--- 要約版 ---

70 ニュージーランドスルメイカ・オーストラリアスルメイカ(ニュージーランド海域)

Gould's Flying Squid, Gould's Flying Squid

&

Nototodarus sloanii, Nototodarus gouldi


                             PIC
                             ニュージーランドスルメイカ                                                             オーストラリアスルメイカ

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図3

ニュージーランド海域におけるNZスルメ類2種(ニュージーランドスルメイカNototodarus sloanii及びオーストラリアスルメイカNototodarus gouldi)の分布域(Martin et al. 1985を改変)


図4

ニュージーランド海域におけるNZスルメ類2種の幼イカの分布域(Uozumi and Forch 1995)


図1

NZスルメ類の国別漁獲量(データ:FAO 2016)


図6

ニュージーランド海域における日本のトロール船のCPUE(トン/時間)及びいか釣り漁船のCPUE(トン/日)の経年変化
2002年(2001/02年)漁期にはいか釣り漁船は出漁しなかった。


図7

ニュージーランドのNZスルメ類の管理海域



ニュージーランドスルメイカ類(ニュージーランド海域)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
2.3万〜6.0万トン
最近(2014)年:2.4万トン
平均:5.5万トン(2010〜2014年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
856〜1,789トン
最近(2014)年:920トン
平均:1,322トン(2010〜2014年)
最新の資源評価年
次回の資源評価年

管理・関係機関
ニュージーランド政府

最近の動き
ニュージーランド政府が自国水域内で操業する漁船を原則として自国船籍船に限るとの法改正を行ったことから(2014年8月7日NZ議会通過)、2016年5月1日以降、操業にはNZ船籍への転籍が必要となった。これを受け、当海域での我が国のいか釣り船は、2016年漁期(2015年12月〜2016年4月)を最後に1隻が操業した。

生物学的特性
  • 体長・体重:外套長30 cm、体重300 g程度
  • 寿命:1歳
  • 成熟開始年齢:約6〜8か月
  • 産卵期・産卵場:周年;主に冬、ニュージーランド南島南岸および東岸の陸棚上(ニュージーランドスルメイカ)、南北両島間の西岸陸棚上(オーストラリアスルメイカ)
  • 索餌場:陸棚上
  • 食性:中深層性魚類、オキアミ類、いわし類
  • 捕食者:海鳥類、アザラシ類、さめ類等

利用・用途
いか飯、焼するめ、刺身(塩辛を除く、日本のスルメイカと同様な加工原料)

漁業の特徴
ニュージーランド海域で漁獲されるスルメイカ類の総称“ニュージースルメ”(NZスルメ類)は、ニュージーランドスルメイカとオーストラリアスルメイカの2種からなる。漁業資源として1960年代までは未開発であったが、1970年代から我が国により開発が進められ、1977年から旧ソ連など諸外国も参入し、1980年代には我が国主体に旧ソ連、台湾、韓国、ニュージーランドのいか釣り、トロール両漁業により多く漁獲されるようになった。1990年代以降、ニュージーランド政府の規制強化等により、外国船の入漁は減少し、ニュージーランドの漁獲が増加した。2000年代末以降は、ニュージーランドのほか、我が国と韓国がいか釣りにより漁獲している。

漁獲の動向
全漁業国による総漁獲量は、1970年代の資源開発初期は我が国による2万トン程度であったが、諸外国が参入した1977年には5万トン以上に増加し、1980年代は8万トン前後で推移した。その6〜7割は我が国が占めた。ニュージーランド政府の外国船入漁規制強化後の1990年代以降2003年までは3万〜12万トンで大きく年変動して推移した。我が国漁獲量の占める割合は2割以下に大きく低下し、ニュージーランドの漁獲量が大部分を占めるようになった。2004年に総漁獲量は急増して14万トンに達したが、それ以降は減少傾向が続いており、2014年は約2.4万トンであった。

資源状態
総漁獲量が最近5年間平均では4.7万トンであり、過去20年間の平均の7.5万トンを下回っていることから、資源は減少傾向にあると示唆される。
我が国いか釣り船のCPUEは、最近10年間では2〜11トン/日前後で平均5.1トン/日であり、2015年は4.6トン/日で平均を下回った。1987〜2015年のCPUEの最低(2014年1.6トン/日)−最高(2012年11.1トン/日)の差を3等分して低・中・高位の水準に分けると、2015年の資源水準は低位であったと判断される。

管理方策
ニュージーランド政府は、当初トロール漁業は漁獲量を規制し、いか釣り漁業は努力量(隻数)を規制した。しかし、同じ資源に対する管理方策の統一を行い、現在ではいか釣り漁業にも漁獲量規制を実施している。現在、本資源は北側のSQU 10T、東西のSQU 1JとSQU 1T及び南のオークランド諸島のSQU 6Tの4ストックに個別の商業漁獲可能量(TACC)が決められている。イカ類のような単年性の生物資源ではMSYの推定は不可能で、その必要もなく、また、現状の漁獲規模では将来の加入量や資源量に影響を与えないとの考えから、TACCはここ10年間に大きな変化はなく12.7万トンである。TACCに基づき配分されるITQ(個別譲渡可能漁獲割当量)は、DWG(Deepwater Group Limited)が管理する。なお、南部海域のオークランド諸島のSQU 6Tストックは、トロール船によるニュージーランドアシカの混獲数の限度頭数を2006年以降68〜113頭と毎年設定している。

資源状態のまとめ
  • 漁獲動向から資源は減少傾向。
  • 我が国いか釣り船CPUEから資源量水準は低位と判断。

管理方策のまとめ
  • 東西南北の海域の4つのストックについて個別のTACCを決定。
  • TACCに基づき配分されるITQをDWGが管理。
  • 鰭脚類のトロール船による混獲を規制。