--- 要約版 ---

30 カツオ 中西部太平洋

Skipjack, Katsuwonus pelamis

                                                                                   
PIC

[HOME] [詳細版PDF] [要約版PDF] [詳細版html] [戻る]

図6

太平洋におけるカツオの分布域、産卵域及び漁場


図5

中西部太平洋のカツオの成長パターン


図3

中西部太平洋におけるカツオの主要漁法別漁獲量の経年変化


図4

中西部太平洋におけるカツオの国別漁獲量年変化


図1

中西部太平洋におけるカツオの漁法別漁獲分布(1990〜2014年)
赤:竿釣り、青:まき網、黄:その他


図14a

MSYレベルを基準とした漁獲係数の相対値(F/FMSY)と産卵親魚量の相対値(SB/SBMSY)の経年変化
縦軸及び横軸の1.0はMSYレベルを示す。



カツオ(中西部太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 高位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
154.3万〜199.3万トン
平均:176.3万トン(2010〜2014年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
23.3万〜29.9万トン
平均:26.6万トン(2010〜2014年)
最新の資源評価年 2014年
次回の資源評価年 2016年

管理・関係機関
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)
太平洋共同体事務局(SPC)

最近の動き
最新の資源評価はSPCの専門家グループにより2014年に行われ、結果は同年8月のWCPFC科学委員会に報告され、赤道域における高い漁獲による分布水域の減少、高緯度水域への回遊の減少への懸念が示された。科学委員会は、これを踏まえて管理規制措置や資源研究、評価に関して勧告を行った。2015年 12月のWCPFC年次会合において、長期管理目標について議論され、暫定的な目標が合意された。この管理目標値は2019年に改訂される予定。

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長100 cm・25 kg
  • 寿命:6歳以上
  • 成熟開始年齢:1.5歳
  • 産卵場:表面水温24℃以上の海域
  • 索餌場:表面水温15℃以上の海域
  • 食性:動物プランクトン、魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海鳥類など

利用・用途
缶詰や節原料、刺身・たたきによる生食

漁業の特徴
1950年代から1970年代までは主に竿釣りが中心で漁獲量が伸びていった。1980年代にはいると漁場の拡大に伴う活餌保持の問題と燃油高騰等の経済的要因から遠洋竿釣り漁船数が減少して竿釣り漁獲量の伸びが停滞した。竿釣りの漁獲量は、1980年代後半以降は緩やかに減少している。1980年代には各国のまき網船による熱帯水域漁場の開発が始まって漁獲量の急増期に入り、以降現在までまき網の漁獲量は増加している。竿釣りは、2005年頃まで日本が約6割を占めていたが、次第に減少し、2006年以降はインドネシアが最も漁獲量が多くなり、近年の日本が占める割合は4〜5割ほどになっている。まき網については米国、韓国、台湾及び日本の遠洋漁業国が近年の漁獲量の5〜6割を占め、他はインドネシア、フィリピンが多い。

漁獲の動向
漁獲量は、主に竿釣りにより、1960年前後には10万〜17万トン、1970年には20万トンを超えた。1970年代後半には竿釣りが30万トンを超える水準となり、全体では40万トン台となった。1980年代以降はまき網による漁獲量が急増し、1990年代には100万トン前後に増大、さらに2009年には180万トン近くに達したが、2011年にかけて減少した後、再び増加に転じ、2014年は199万トンと過去最高を記録した。2014年の漁法別漁獲量(暫定値)は、まき網が161万トンで82%、竿釣りが15万トンで約9%、その他の漁業が23万トンで約9%である。2014年については、特に韓国、米国で多く漁獲し、それぞれ21.9万トン、24.8万トンであった。国別漁獲量は、2009年を除き2010年までは日本が最大であったが、2011年には24万トンに減少し、インドネシアが27万トンで最大となった。2014年のインドネシアの漁獲量は、2013年に続き30万トンを超えた。韓国、フィリピン、台湾、米国は近年それぞれ18万〜25万トンほど漁獲している。

資源状態
2014年のSPCの専門家グループによるMultifan-CLを用いた1972年から2012年についての資源評価において、現在(2008〜2011年)の漁獲圧はMSYレベルを下回っており過剰漁獲にはない(Fcur/FMSY=0.62)とされた。産卵親魚量は、1990年代は約450万トン付近を推移していたが、2000年以降減少しており、現在の2012年は約320万トンとMSYレベルを上回っていることから乱獲状態にはない(SBcur/SBMSY=1.94)とされ、高位と判断された。他方、同年のWCPFC科学委員会においては、漁獲死亡が増加傾向で、かつ資源量は減少傾向が続いていることが認識された。また、赤道域における高い漁獲が資源の分布水域を減少させ、その結果、高緯度水域への回遊が減少している懸念が示された。

管理方策
WCPFCは、メバチ・キハダ・カツオの保存管理措置として、熱帯水域のまき網漁業に対し、@集魚装置(FAD)を用いた操業の段階的な規制強化(2014〜2016年)、A公海におけるFAD操業の原則禁止(2017年より)、B島嶼国以外のメンバーが保有する隻数の凍結、を導入している(FAD操業規制はメバチ幼魚死亡率削減を目的とするが、本種にも影響を与えている)。2015年12月のWCPFC第12回年次会合においては、保存管理措置の見直しが議論されたが合意に至らず、現行措置が継続されることとなった。同会合においては、カツオの長期管理目標として、@漁業がないと仮定した資源量の50%を暫定的な目標とすること、Aこの管理目標値は遅くとも2019年に見直され、それ以降も適宜見直されること、B見直しに際しては、日本沿岸域への来遊状況等に関する科学委員会の勧告が考慮されること、が合意された。

資源評価のまとめ
  • 2014年にSPCがMultifan-CLにより、1972年から2012年について実施。
  • 産卵親魚量は、1990年以降減少傾向。現在(2012年)は約320万トンで漁業が無いと仮定した場合の量の約48%。
  • 漁獲係数は、現在はMSYレベルを下回っており過剰漁獲にはないが、1990年以降増加傾向が続いている。
  • 赤道域における高い漁獲が資源の分布水域を減少させ、その結果、高緯度水域への回遊が減少している懸念がある。

管理方策のまとめ
  • 熱帯水域のまき網漁業に対し、@FAD操業の段階的な規制強化(2014〜2016年)、A公海におけるFAD操業の原則禁止(2017年より)、B島嶼国以外のメンバーが保有する隻数の凍結(FAD操業規制はメバチ幼魚死亡率削減を目的とするが、本種にも影響を与えている)。
  • @漁業がないと仮定した資源量の50%を暫定的な目標とすること、Aこの管理目標値は遅くとも2019年に見直され、それ以降も適宜見直されること、B見直しに際しては、日本沿岸域への来遊状況等に関する科学委員会の勧告が考慮されること、を長期管理目標とする。