--- 要約版 ---

31 カツオ インド洋

Skipjack, Katsuwonus pelamis

                                                       
PIC

[HOME] [詳細版PDF] [要約版PDF] [詳細版html] [戻る]

図6

インド洋カツオ分布域、産卵域及び漁場


図2

インド洋カツオの国別漁獲量(1950〜2014年)(IOTCデータベース:2015年9月)(NEI:Not Elsewhere Included、PS:まき網)


図3

インド洋カツオの漁法別漁獲量(1950〜2014年)(IOTCデータベース:2015年9月)


図5

インド洋カツオの海域別漁獲量(1950〜2014年)(IOTCデータベース:2015年9月)
東インド洋(FAO海域57)、西インド洋(FAO海域51)


図4

EUスペインまき網漁業(素群れ操業・付き物操業別)漁獲量(千トン)


図7a 図7b 図7c

モルディブの竿釣り(上)、フランスのまき網(中)、EUのまき網(下)漁業に対するカツオ標準化CPUE(IOTC 2014)


図11

SS3による資源評価結果(神戸プロット:stock trajectory)(IOTC 2014)



カツオ(インド洋)の資源の現況(要約表)(*)

資源水準 高位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
34万〜43万トン
平均:40万トン(2010〜2014年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
500〜1,700トン
平均:1,100トン(2010〜2014年)
最新の資源評価年 2014年
次回の資源評価年 2017年
(*) 2013年までのデータを使用した資源評価の結果に基づく

管理・関係機関
インド洋まぐろ類委員会(IOTC)

最近の動き
最新の資源評価はIOTC第16回熱帯まぐろ作業部会(2014年)で実施された。この結果を受けて、第17回(2014年12月)・第18回(2015年11月)科学委員会で資源管理方策が策定された。

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長80 cm・10 kg
  • 寿命:6歳以上
  • 成熟開始年齢:1〜2歳
  • 産卵期・産卵場:周年、表面水温24℃以上の海域
  • 索餌期・索餌場:周年、熱帯〜温帯域
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:さめ類、海産哺乳類、海鳥類等

利用・用途
缶詰、かつお節、乾燥品などの加工品原料

漁業の特徴
最近5年間の平均漁獲量のうち、41%がEU(スペイン・フランス)とセーシェル等のまき網漁業、25%が流し網漁業(主にインドネシア、イラン、スリランカ)、20%がモルディブなどの竿釣り漁業、14%がその他の漁業という内訳になっている。2006年までは全漁法での漁獲量が増加する傾向にあったが、そのうちまき網の漁獲増大の比率が高く、人工浮き魚礁(FADs)の利用拡大によるところが大きかった。まき網による漁獲のうち、最近では80%以上がFADsでの操業によるものである。また、西インド洋(FAO海域51)と東インド洋(FAO海域57)における最近5年間(2010〜2014年)おける平均漁獲量の割合は、61%、39%となっている。
インド洋における日本漁船によるカツオの漁獲は、ほとんどがまき網によるものである。インド洋における日本のまき網漁業は、1957年からまき網船1〜2隻が1980年代半ばまで操業していた。1988年以降は、漁船数が増加し最多時にはまき網船数は11隻(1991〜1994年)となり、1992〜1993年のカツオの漁獲量は3万トンを超えた。また、1977年から2012年まで、独立行政法人水産総合研究センター開発調査センター(旧:海洋水産資源開発センター)の調査船日本丸(新・旧、まき網)がインド洋全域で、2013年以降は同センター調査船第一大慶丸(まき網)がインド洋東部で試験操業を行っている。1994年以降まき網漁船数は徐々に減少し、最近5年間(2010〜2014年)では日本丸もしくは第一大慶丸の試験操業のみで、カツオの漁獲量は500〜1,700トンで推移している。

漁獲の動向
総漁獲量は1950年から年々微増し、1983年には8万トンを超えた。西インド洋でまき網漁業が本格化した1984年に総漁獲量は10万トン台、1988年に20万トン台、1993年に30万トン台、1999年に40万トン台、2005年に55万トンと急増し続け、2006年に62万トンのピークに達した。しかし2007年以降は、ソマリア沖海賊の活動範囲が拡大し、多数のEUまき網漁船および沿岸国の漁船が操業を自粛し大西洋もしくはインド洋の別の海域へ移動したため、漁獲努力量が減少して漁獲量は急減し、2012年には31万トンとなり、1994年以来最低レベルとなった。ただし、2012年に海賊活動がなくなった後、漁船が戻ってきたので、2013年には43万トンに増加し、2014年もほぼ同じレベルであった。

資源状態
IOTC第16回熱帯まぐろ作業部会(2014年)で、SS3(統合モデル)を使用して資源評価が実施された。資源指標として、モルディブの竿釣り及びEUまき網の標準化CPUEが用いられた。資源評価では、5つのパラメータ(自然死亡係数、steepness、成長式、加入変動及びCPUEと体長データの重み付け)の組み合わせによる108のシナリオを設定し、中央値の結果で代表させた。その結果、MSYは68万トン(80%信頼区間55万〜85万トン)、F2013/FMSY=0.42、SSBMSY=87.5万トン(70.8万〜107.5万トン)、SSB2013/SSBMSY=1.59と推定された。以上のことから、インド洋におけるカツオ資源の現状は、漁獲努力量も漁獲量もMSYレベル以下にあり、過剰漁獲や乱獲状態ではないことがわかり、高位、横ばい傾向と判断された。資源評価の結果を用いリスク解析(Kobe II)を行った結果、2013年の漁獲量(資源評価実施時:42万トン)を2023年まで継続しても、MSYを割り込む確率は極めて低いとされた。

管理方策
IOTC第16回熱帯まぐろ作業部会の資源評価結果を受け、第17回(2014年12月)・第18回(2015年11月)科学委員会は、資源管理方策に関し、以下の考え方を示した。現状(2013年)の漁獲量では、短期・中期的に暫定的な限界管理基準値(初期資源量の40%)を割り込む可能性は低い。しかし、資源評価の不確実性、FADs操業による低い漁獲率及び増大している努力量を考えると、漁獲量はMSY推定値の下限(55万トン)を上回るべきではないとし、さらに、暫定管理基準値(初期資源量ベース)も参照することとした。また、データ収集・報告、解析の引き続きのモニター改良が必要とした。

資源評価のまとめ
  • 2014年に資源評価実施、SS3の結果により管理勧告。
  • SSB2013/SSBMSY=1.59、F2013/FMSY=0.42で資源は乱獲及び過剰漁獲でなく、高位、横ばい傾向。
  • MSY:68万トン(80%信頼区間55万〜85万トン)。

管理方策のまとめ
  • 漁獲量はMSY推定値の下限(55万トン)を上回るべきではない。
  • FADs数を1隻550基までに制限。