--- 要約版 ---

12 キハダ 東部太平洋

Yellowfin Tuna, Thunnus albacares

                                                           
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図1

太平洋におけるキハダの分布域


図4

東部太平洋におけるキハダの年齢ごとの尾叉長(cm)と体重(kg)の関係


図2a

東部太平洋におけるキハダの漁法別漁獲量


図2b

東部太平洋におけるキハダの国別漁獲量


図9

東部太平洋におけるキハダのF/FMSYとSSB/SSBMSY(上図)、B/BMSY(下図)の推移(赤丸が現状)



キハダ(東部太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 中位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
21.3万〜26.1万トン
平均:23.3万トン(2010〜2014年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
0.2万〜0.4万トン
平均:0.3万トン(2010〜2014年)
最新の資源評価年 2015年
次回の資源評価年 2016年

管理・関係機関
全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)

最近の動き
東部太平洋における本種の最新の資源評価はIATTC事務局により2015年に行われ、結果は同年5月の科学諮問委員会に報告された。また、7月の年次会合において、現行措置の継続が合意された。

生物学的特性
  • 体長・体重:尾叉長2.0 m・200 kg
  • 寿命:7〜10歳
  • 成熟開始年齢:3歳
  • 産卵期・産卵場:周年、表面水温24℃以上の海域
  • 索餌期・索餌場:熱帯域・温帯域
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身や缶詰原料

漁業の特徴
まき網が漁獲量の9割近くを占め、残りがはえ縄と竿釣りで漁獲されている。まき網は伝統的にイルカ付き操業と素群操業が行われており、1990年代に入ると集魚装置(FAD)を用いた操業が発達した。素群れ操業は尾叉長60〜100 cm程度、イルカ付き操業は尾叉長90〜150 cmの中・大型魚、FAD操業は尾叉長50 cm程度の小型魚を中心に漁獲している。はえ縄は、主として尾叉長100 cm以上の中・大型魚を漁獲する。まき網漁業国はメキシコ、ベネズエラ、エクアドル等であり、イルカ付き操業の漁場は北緯10度を中心に西経130度以東の沿岸域に分布し、素群れ操業は沿岸部に多く、FAD操業は比較的南緯側で多くみられる。はえ縄の漁業国は日本、韓国、台湾及び中国等であり、赤道を挟んだ南北15度を中心に操業している。

漁獲の動向
1960年頃までに竿釣りによりキハダ資源が開発され、その後、まき網に転換された。近年、キハダの大部分はまき網によって漁獲され(92%、1982〜2011年)、残りがはえ縄(7%)と竿釣り(1%)で漁獲される。漁獲量は1970年代半ば(1976年23.4万トン)と1990年(30.1万トン)にピークがみられる。1983年の漁獲量の落ち込みは、海況の変化に起因する漁船数の減少によるものである。1990年以降の漁獲量の減少は、イルカ付きの魚群を漁獲していたため、イルカの保護運動の影響で努力量が減少したことによるものである。1990年以降は米国以外の進出が目立ち、1996年以降増加に転じて1999年には29.8万トンまで回復し、好調な加入による資源増加と相乗して、2001〜2003年には40万トンを超え、2002年には43.9万トンのピークとなった。その後は加入が減少し、2014年は24.2万トンで前年の105%であった。

資源状態
IATTCにより2015年に統合モデル(Stock Synthesis)を用いて資源評価が実施された。資源量(0.75歳以上の重量と定義)は41.2万トン、MSYは27.5万トンと推定され、最近年(2014年)の漁獲量は24.3万トンとMSYよりも低い。現状(2015年第一四半期時点)の産卵資源量はほぼMSYレベルにある(SSB2015/SSBMSY=0.99)と推定された)。近年(2012〜2014年)の漁獲死亡係数はMSYを維持するレベルよりも低いと推定された(F2012-2014/FMSY=0.90)。1975年以降の経年的な産卵資源量変動から、最近年は過去の平均的な産卵資源量であり、傾向のある変動を示していないため、資源水準、動向は中位、横ばいと判断できる。

管理方策
2015年7月に開催されたIATTC第88回会合(年次会合)において、現行のメバチ・キハダ保存管理措置の継続が合意された。はえ縄漁業漁獲枠はメバチについてのみ設定されているが、キハダの漁獲にも影響をもたらすと考えられる。措置の概要は以下のとおり。
  • まき網漁業:62日間の全面禁漁。沖合特定区での1か月間禁漁。
  • はえ縄漁業:国別メバチ漁獲枠の設定(我が国漁獲枠は32,372トン)

資源評価のまとめ
  • 資源評価は2015年に統合モデル(Stock Synthesis)を用いて実施。
  • MSY27.5万トン。最近年(2014年)の漁獲量は24.2万トン。
  • 近年(2012〜2014年)の漁獲係数はMSYレベルよりも低い(F/FMSY=0.90)。
  • 近年(2015年)の産卵資源量はほぼMSYレベル(SSB/SSBMSY=0.99)であり、中位、横ばい。

管理方策のまとめ
  • まき網漁業:62日間の全面禁漁。沖合特定区での1か月間禁漁。
  • はえ縄漁業:国別メバチ漁獲枠の設定(我が国漁獲枠は32,372トン)。キハダ漁獲にも影響。