--- 要約版 ---

63 カラスガレイ オホーツク公海

Greenland Halibut, Reinhardtius hippoglossoides

                                                                       
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図3

オホーツク公海における近年の漁場位置


図4

カラスガレイ(雌)の生殖腺重量指数


図6

カラスガレイ漁獲物の体長(平均値±標準偏差)


図1

オホーツク海カラスガレイ分布域(赤)及び漁場(青)


図2

オホーツク公海におけるカラスガレイ漁獲量(上図)、努力量(中図)及びCPUE(下図)


図5

カラスガレイ漁獲物の体長組成



カラスガレイ(オホーツク公海)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位から中位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
オホーツク公海における他国の漁獲は確認されていない
我が国の漁獲量
(最近5年間)
257〜628トン
平均:486トン(2010〜2014年)
最新の資源評価年
次回の資源評価年


管理・関係機関
水産庁・国立研究開発法人水産総合研究センター

最近の動き
2014年漁期は、底刺網漁船2隻が本資源を対象とする操業を行った。

生物学的特性
  • 体長・体重:1 m・45 kg
  • 寿命:10歳以上
  • 成熟開始年齢: 5〜7歳
  • 産卵期・産卵場: 秋〜冬、オホーツク海
  • 索餌場:オホーツク海
  • 食性:スケトウダラなどの魚類及びイカ類
  • 捕食者:シャチなど

利用・用途
切り身や寿司ネタなどの惣菜用として利用される。

漁業の特徴
オホーツク公海はロシア水域に囲まれ、本資源は周辺のロシア水域大陸棚資源と連続すると考えられる。1980年代半ばに、北海道漁船(知事許可船)が本資源を対象に公海で底刺網の試験操業を開始し、まもなく本格操業に移行した。1992年以降、公海での操業と並行してロシア水域での操業が行われたが、2001年以降はロシア水域での操業は許可されておらず、公海のみの操業となっている。本資源の漁業は、2000年度に北海道知事許可漁業から大臣承認漁業に移行し、さらに2007年度に特定大臣許可漁業となった。海氷が発達する12〜4月は休漁としている。漁業開始時の1980年代には5〜6隻が出漁し、使用網数は1,600百〜2,400百反程度であったが、操業隻数の減少とともに網数は減少し、2000年代半ば以降は100百〜400百反程度となった。直近の2014年は、4〜11月の漁期中に2隻が操業し、網数は473百反であった。なお、本資源を対象とした他国の漁業はない。

漁獲の動向
漁業開始時の漁獲量は4,000トンを超え、CPUE(刺網1反当たり漁獲量)も20〜30 kg/反程度の高い値を示していたが、1990年代中頃に漁獲量は13〜767トン、CPUEは3.1〜8.8 kg/反の低水準に落ち込んだ。1992年以降2000年まで、漁獲努力の一部がロシア水域に向けられていたことが、漁獲量の減少をもたらした一面はあるが、CPUEの経年的な変動は1990年代中頃の資源水準が低かった可能性を示している。公海操業のみとなった2001年以降では、漁獲量は119〜1,672トン、CPUEは6.3〜22.1 kg/反で推移した。直近の2014年の漁獲量は450トンで、2013年の493トンから約1割減少した。CPUEは9.5 kg/反であり、漁業開始時と比較して低位から中位水準であった。

資源状態
漁業形態が変化している中での動態ではあるが、CPUEの推移から資源水準を判断すると、漁業開始時の1980年代の高位な時期から、1990年代中頃に低水準となり、1990年代後半から2002年までは中位から低位水準を経年的に変動していた。漁業形態が安定した中でのCPUEのモニタリングを継続して判断する必要があるものの、近年の資源量水準は低位から中位を経年的に変動しており、現在は低位から中位で横ばいと判断される。

管理方策
本資源は隣接するロシア水域大陸棚資源と連続していることから、この公海域の漁業管理のみによる資源保全は現実的ではない。現在は操業隻数が2隻に限られ、さらに冬期間には結氷のため漁業ができないことにより、実質的に漁獲努力量が制限されている。また、使用漁具の網目を7寸5分(22.7 cm)として小型魚の漁獲を防止している。今後、極端にCPUEを低下させることのないような適正な漁獲努力の配分を行うことで、資源を将来に渡り持続的に利用することが可能と思われる。そのためには漁業情報収集体制の維持と漁獲物標本分析によるモニタリングが必要である。なお、隣接するロシア北オホーツク小海区における本種のTACはおよそ5,000〜6,500トンとされており、この海区も含めたロシア水域大陸棚海域における1991〜2001年の平均漁獲量は4,300トンである。

資源評価のまとめ
  • CPUEの動向により評価。
  • 資源は低位から中位の水準にあり、動向は横ばい。

管理方策のまとめ
  • 操業隻数制限。小型魚漁獲防止のための漁具の網目制限。
  • 適正な漁獲努力の配分により、将来に渡る資源の持続的利用が可能。
  • 漁獲努力配分のために漁業情報収集体制の維持と漁獲物標本分析によるモニタリングが必要。