--- 要約版 ---

74 サンマ 北太平洋

Pacific Saury, Cololabis Saira

                                               
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図4

サンマの分布域(索餌場と産卵・生育場)と日本漁船及び公海における外国漁船の主漁場位置


図5

サンマの日齢と体長(左)、日齢と体重(右)の関係式
Gompertzの成長曲線にあてはめて推定した。


図1

北太平洋におけるサンマの漁獲量
日本の漁獲量は農林水産省統計値及び全国さんま棒受網漁業協同組合による資料、2007年までの韓国の漁獲量は聞き取り情報(太平洋側)、2008年以降は海洋水産部HP(http://www.fips.go.kr, 2015年4月20日)からの情報、ロシア及び台湾の漁獲量は2013年まではFAO統計値、2014年以降はNPFC提出資料、中国の漁獲量はNPFC提出資料。


図7

日本の調査船調査(表層トロール)から推定した海区別サンマの資源量
資源量は面積密度法で推定した(表層トロール調査を実施した2003〜2016年のみ)。


図9

サンマの標準化CPUEの推移(計算を実施した1980〜2015年のみ)
日本のさんま棒受網漁船の漁獲資料を基に解析した。


図10

日本におけるサンマのTACと漁獲量の推移



サンマ(北太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 中位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
35.4万〜62.5万トン
最近(2015)年:35.4万トン
平均:46.1万トン(2011〜2015年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
11.2万〜22.4万トン(棒受網漁業)
最近(2015)年:11.2万トン
平均:18.2万トン(2011〜2015年)
最新の資源評価年 2016年
次回の資源評価年 2017年

管理・関係機関
北太平洋漁業委員会(NPFC)

最近の動き
現在、北太平洋のサンマは高度回遊性魚類としてNPFCによる資源管理の対象になっている。NPFCでは、2015年8月に第1回委員会が開かれ、2017年中にサンマの資源評価を実施することが合意されている。2016年4月のNPFC科学委員会(SC)のサンマ小科学委員会(SSC)において資源状況、資源評価方法等に関する議論が開始された。

生物学的特性
  
  • 体長・体重:30 cm・150 g
  • 寿命:約2年
  • 成熟開始年齢:0歳(一部)、1歳(100%)
  • 繁殖期・繁殖場:12〜3月・移行域〜黒潮域/li>
  • 索餌期・索餌場:5〜8月・移行域北部〜亜寒帯水域
  • 食性:動物プランクトン
  • 捕食者:大型魚類、海鳥、海産哺乳類

利用・用途
日本では、生鮮食品、加工原料として広く利用。台湾では主に冷凍で水揚げし、中国と韓国向けを中心に輸出。

漁業の特徴
日本以外でサンマを漁獲している主な国・地域は、ロシア、台湾、韓国、中国である。1960年代からは旧ソ連、1980年代中盤からは韓国、終盤からは台湾が漁獲を始め、外国漁船によるサンマの漁獲量が増加した。いずれの国・地域も、棒受網漁業あるいは類似の集魚灯を利用した敷網漁業によって漁獲を行っている。ロシア漁船は主にEEZ内で操業しているのに対し、台湾、韓国及び中国は北太平洋公海域を主漁場としている。このほか、韓国では沿岸域で刺し網によるサンマを対象とした漁業も行っている。なお、バヌアツも公海操業を行っている。

漁獲の動向
日本の漁獲量は1950年代に増加したが、1960年代になると一時的に減少し、1969年には5.2万トン、翌1970年も8.7万トンとさらに減少した。1970年代は漁獲量がやや回復したものの、年変動が大きく、1973年に42.7万トンに達したが、20万トンを下回る年も多かった。1980年代以降は漁獲量も安定し、1980〜1982年は3年連続して20万トンを下回ったものの、1998年と1999年を除き、1983〜2012年まで20万トン以上を維持してきた。しかし、近年の漁獲量は減少傾向にあり、2013年に14.8万トン、2015年も11.2万トンに留まり、1977年以来の低い値となった。
台湾の漁獲量は、1989〜2001年までは5万トン以下でほぼ横ばい(0.8万〜4万トンの範囲)であったが、2002年以降は急増し、2005年の漁獲量は11.1万トンに達した。その後、台湾の漁獲量は2006年と2007年に一時的に減少したものの、2008年以降は10万トン以上を維持し、2013年には18万トンに達して初めて日本の漁獲量(14.8万トン)を上回った。2015年(15.8万トン)は日本と同様に前年(2014年、23.0万トン)を大きく下回ったものの、日本の漁獲量(11.2万トン)を上回る状況が続いている。
中国漁船による各年のサンマ漁獲量は2,014トン(2012年)、23,191トン(2013年)、76,129トン(2014年)であり、年々増加していたが、2015年は48,503トンに留まり、日本や台湾同様に前年を下回った。ロシアの漁獲量は2001年以降増加し、2014年まで5万トン前後を維持し、2007年には過去最高の119,433トンに達した。しかし、2015年は他国・地域同様、漁獲量が減少し、前年(2014年、71,167トン)比34%の23,964トンに留まった。韓国も1990年以降漁獲量が増加し、2015年まで1万トン以上で推移している。2015年の総漁獲量は、35.4万トンで2014年(62.5万トン)を大きく下回った。バヌアツは年数千トンの漁獲を上げているものと思われる。

資源状態
日本の調査船による調査結果から推定したサンマの資源量は、2003〜2008年は283万トン(2007年)〜502万トン(2004年)であった。しかし、2010年に大きく減少し、その後300万トンを越えたのは2011年(311万トン)のみであった。特に日本に近い海域での資源量の減少が著しい状況となっている。2016年の資源量は前年(227万トン)をやや下回る178万トンと推定された。
資源量を指標する日本漁船の標準化CPUE(1操業当たりの漁獲量)は、1994年(4.26トン)まで上昇傾向であった。しかし、その後は単年的に大きく上昇した年(1997年)があったものの、1999年(0.92トン)まで急速に低下した。2002年以降は再び上昇傾向を示し、2008年には1980年以降の最高値(6.16トン)に達した。しかし、2010年に大きく低下、その後は1.44トン(2015年)〜3.18トン(2014年)の範囲で推移している。
標準化CPUEを指標値に用い、1980年以降の平均値(2.41トン)の±標準偏差(1.46トン)内を中位水準、平均値+標準偏差以上を高位水準、平均値−標準偏差以下を低位水準とすると、2015年の値(1.46トン)は前年(3.18トン)から半減したものの、平均値±標準偏差内にあることから、資源水準は中位と判断された。また、直近5年間の調査船による推定資源量の変化を基にすると、2014年以降、3年連続で減少していることから、動向は減少と判断される。

管理方策
NPFCでは、2017年中に暫定的な資源評価を完了することで進められている。なお、すでにNPFCでは、2017年に行われる資源評価に基づき、新たな保存管理措置が取られるまでの間、漁船の許可隻数の急激な増加を抑制する保存管理措置が採択されている。また、公海で操業する漁船に対するVMS(Vessel Monitoring System)の義務付けと許可漁船を毎年事務局に登録する制度を採択している。
また、我が国においては、さんま棒受網漁業に対する許可制度や操業期間の設定、年間の漁獲量の上限を定めて管理する漁獲可能量(TAC)制度等が行われてきている。

資源状態のまとめ
  • 日本の調査船による調査結果では、2016年の資源量は、178万トンと推定された。また、2013年以降、4年連続で減少していることから、動向は減少と判断される。
  • 日本のサンマ漁船の標準化CPUEを用いると、資源水準は中位と判断された。

管理方策のまとめ
  • NPFCでは、国際的な資源管理に向けて、2017年中に暫定的な資源評価を完了することで進められている。
  • また、新たな保存管理措置が取られるまでの間、漁船の許可隻数の急激な増加を抑制する保存管理措置が採択されている。
  • 我が国における2016年漁期(7月〜翌6月)のTAC(当初値)は26.4万トン。