--- 要約版 ---

13 キハダ 中西部太平洋

Yellowfin Tuna, Thunnus albacares

                                                                                   
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図1

太平洋におけるキハダの分布


図2a

中西部太平洋におけるキハダの漁法別漁獲量年変化


図2b

中西部太平洋におけるキハダの国別漁獲量年変化


図S

中西部太平洋キハダの年齢と成長


図6

中西部太平洋キハダの加入量
縦軸は加入量(10,000個体)、横軸は年で示す。黒実線がレファレンス・ケース。緑実線は標識魚群の混合する度合いが違う設定。赤と水色実線は親子関係が異なる設定(黒実線と同じ推定値のため、みえない)


図5a

中西部太平洋におけるキハダのSpawning potential(WCPFC 2014)
縦軸はSpawning potential(産卵親魚量、性比、年齢別成熟率、一回あたりの産卵量、産卵回数の情報を考慮した、産卵可能指数)、横軸は年で示す。黒実線がレファレンス・ケース。緑実線は標識魚群の混合する度合いが違う設定。赤と水色実線は親子関係が異なる設定(黒実線と同じ推定値のため、みえない)


図8

中西部太平洋における漁業ごとのキハダ産卵資源へのインパクト(Davies et al. 2014)
縦軸は漁業が資源を減少させた割合(%)を示したもの。はえ縄(緑)、竿釣り(赤)、まき網流れもの操業(青)、まき網素群れ操業(水色)、その他(黄)を表す。



キハダ(中西部太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 中位〜低位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
52.2万〜60.6万トン
最近(2015)年:60.5万トン
平均:56.9万トン(2011〜2015年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
3.6万〜5.2万トン
最近(2015)年:4.9万トン
平均:4.5万トン(2011〜2015年)
最新の資源評価年 2014年
次回の資源評価年 2017年

管理・関係機関
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)
太平洋共同体事務局(SPC)

最近の動き
最新の資源評価は2014年にSPCの科学専門グループにより行われた。2016年12月に開催されたWCPFC第13回年次会合において、管理措置の見直しが議論されたが、現行措置が継続されることとなった。

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長2.0 m・200 kg
  • 寿命:7〜10歳
  • 成熟開始年齢:3歳
  • 産卵期・産卵場:周年・表面水温24℃以上の海域
  • 索餌場:分布域に等しい
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身、缶詰、練り製品の原料

漁業の特徴
はえ縄、まき網及び竿釣りが主な漁業である。はえ縄は1950年代にキハダを主要対象種として発展したが、1970年代半ばにメバチを主要な対象とするようになった。まき網は、カツオを主対象としつつ、キハダも漁獲する漁業として1970年代半ばに始まった。1980年代までは、はえ縄が漁獲の半ば以上を占めていたが、その後、まき網による漁獲量が増加した。フィリピン・インドネシアでは小型まき網、ひき網、竿釣り、手釣りなど漁業が小規模かつ多様で、漁獲量も大きく、増加傾向にある。

漁獲の動向
2015年の総漁獲量は60.5万トン(予備集計)で、過去最高値(60.6万トン;2013年)とほぼ同じ値であった。内訳は、まき網が49%、はえ縄が16%、竿釣りが6%、そのほか27% を占めた。そのほかには、フィリピン及びインドネシアにおける多様な漁業(ひき縄、小型のまき網、刺し網、手釣りなど)が含まれている。

資源状態
資源評価は2014年にSPCの科学専門グループにより統合モデル(Multifan-CL)を用いて行われた。MSYは58.6万トンと推定された。2008年から2011年の平均の産卵資源量のレベル(SB2008-2011/SBF=0)は0.42であり、限界管理基準値(Limit Reference Point;SB/SBF=0=0.20)を上回った。また、従来過剰漁獲能力の基準と見なされてきたFMSYで判断した場合、2008〜2011年の平均漁獲努力は1.0を下回った(F2008-2011/FMSY=0.72)。これを受け、SPCは、資源は過剰漁獲状態になく、乱獲状態にも陥っていないと評価した。同年のWCPFC科学小委員会は、SPCの評価結果を承認するとともに、@漁獲量を過去最高値である2012年水準より増やすべきではないこと、A委員会が管理目標に合意するまでの間、産卵資源量を現状水準に維持するための措置を委員会は実施することを勧告した。

管理方策
WCPFCは、メバチ・キハダ・カツオの保存管理措置として、以下を導入している。現在の措置は2013年に合意され、2014年から2017年までの規制が定められている。2016年12月に開催されたWCPFC第13回年次会合において、措置の見直しが議論されたが、現行措置が継続されることとなった。
(a) まき網漁業(熱帯水域)
  • キハダの漁獲量を増大させない
  • FAD操業の段階的な規制強化
  • 島嶼国以外のメンバーが保有する隻数の凍結
※FAD操業規制はメバチ幼魚死亡率削減を目的とするが、本種にも影響を与えている。

(b) はえ縄漁業
  • キハダの漁獲量を増大させない。

資源状態のまとめ
  • 2014年に統合モデル(Multifan-CL)を用いて資源評価実施。
  • MSY=58.6万トン。最近年(2015年)の漁獲量は60.5万トン。
  • 近年(2008〜2011年の平均)の漁獲圧はMSYレベルより小さい(F/FMSY=0.72)
  • 近年(2008〜2011年の平均)の産卵資源量は、限界管理基準値よりも大きく(SB/SBF=0=0.42)、MSYレベルより大きい(SB/SBMSY=1.37)。

管理方策のまとめ
  • まき網漁業(熱帯水域):漁獲量を増大させない、FAD使用の段階的な規制強化、島嶼国以外のメンバーの保有隻数凍結。
  • はえ縄漁業:漁獲量を増大させない。