--- 要約版 ---

08 ビンナガ 南太平洋

Albacore, Thunnus alalunga

                                                                                   
PIC

[HOME] [詳細版PDF] [要約版PDF] [詳細版html] [戻る]

図3

太平洋におけるビンナガの分布域と主な漁場
南北のビンナガは赤道で区分される。


図1

南太平洋におけるビンナガの国別漁獲量


図2

南太平洋におけるビンナガの漁法別漁獲量


図7

南太平洋におけるビンナガの産卵資源量の推定値


図9

南太平洋のビンナガに関するF/FMSYとSB/SBF-0



ビンナガ(南太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 高位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
6.6万〜8.8万トン
平均:8.2万トン(2010〜2014年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
2,400〜5,400トン
平均:4,056トン(2010〜2014年)
最新の資源評価年 2015年
次回の資源評価年 2018年

管理・関係機関
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)
太平洋共同体事務局(SPC)

最近の動き
本種の最近の資源評価は2015年にSPCの専門家グループにより行われ、現在の漁獲は過剰漁獲の状態ではなく、資源も乱獲状態ではないとされた。2015年8月のWPCFC科学委員会は、この結果等を踏まえ、生物学的な限界管理基準値を下回ることを回避し、経済学的に実現可能な漁獲率を持続するために、はえ縄の努力量と漁獲量を減少することを勧告した。

生物学的特性
  • 体長・体重:最大約120 cm、約30 kg
  • 寿命:12歳以上
  • 成熟開始年齢:6歳
  • 産卵期・産卵場:10〜2月(南半球の春・夏季)、中・西部熱帯〜亜熱帯海域
  • 索餌場:南緯30〜45度
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
缶詰原料など

漁業の特徴
主な漁業は、遠洋漁業国(日本、中国、台湾、韓国)や島嶼国(フィジー、サモア、仏領ポリネシア)のはえ縄、ニュージーランド、米国のひき縄で、竿釣りの漁獲はわずかである。近年は中国以外の遠洋漁業国のはえ縄漁獲が減少し、島嶼国のはえ縄漁獲が増加しつつある。はえ縄以外では、ニュージーランドのひき縄の漁獲が最も多い。

漁獲の動向
1950年代初めから漁獲が始まり、1960年代までの漁業国は日本、韓国、台湾であった。年間の総漁獲量は1960年から現在まで約2.2万〜8.9万トンの範囲を増減している。2014年の漁獲量は8.2万トンであった。これまで最大であった台湾の漁獲量が減少する一方、中国の漁獲量は2008年から急増し、2014年には2.6万トンで、国別で最大の漁獲量となった。また、近年は島嶼国の漁獲量も急増している。

資源状態
2015年WCPFC科学委員会においてSPCは、資源の現状と管理勧告を以下の通りに報告した。

  1. 南太平洋ビンナガ親魚資源量はMSY及び限界管理基準値を超えておらず、乱獲状態には陥っていないと結論づけられた。
  2. 努力量の更なる増加は長期にわたって漁獲量は増えないことに加えて、漁獲効率の減少をもたらす可能性があることを科学委員会では留意した。
  3. 南太平洋ビンナガ資源の減少は、島嶼国のはえ縄漁業の経済学的状況を衰退させる重要な要素である。また、魚価の低迷は遠洋はえ縄漁業にも影響がある。
  4. 亜熱帯域のはえ縄漁業の漁獲量と努力量の増加が南緯10〜30度の特にはえ縄による成魚の漁獲効率を下げている可能性があることに留意する。
  5. 現在の南太平洋ビンナガ資源は過剰漁獲でもなく、乱獲状態にも陥ってないが、漁業が経済的に存続できる漁獲効率を維持する資源量とするために、SC10同様に引き続きはえ縄漁業による死亡率と漁獲量を減少することを勧告する。

管理方策
2015年のWCPFC科学委員会は、SPCの資源評価結果等を検討し、生物学的な限界管理基準値を下回ることを回避し、経済学的に実現可能な漁獲率を持続するために、はえ縄の努力量と漁獲量を減少することを勧告した。
WCPFCにおいては、南緯20度以南の太平洋でビンナガを目的として操業する漁船隻数を2005年または過去5年間(2000〜2004年)の平均より増加させないことが2005年に合意されており、引き続き踏襲された。

資源評価のまとめ
  • 2015年SPCによってMultifan-CLによって実施。
  • 推定された産卵資源量と漁獲係数は、それぞれ減少傾向と増加傾向。
  • 限界管理基準値は、漁業がないと仮定して資源量の20%とされており、現在は41%。

資源評価のまとめ
  • 南緯20度以南の太平洋でビンナガを目的として操業する漁船隻数を2005年または過去5年間(2000〜2004年)の平均より増加させない。