--- 要約版 ---

23 メカジキ 北大西洋

Swordfish, Xiphias gladius

                                                           
PIC

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図4

大西洋におけるメカジキの分布


図6

北大西洋メカジキの成長曲線(Eharhardt et al. 1996)


図1

北大西洋におけるメカジキの国別漁獲量(ICCAT 2016)
2015年の値は暫定値。


表1

北大西洋におけるメカジキの近年の国別漁獲量及び投棄量(トン)(ICCAT 2016)


Highslide JS

非平衡プロダクションモデル(ASPIC)で推定されたB/BMSYの点推定値の年変化(ICCAT 2014)
点線は80%信頼区間を示す。


Highslide JS

非平衡プロダクションモデル(ASPIC)で推定されたF/FMSYの点推定値の年変化(ICCAT 2014)
点線は80%信頼区間を示す。



メカジキ(北大西洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 中位
資源動向 増加
世界の漁獲量
(最近5年間)
11,108〜13,875トン
平均:12,158トン(2011〜2015年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
300〜1,091トン
平均:685トン(2011〜2015年)
(注)暫定値。生存放流分は含まれていない。
最新の資源評価年 2013年
次回の資源評価年 2017年

管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)

最近の動き
2013年にICCATの科学委員会(SCRS)により資源評価が行われた。この結果を受けて、ICCATは、総漁獲可能量(TAC)の上限設定と小型個体の漁獲量制限の勧告を出し、2014〜2016年のTACを設定していた。2016年のICCATのSCRSでは漁獲量データの更新のみ行われ、2017年まで現在のTACの延長を決めた。

生物学的特性
  • 体長・体重:下顎叉長4.68 m・500 kg
  • 寿命:15歳以上
  • 成熟開始年齢:5歳(雌)
  • 産卵期・産卵場:春から初夏、西大西洋の熱帯域・亜熱帯域
  • 索餌期・索餌場:秋から冬、温帯域
  • 食性:魚類、頭足類
  • 捕食者:調査中

利用・用途
刺身、寿司、切り身(ステーキ)、煮付け

漁業の特徴
本資源は主に浮きはえ縄で漁獲される。このうち米国、カナダ、スペイン、ポルトガル、ブラジル、モロッコ、ナミビア、南アフリカ、ウルグアイ及びベネズエラは、本種を主対象の浅縄(夜縄)操業で主に漁獲し、日本、台湾、韓国、フランスは、まぐろ類を対象とするはえ縄操業(熱帯域では深縄操業)による混獲である。いずれの場合も、前線域や海山周辺水域での漁獲が多い。

漁獲の動向
1970年代後半から漁獲量が急増し、1987年にピーク(20,236トン)に達した。1990年代前半の総漁獲量は15,000〜16,000トンであったが、規制の導入により減少し、2002年には9,654トンとなった。2003年以降に報告された漁獲量は10,000〜14,000トンの間で増減を繰り返しているが近年は横ばいであり、2015年の漁獲量は死亡投棄も含めて10,520トンであった。

資源状態
2013年のICCATのSCRSにおいて、2011年までのデータに対して、非平衡プロダクションモデル(ASPIC)とベイジアンサープラスプロダクションモデル(BSPM)を用いて資源解析が行われた。ASPIC(ベースケースモデル)で計算した結果、資源量(B)は1997年以降増加傾向にあり、2011年の資源量は91,214トンでMSY水準の資源量(BMSY:86,291トン)の1.06倍を示した。また、2011年の資源量は、90%の確率でBMSY以上であった。漁獲死亡率(F)は1995年をピークとして若干の増減はあるものの減少傾向を示し、2000年以降のFはMSY水準のF(FMSY:0.171)以下であることが示され、2011年のFは0.15でFMSYの0.88倍を示した。これらの結果は、資源状態は乱獲ではなく漁獲の強さは過剰漁獲にないこと、資源量は環境収容力の0.53倍であることから、中位水準と判断された。この結果、本資源水準を50%以上の確率でMSY達成レベルに維持するためには、年間漁獲量を13,700トン未満に制限するべきとの勧告が出された。予防的アプローチとして、漁獲量を13,000トンに制限することで、90%以上の確率で10年間は資源を健全な状態に保つことができるとの予測が得られている。次回の資源評価は2017年7月に行われる予定である。

管理方策
ICCATのコミッションは、2014〜2016年のTACを13,700トンとした。日本の漁獲割当量は年間842トンである。国別割り当て分を超過もしくは余った場合には、2年以内であれば差し引き・上乗せを行い調整することができる。ただし、調整分は割り当て量の15%(割り当てが500トン以上の国)または50%(割り当てが500トン未満の国)を超えない範囲とする。現在、大西洋全域について、@下顎叉長125 cm/体重25 kg未満の個体の水揚量を15%以下に抑える、またはA下顎叉長119 cm/体重15 kg未満の個体の水揚量を0%にする(投棄量の評価含む)、という2種類の最小体長規制がある。
なお、北大西洋メカジキについては、「限界管理基準値(LRP)」を用いた「暫定的な漁獲管理規則(HCRs)」の導入が検討されている。

資源状態のまとめ
  • 非平衡プロダクションモデル(ASPIC)を用いて資源量を推定した。
  • 最近年(2011年)の資源量は91,214トン、漁獲死亡率は0.15と推定された。
  • 資源状態は乱獲ではなく漁獲の強さは過剰漁獲にない。

管理方策のまとめ
  • 2017年のTACは13,700トン。
  • 日本の漁獲割当量は年間842トン。
  • 最小体長規制。