--- 要約版 ---

37 ヨシキリザメ

Blue Shark, Prionace glauca

                                                                                   
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図2

ヨシキリザメの分布(Compagno 1984より)


図3

ヨシキリザメの年齢と成長(中野 1994)


図1

日本の主要漁港へのヨシキリザメ水揚量(1992〜2014年)


図4a 図4b

北太平洋海域において日本の近海遠洋まぐろはえ縄漁船により漁獲されたヨシキリザメの標準化CPUE(上:1976〜1993年、下:1994〜2012年)点線は95%信頼区間、赤の破線は中央値を表す。東日本大震災の影響により2011年以降は別に推定した。


図5

ベイジアンサープラスプロダクションモデルで推定された北太平洋ヨシキリザメの資源量
点線は90%の信頼区間、青の破線はMSY水準を表す。


図6

統合モデル(Stock Synthesis 3)で推定された北太平洋におけるヨシキリザメの産卵資源量
黒の点線は90%の信頼区間、青の点線はMSY水準を表す。


図7

大西洋におけるヨシキリザメの標準化されたCPUE(上:北大西洋、1957〜2013年、下:南大西洋、1971〜2013年)(ICCAT 2015)
灰色は漁獲量、実線は各国のCPUE(北資源:米国のオブザーバー航海(朱)、日本のはえ縄前期(青)、日本のはえ縄後期(茶)、米国のオブザーバ航海(橙)、ベネズエラのはえ縄(黄緑)、スペインのはえ縄(黒)、ポルトガルのはえ縄(紫)、台湾のはえ縄(紫と×印)、南資源:ウルグアイのはえ縄(緑)、ブラジルのはえ縄(朱)、日本のはえ縄前期(青)、日本のはえ縄後期(赤)、スペインのはえ縄(黒)、台湾のはえ縄(紫))を示す。


図8

インド洋におけるヨシキリザメの標準化CPUE(1975〜2014年)(IOTC 2015)
各線は各国(日本のはえ縄(破線)、日本のオブザーバー航海(破線と丸)、ポルトガル(実線)、スペイン(点線)、台湾(赤の一点鎖線))を示す。



ヨシキリザメ(全水域)の資源の現況(要約表)

北太平洋(北緯20度以北) 南太平洋(北緯20度以南) 北大西洋(赤道以北) 南大西洋(赤道以南) インド洋
資源水準 中位〜高位 調査中 中位〜高位 調査中 調査中
資源動向 横ばい 調査中 横ばい 横ばい 横ばい
世界の漁獲量 調査中 調査中 3.6万〜3.8万トン
平均:
3.7万トン
1.9万〜3.5万トン
平均:
2.7万トン
2.7万〜3.4万トン
平均:
3.0万トン
我が国の漁獲量
(最近5年間)
5,148〜
7,673トン
(水揚量)
平均:
6,861トン

注:これらの数値は遠洋はえ縄船の漁獲量がほとんど含まれていない
139〜
518トン
平均:262トン
1,227〜
3,369
トン
平均:
2,120
トン
1,161〜
3,248
トン
平均:
2,241
トン
834〜
1,558トン
平均:
1,287
トン
最新の資源評価年 2014年 2015年 2015年 2015年 2015年
次回の資源評価年 2017年 2016年 未定 未定 2017年


管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)
みなみまぐろ保存委員会(CCSBT)
全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)
インド洋まぐろ類委員会(IOTC)
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)
北太平洋まぐろ類国際科学委員会(ISC)
太平洋共同体事務局(SPC)

最近の動き
2014年は北太平洋系群の資源評価が行われた。2015年は南北大西洋系群、インド洋系群及び南太平洋系群の資源評価が行われた。

生物学的特性
  • 体長・体重:220 cm、100 kg
  • 寿命:20歳以上
  • 成熟開始年齢:雄:4〜6歳 雌:5〜7歳
  • 繁殖期・繁殖場:初夏、北緯30〜40度の海域
  • 索餌期・索餌場:熱帯・温帯域
  • 食性:魚類、頭足類
  • 捕食者:幼魚は大型さめ類や海産哺乳類、成魚は調査中

利用・用途
肉はすり身など、鰭はふかひれ、皮は工芸品や医薬・食品原料、脊椎骨は医薬・食品原料

漁業の特徴
本種は全世界の熱帯から温帯にかけて出現し、外洋性さめ類の中で最も資源豊度が高いと考えられている。本種はまぐろはえ縄漁業で数多く漁獲されているが、基本的に混獲種であり、日本周辺の漁場を除き、遠洋水域で混獲されるヨシキリザメは外地で水揚げされるか放流されている。水揚げは宮城県の気仙沼港を中心に行われ、肉、鰭、脊椎骨、皮が食用や工芸用に利用されている。

漁獲の動向
本種のはえ縄漁業等による水揚量は、1992〜2014年において5,100〜16,000(平均11,273)トンであり、2001年をピークにやや減少傾向で、2011年は東日本大震災の影響により過去最低を大きく更新したが2012年は2010年レベルまで回復した。

資源状態
北太平洋系群については、2014年にISCさめ作業部会で行われた資源評価において、現在の資源量は乱獲状態になく、漁獲も過剰漁獲の状態にはないとされた。この結果は同年7月のISC本会合で承認されたのち、8月のWCPFC科学委員会でも受け入れられた。併せて、WCPFC科学委員会は、資源評価で使用されたデータの不確実性を考慮し、@漁獲上限の設定を含めた管理計画の提出、A漁獲及び漁獲努力量のモニタリングを勧告した。南太平洋系群については、2015年にSPCの専門家グループによりオブザーバーデータとはえ縄の漁業データを用いた資源状態の傾向の解析が行われ、この系群のCPUEが歴史的に減少している傾向を示しているとの結果が同年のWCPFC科学委員会において報告された。
南北大西洋系群は2015年のICCATさめ資源評価会合において資源評価が行われ、南北資源の入力データ及びモデル構造の仮定に関して不確実性が高いことを指摘した上で、北資源に対しては乱獲状態になく漁獲も過剰漁獲の状態ではないだろうと評価し、南資源に対しては、資源状態は不明とした。
インド洋系群は2015年のIOTCさめ資源評価会合において資源評価が行われたが、資源量、CPUE、漁獲量の間での高い不確実性の結果、ベースケースモデルを選べず、資源状態は不明とした。

管理方策
全てのまぐろ類地域漁業管理機関において、漁獲されたさめ類の完全利用(頭部、内臓及び皮を除く全ての部位を最初の水揚げ又は転載まで船上で保持すること)及び漁獲データ提出が義務付けられている。
加えて、WCPFCでは、2014年の年次会合において、@まぐろ・かじき類を対象とするはえ縄漁業は、ワイヤーリーダー(ワイヤー製の枝縄及びはりす)又はシャークライン(浮き玉又は浮縄に接続された枝縄)のいずれかを使用しないこと、Aさめ類を対象とするはえ縄漁業は、漁獲を適切な水準に制限するための措置等を含む管理計画を策定すること、が合意された。Aに対応して、ヨシキリザメを漁獲対象としている気仙沼の近海はえ縄漁業において、年間のヨシキリザメの水揚量の上限を7,000トンにすること等を定めた管理計画が2016年1月1日より5年間実施されている。

資源評価のまとめ
  • 北太平洋系群:資源量は乱獲状態になく、漁獲も過剰漁獲の状態にはない。
  • 南太平洋系群:不明(資源評価は実施)
  • 北大西洋系群:資源量は乱獲状態になく、漁獲も過剰漁獲の状態にはないだろう。
  • 南大西洋系群:不明(資源評価は実施)
  • インド洋系群:不明(資源評価は実施)

管理方策のまとめ
  • 全ての海域:漁獲されたさめ類の完全利用(頭部、内臓及び皮を除く全ての部位を最初の水揚げ又は転載まで船上で保持すること)及び漁獲データ提出の義務付け。
  • WCPFC:@まぐろ・かじき類を対象とするはえ縄漁業は、ワイヤーリーダー(ワイヤー製の枝縄及びはりす)又はシャークライン(浮き玉又は浮縄に接続された枝縄)のいずれかの使用禁止、Aさめ類を対象とするはえ縄漁業は、漁獲を適切な水準に制限するための措置等を含む管理計画を策定