--- 要約版 ---

10 ビンナガ 北大西洋

Albacore, Thunnus alalunga

                                                       
PIC

[HOME] [詳細版PDF] [要約版PDF] [詳細版html] [戻る]

図3

北大西洋ビンナガの年齢と尾叉長(cm)の関係


図2

大西洋におけるビンナガの分布と主な漁場


図1

北大西洋におけるビンナガの漁法別漁獲量


図6

北大西洋ビンナガの資源における相対資源量(B/BMSY)と相対漁獲係数(F/FMSY)の1930〜2015年における推移
黒線:資源状態の軌跡、黒点;年別の資源状態(数字は西暦下2桁を示す)、白点;2015年の資源状態の不確実性を示す。


図5

Biodynベースケースモデルから得られた北大西洋ビンナガの1930〜2014年の資源量(上)及び漁獲圧(中) 漁獲量(下)の推移


ビンナガ(北大西洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 増加
世界の漁獲量
(最近5年間)
20,039〜26,651トン
最近(2015)年:25,450トン
平均:24,490トン(2011〜2015年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
267〜1,745トン
最近(2015)年:283トン
平均:606トン(2011〜2015年)
最新の資源評価年 2016年
次回の資源評価年 2019年


管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会 (ICCAT)

最近の動き
2016年に資源評価のアップデートが行われ、10月のICCATの科学委員会(SCRS)で報告された。

生物学的特性
  • 体長・体重:130 cm、40 kg
  • 寿命:10歳以上
  • 成熟開始年齢:5歳頃
  • 産卵場:西部では北緯25〜30度で、中部から東部では北緯10〜20度
  • 索餌場:温帯域
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身や缶詰原料

漁業の特徴
ビスケー湾でスペインのひき縄及び竿釣りで、またアゾレス海域でスペイン及びポルトガルの竿釣りで1950年代以前の古くから漁獲されてきた。1980年代後半から、新しい表層漁業である流し網や中層トロールによっても漁獲されるようになった。はえ縄による漁獲は多くを台湾が占め、1960〜1980年代に多かったがその後減少し、表層漁業による漁獲よりも小さくなっている。日本ははえ縄の混獲として漁獲している。

漁獲の動向
本資源の年間総漁獲量は1960年代中頃(約6万トン)をピークに、徐々に減少している。その原因は主としてひき縄、竿釣り及びはえ縄などの伝統的な漁法の努力量の減少による。近年では1999年の3.5万トンから2002年の2.3万トンまで減少した。その後、表層漁業による漁獲量が増加して、2006年に3.7万トンにまで回復した。しかし、2007年から表層漁業及びはえ縄の両方の漁獲量が大きく減少し、2009年には1.5万トンとなった。これは1950年以降で最低であった。2010年以降、増加傾向に転じ、2014年は過去5年で最も多い2.7万トンを記録した。2015年はやや減少し、2.5万トンであり、国別では、スペインが最も多く1.4万トン、日本は283トンであった。日本・アイルランドは過去5年平均と同様、スペイン・台湾は増加、フランスは減少した。

資源状態
2016年の資源評価では新たに親魚資源量動態モデル(Biodyn)を用いられた。資源評価には1930〜2014年のデータを用い、前回の資源評価ではCPUEの漁業間での不整合が問題となっていたため、今回の資源評価では、漁業のデータの良質さ(カバーする海域・期間の多さや精度)を考慮し、かつCPUEトレンドの相関から歴史的に類似のCPUEトレンドを示す5種類の漁業(台湾のはえ縄, 日本のはえ縄(1988〜2012年), スペインの竿釣り, ベネズエラのはえ縄、米国のはえ縄)を抽出して用いた。Biodynの結果では、1930年代から1990年代にかけて資源量は減少し、1980〜1990年代にMSYレベルを下回ったが、その後回復傾向が続き、現在はMSYを上回っている。漁獲圧も1990年代初頭に1.4と、MSYレベルを上回っていたが、1990年代後半以降はMSYを下回ったとされた。ベースケースモデルより推定されたMSYの中央値は37,082トン、B2014/BMSYの中央値は1.36、F2014/FMSYの中央値は0.54であった。過剰漁獲でありかつ乱獲状態である確率は0%、過剰漁獲ではないが、乱獲状態である確率は3.2%、過剰漁獲・乱獲状態にない確率は96.8%と推定された。将来予測の結果より、将来の漁獲量が最近5か年平均(2.4万トン)またはTAC(2.8万トン)であった場合、資源量は2014年レベルより増加すると予測された。

管理方策
ICCATにより、1999年から、漁獲能力を抑えるために入漁隻数が1993〜1995年の平均隻数に制限され、TACも設定されている。2017〜2018年のTACは2.8万トンであるが、2019〜2020年のTACは2018年の年次会合で検討する。また日本については、北大西洋ビンナガを目的とした操業を行っていないので「漁獲量が大西洋全体におけるはえ縄によるメバチの漁獲量の4%以下になるよう努力する」という規制が課せられている。

資源状態のまとめ
  • 2016年に資源評価を実施(Biodynモデルを採用)。
  • MSYの中央値は37,082トン、B2015の中央値は55.4万トン。
  • F2014/FMSYの中央値は0.54、B2015/BMSYの中央値は1.36であり、過剰漁獲・乱獲状態にない確率(F/FMSY<1、B/BMSY>1)は96.8%。
  • 将来の漁獲量が最近5か年(2.4万トン)以上またはTAC(2.8万トン)であった場合、資源量は2014年レベルより増加すると予測。

管理方策のまとめ
  • 2017〜2018年のTACは2.8万トン。
  • 日本は、漁獲量が大西洋全体のはえ縄によるメバチの漁獲量の4%以下になるよう努力。