--- 要約版 ---

29 カツオ 東部太平洋

Skipjack, Katsuwonus pelamis

                                                       
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図4

太平洋におけるカツオの分布と漁場(Matsumoto et al. 1984、Schaefer 2001)


図5

東部太平洋におけるカツオの成長(Matsumoto et al. 1984)


図1

東部太平洋におけるカツオの漁法別漁獲量(データ:IATTC 2016)


図6

東部太平洋におけるカツオ資源指数(IATTC 2016を改変)
(a) まき網による漁獲量、(b) FAD操業努力量(CPUE)、 (c) 素群れ操業努力量(CPUE)、 (d) 標準化努力量、(e) 平均(漁獲個体)重量(kg)、(f) 相対資源量、(g) 相対加入量、(h) 相対資源利用率(CPDF:Catch per days fished)



カツオ(東部太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 高位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
26.3万〜33.1万トン
最近(2015)年:33.1万トン
平均:28.5万トン(2011〜2015年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
33〜74トン
最近(2015)年:33トン
平均:59.8トン(2011〜2015年)
最新の資源評価年 2012年(2015年に指標値のみ更新)
次回の資源評価年 未定

管理・関係機関
全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)

最近の動き
最近の資源評価はIATTC事務局により2012年に行われた。2016年には、前年までの各種の漁業・生物学的指標値が更新された。また2016年6〜7月に開催されたIATTC第90回年次会合において、漁獲管理ルールについて合意された。

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長100 cm・30 kg
  • 寿命:6歳以上
  • 成熟開始年齢:1歳
  • 産卵期・産卵場:周年・表面水温24℃以上の海域
  • 索餌場:熱帯・温帯域
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類など

利用・用途
缶詰原料

漁業の特徴
現在の漁獲はほとんどがまき網による。まき網では、集魚装置(FAD)を用いる操業と素群れを対象とする操業があり、漁場はカリフォルニア沖から北部南米沖である。国別ではエクアドルが約半分を占め、次いでパナマ、メキシコ、米国等が主要な漁獲国となっている。日本は本海域でカツオを主対象とした漁業を行っておらず、漁獲量ははえ縄による僅かな量のみである。

漁獲の動向
1950年代までは竿釣りを主として約5万トンの漁獲であったが、1960年代から竿釣りは急速に減少し、代わってまき網による漁獲が主となった。1990年代から漁獲量は増加傾向にある。近年の総漁獲量は20万〜30万トンを維持している。2015年は33.1万トンであった。

資源状態
最近の資源評価はIATTC事務局により2012年に4つの指標値(a. 漁業・生物学的指標値;b. 標識データ解析;c. サイズ組成資源評価モデル;d. 空間資源動態モデル)の解析により行われた。相対資源量は2000年以降増加に転じ現在まで横ばいで推移している。相対加入量も同様の傾向を示し、2000年以降横ばいで推移している。資源状態は不確実であるが、資源が悪化する明確な証拠はないとされ、資源は高位、横ばいと判断された。2016年には、前年までの各種の漁業・生物学的指標値(まき網による漁獲量、FAD操業CPUE、素群れ操業CPUE、標準化努力量、平均(漁獲個体)重量、相対資源量、相対加入量、相対資源利用率の8つ)が更新された。漁業・生物学的指標値からは資源状態を判断することは難しいが、2015年に更新されたFAD操業CPUE、素群れ操業CPUEにおいては共に低下傾向が認められなかった。

管理方策
  • 資源状態は高位、横ばいであり、本種を対象とする保存管理措置はIATTCにおいて導入されておらず、メバチ・キハダの保存管理措置として、まき網漁業に対し62日間の全面禁漁及び沖合特定区での1か月間の禁漁が導入されており、結果的に本種に対する漁獲努力量は制限されている。
  • 2016年6〜7月に開催されたIATTC第90回年次会合において、以下を内容とする漁獲管理ルールが合意。
@最も厳しい管理を必要とする魚種については、まき網漁業に対する措置を複数年固定できるようにし、漁獲死亡率を、最大持続生産量(MSY)を達成する水準以上とならないよう維持する。
A漁獲死亡率が限界管理基準値(親子関係を想定し、加入が初期資源加入量の50%に減少する状態における産卵親魚量を維持する漁獲死亡率)を超過する確率が10%以上となる場合、50%の確率でMSYを達成する水準以下となるまで削減し、かつ限界管理基準値を超過する確率を10%以下とする措置を可能な限り早期に実施する。
B産卵親魚量が限界管理基準値(親子関係を想定し、加入が初期資源加入量の50%に減少する状態における産卵親魚量)を下回る確率が10%以上となる場合、50%以上の確率で目標水準(MSYを達成する水準の産卵親魚量)まで回復させ、かつ限界管理基準値を下回る確率を10%以下とする措置を2世代以内5年以内のうちより長い期間中に実施する。
Cまき網漁業以外の漁業に関する追加規制を事務局職員が勧告する際には、対象資源に与える相対的な影響も踏まえ、まき網漁業で採択された措置と可能な限り一貫性を持たせる。

資源状態のまとめ
  • 2012年にIATTC事務局により4つの指標値の解析により評価。
  • 資源状況は不確実であるが、資源が悪化する明確な証拠は無い。

管理方策のまとめ
まき網漁業に対し62日間の全面禁漁及び沖合特定区での1か月間の禁漁(メバチ・キハダの保存管理措置だが、結果的に本種に対する漁獲努力量が制限)。