--- 要約版 ---

10 ビンナガ 北大西洋

Albacore, Thunnus alalunga

                                                       
PIC

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図3

北大西洋ビンナガの年齢と尾叉長(cm)の関係


図2

大西洋におけるビンナガの分布と主な漁場


図1

北大西洋におけるビンナガの漁法別漁獲量


図6

北大西洋ビンナガのMSYを基準とした相対親魚資源量(SSB/SSBMSY)及び相対漁獲係数(F/FMSY


図7

北大西洋ビンナガの資源における相対親魚資源量(SSB/SSBMSY)と相対漁獲係数(F/FMSY)の1930〜2009年における推移
黒線:資源状態の軌跡、黒点:2009年時の資源状態、青点:不確実性を示す。


図5

Multifan-CLモデルから得られた北大西洋ビンナガの1930〜2011年の親魚資源量(上)及び加入量(1歳魚、下)の推移
Recruitmentは尾数、Biomassはトンで表示。Time period は1930年が1を示す。

ビンナガ(北大西洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 増加
世界の漁獲量
(最近5年間)
1.95万〜2.65万トン
平均:2.32万トン(2010〜2014年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
279〜1,745トン
平均:657トン(2010〜2014年)
最新の資源評価年 2013年
次回の資源評価年 2016年


管理・関係機関
大西洋まぐろ類保存国際委員会 (ICCAT)

最近の動き
2015年9月にICCATの調査統計委員会 (SCRS)が開催され、各国から2014年の漁獲量が報告された。

生物学的特性
  • 体長・体重:130 cm、40 kg
  • 寿命:10歳以上
  • 成熟開始年齢:5歳頃
  • 産卵場:西部では北緯25〜30度で、中部から東部では北緯10〜20度
  • 索餌場:温帯域
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身や缶詰原料

漁業の特徴
北大西洋のビンナガは、ビスケー湾でスペインのひき縄及び竿釣りで、またアゾレス海域でスペイン及びポルトガルの竿釣りで古くから漁獲されてきた。1980年代後半から、新しい表層漁業である流し網や中層トロールによっても漁獲されるようになった。はえ縄による漁獲は表層漁業による漁獲よりも小さく、多くを台湾が占める。

漁獲の動向
本資源の年間総漁獲量は1960年代中頃(約6万トン)をピークに、徐々に減少している。その原因は主としてひき縄、竿釣り及びはえ縄などの伝統的な漁法の努力量の減少による。総漁獲量は1999年の3.5万トンから2002年の2.3万トンまで減少した。その後、表層漁業による漁獲量が増加して、総漁獲量は2006年に3.7万トンにまで回復した。しかし、2007年から表層漁業及びはえ縄の両方の漁獲量が大きく減少し、2009年には1.5万トンとなった。これは1950年以降で最低の漁獲量であった。2010年以降、漁獲量は増加傾向に転じ、2014年の漁獲量は過去5年で最も多い26,539トンを記録した。スペイン・アイルランドは過去5年平均と同様、フランスは増加、日本・台湾は減少となった。これは中層トロールによる漁獲増の影響である。

資源状態
2013年6月にICCATにおいて資源評価が行われた。資源評価にはMultifan-CLがベースモデルとして用いられ、産卵親魚量の状態はMSYからの相対値で示されている。親魚資源量は1960年代以降MSYレベルを下回って推移したが、2000年以降に上昇傾向を示し、2011年はMSYの94%であった。漁獲圧は1980年代以降、MSYレベルを上回って推移したが、最近年では減少傾向が認められ、2011年はMSYレベルの72%であった。資源状態は過剰漁獲ではないが、乱獲状態である確率(F/FMSY<1、SSB/SSBMSY<1)は72.4%であると推定され、漁獲量は2010年以降増加傾向を示していることから、資源水準・動向をそれぞれ「低位」「増加」とした。将来予測の結果より、将来の漁獲量が現行の漁獲量レベル(2.0万トン)または現行のTACレベル(2.8万トン)であった場合、資源量は2012年レベルより増加すると予測された。

管理方策
ICCATにより、1999年から、漁獲能力を抑えるために入漁隻数が1993〜1995年の平均隻数に制限され、TACも設定されている。2014〜2016年のTACは2.8万トンである。また日本については、北大西洋ビンナガを目的とした操業を行っていないので「漁獲量が大西洋全体におけるはえ縄によるメバチの漁獲量の4%以下になるよう努力する」という規制が課せられている。

資源評価のまとめ
  • 2013年に資源評価を実施(Multifan-CLをベースモデルとして使用)。
  • MSYの中央値は31,680トン、SSB2011/SSBMSYの中央値は0.94、F2011/FMSYの中央値は0.72。
  • 過剰漁獲ではないが、乱獲状態である確率(F/FMSY<1、SSB/SSBMSY<1)は72.4%。
  • 将来の漁獲量が最近5か年(2.0万トン)以上またはTAC(2.8万トン)であった場合、資源量は2012年レベルより増加すると予測。

管理方策のまとめ
  • 2014〜2016年のTACは2.8万トン。
  • 日本は、漁獲量が大西洋全体のはえ縄によるメバチの漁獲量の4%以下になるよう努力。