは現状の資源状態を判断しなかったが、本資料では過去40年間(1976〜2015年)の親魚量推定値から資源の水準は中位で、資源の動向は増加傾向と判断した。

管理方策
ICCATは1998年に、2018年までに50%以上の確率で資源を最適な状態(SSBMSY)に回復させるという管理目標を定めた。SCRSは2017年は、2,500トン未満の漁獲は2020年までに60%以上の確率でFをF0.1以下に保つことができると推定され、2018年から2020年はこの水準の漁獲を超えるべきではないと勧告した。SCRSの管理勧告を踏まえ、2017年11月の年次会合では、2018〜2020年のTACを2, 350トン(日本は407.48トン)と決定。また他の規制として、SCRSが資源崩壊の危機を認めた場合は漁業を停止、体長115 cm(または体重30 kg)未満の個体の漁獲量制限(国別に漁獲量の10%未満とすること並びに小型魚から経済的利益を得ない方法を開始すること)、産卵場(メキシコ湾)における産卵親魚を対象とした操業の禁止及び漁獲証明制度が実施されている。