--- 要約版 ---

62 スケトウダラ ベーリング公海

Walleye Pollock, Theragra chalcogramma

                                                       
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図1

本資源の分布域(赤)、産卵場(黄)及び漁場(青)


図2

アリューシャン海盆の中層性スケトウダラの分布域(緑)と想定される回遊経路略図


図3

アリューシャン海盆スケトウダラ(雌)にみられる年齢・体長関係の経年変化


図4

特定水域における日米調査船調査による中層性スケトウダラの現存量(親魚量)推定値


図

ベーリング公海でのスケトウダラの国別漁獲量


図5

特定水域で米国調査により捕捉された7歳魚加入尾数
(1988年以前の加入尾数は生残率から逆算された推定値を使用;赤は漁獲減耗)



スケトウダラ(ベーリング公海)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
0(漁業停止)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
0(漁業停止)
最新の資源評価年
次回の資源評価年

管理・関係機関
中央ベーリング海におけるすけとうだら資源の保存及び管理に関する条約(CCBSP)

最近の動き
本資源を管理するCCBSPの締約国年次会議及び科学技術委員会が2014年8〜11月にインターネット上で開催され、引き続き漁業停止を継続することとなった。

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長60 cm ・2 kg
  • 寿命:10歳以上
  • 成熟開始年齢:4〜5歳
  • 産卵期・産卵場:3月、アリューシャン海盆南東部
  • 索餌場:アリューシャン海盆
  • 食性:橈脚類、オキアミ類、魚類等
  • 捕食者:海鳥、魚類、海産哺乳類等(幼魚期)、海産哺乳類等(成魚期)

利用・用途
主にすり身原料やたらことして利用される

漁業の特徴
1980年代半ば、200海里体制が確立され、我が国の北洋底魚漁業がベーリング海大陸棚漁場を失いつつあったころ、我が国がアリューシャン海盆に生息する本種資源を対象とする中層トロール漁業を開発した。漁場はベーリング海中央部の公海域に設定された。我が国のほか、韓国、ポーランド、ロシア及び中国が操業した。漁場となる海盆域には成魚のみが分布することから、未成魚は周辺の大陸棚海域で生活していると考えられる。全漁業国は、資源状態の悪化に伴い1994年にこの公海漁業を自主的に停止した。1995年以降はCCBSPによる措置に基づき停止が続いている。

漁獲の動向
漁獲量は開発当初の1985年から急増し、1989年には日本、韓国、ポーランド、ロシア及び中国により144万トンに達した。しかし、1989年をピークに漁獲量は激減し、1992年には資源状態の悪化により1万トンまで落ち込んだ。1994年以降は操業が停止している。

資源状態
本海域資源では、冬季のアリューシャン海盆南東部のボゴスロフ諸島周辺水域(以下、特定水域)に産卵親魚が集群する。日米の調査船調査により推定された、特定水域の親魚の現存量は、1980年代後半に200万トンを超したが、1990年代に入って激減して1994年には50万トンを下回り、2000年代は30万トン程度で推移し、低位水準が続いた。2010年代にはさらに減少し、2014年の米国調査による推定値は11.2万トンであった。CCBSPの規定に従い、特定海域に資源量の60%が分布と仮定すると、本資源の分布域である海盆全域の資源量はおよそ19万トンと推定される。この資源量は、漁業の全盛期であった1980年代後半の推定値の20分の1以下の低水準となっている。

管理方策
本資源は、国際条約のCCBSPにより管理されている。特定水域の調査結果からABCを決定し、加盟国が合意した漁獲可能水準(AHL;Acceptable Harvest Level)が得られる場合にはこれを採用する。しかし、合意に至らない場合、漁業再開のためには1990年代初頭の水準に達することが必要であるとの考え方から、海盆の資源量が167万トンを越すことが必要とされる(特定水域の現存量はその60%の100万トン)。この場合のAHLは条約附属書により設定されている。CCBSPの2014年の締約国年次会議及び科学技術委員会では、資源は依然として低水準であると判断され、資源回復の兆候がみられないため、1995年以降のAHLが0の漁業停止状態を引き続き継続することとなった。

資源評価のまとめ
  • 産卵親魚の冬季集群海域(特定水域)の現存量を調査で推定し、資源状態を評価。
  • 2014年の特定海域の親魚量は11.2万トン。
  • 海盆全域の資源量はおよそ19万トンで高水準期の20分の1と推定され、低位、横ばいと判断。

管理方策のまとめ
  • 調査結果から決定したABCにより、加盟国が漁獲可能水準を合意する。
  • 資源量が167万トン(1990年代初頭の水準)を超えたら漁業再開。
  • 資源低水準が続いており、1995年以降漁業停止状態が継続している。