--- 要約版 ---

50 ミンククジラ オホーツク海・北西太平洋

Common minke whale, Balaenoptera acutorostrata


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図4

ミンククジラ(オホーツク海・北西太平洋系群)の分布図


図5

ミンククジラ(オホーツク海・北西太平洋系群)の春から夏の回遊経路
(Hatanaka and Miyashita(1997)を改変)


図2

北西太平洋におけるミンククジラの捕獲頭数(1930〜2014年)(定置網等による混獲は含まない)



ミンククジラ(オホーツク海・北西太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 高位
資源動向 増加傾向
世界の捕獲量
(最近5年間)
商業捕獲はなし
我が国の捕獲量
(最近5年間)
捕獲調査により81〜182頭
(2014年からは年間102頭が上限)
最新の資源評価年 2013年
次回の資源評価年 未定


管理・関係機関
国際捕鯨委員会(IWC)

最近の動き
改訂管理方式(RMP)の第2回適用試験は2013年に終了した。現在、系群構造問題を解決するために、定置網に混獲された個体への衛星標識装着技術の開発や、船上からの衛星標識装着の試みが行われている。また、長年目視調査が実施できなかったオホーツク海北東部についてロシアと共同で目視調査を開始している。

生物学的特性
  • 体長・体重:8.8 m・8.4トン
  • 50歳以下
  • 成熟開始年齢:6〜8歳
  • 繁殖期・繁殖場:12〜1月、低緯度海域
  • 索餌期・索餌場:夏、オホーツク海
  • 食性:サンマ、スケトウダラ、マサバ、マイワシ、カタクチイワシ、オキアミ類など
  • 捕食者:シャチ

利用・用途
刺身、ベーコン、工芸品など

漁業の特徴
本系群は1987年まで小型捕鯨業により商業的に捕獲されてきた。1988年以後はIWCの商業捕鯨モラトリアムにより、商業捕獲は停止しているが、1994年から国際捕鯨取締条約に認められた特別許可に基づく科学研究目的の捕獲が毎年行われている。近年、沿岸の定置網等による毎年100頭以上の混獲が報告されている。

漁獲の動向
1950年以降1987年までの商業捕鯨では、年間200〜500頭程度が捕獲されていた。IWCのRMP適用試験で想定された系群構造仮説を検証する目的で、特別許可に基づく捕獲が1994〜1999年まで行われ、毎年100頭の上限設定で21〜100頭が捕獲された。2000年から、北西太平洋における鯨類と餌生物を巡る生態系の解明を目的とした捕獲調査が開始され、その予備調査が2000年と2001年に行われ、100頭の上限設定でそれぞれ40頭と100頭が捕獲された。2002年から本格調査が始まり、沿岸の50頭を加え合計150頭の上限設定で2004年まで毎年150頭程度が捕獲され、2005年以降は沿岸を120頭に増やし上限220頭の設定で95〜220頭が捕獲された。しかし、2014年からは、国際司法裁判所の「南極における捕鯨」訴訟判決に照らし、調査目的を限定するなど規模を縮小して実施することとなり、捕獲上限は沿岸で102頭、沖合で0頭となった。2014年は81頭が捕獲された。

資源状態
IWCによるHitter・Fitter法と1990年当時の資源量推定値約25,000頭を用いた解析によると、現実的な仮定の下では資源は増加傾向を示し、初期資源量(1930年)の70%以上のレベルにあると考えられており、資源は比較的高位にあると判断できる。近年のIWCによるRMP適用試験では、系群構造仮説や資源増加率の仮定などにより、資源状態に対する一致した結論は得られていない。

管理方策
本系群の商業捕獲は資源状態にかかわらず停止状態にある。1993年のIWCでフィードバック管理の考え方を取り込んで様々な不確実性のもとでも安全な管理が行えるRMPが採択された。このRMPの本系群への適用試験は、1回目が2003年に終了し、極端に安全性を見込んだケースも含めた平均で150頭程度(幅は63〜311頭)の商業捕獲枠が試算された。その後情報が集積されたこともあり、2回目の適用試験が2010年から開始され、2013年に終了したものの、系群構造仮説等について合意に至らず、具体的な捕獲枠の決定には至っていない。

資源評価のまとめ
  • 資源量推定値と過去の捕獲頭数に基づくHitter・Fitter法による資源評価。
  • 本系群の最近の個体数は約25,000頭。初期資源量の70%以上で比較的高位と判断。
  • 資源は増加傾向。

管理方策のまとめ
  • 資源状態にかかわらず商業捕獲は停止している。
  • IWCで1993年にRMP採択。第1回目のRMP適用試験(2003年終了)により商業捕獲枠を試算(150頭程度)。
  • RMP適用試験の第2回目を2010年から実施し、2013年に終了したが、具体的な捕獲枠の決定には至っていない。