--- 要約版 ---

68 ニュージーランドスルメイカ・オーストラリアスルメイカ(ニュージーランド海域)

Gould's Flying Squid・Nototodarus sloanii

Gould's Flying SquidNototodarus gouldi


                             PIC
                             ニュージーランドスルメイカ                                                             オーストラリアスルメイカ

[HOME] [詳細版PDF] [要約版PDF] [詳細版html] [戻る]

図3

ニュージーランド海域におけるNZスルメ類2種(ニュージーランドスルメイカNototodarus sloanii及びオーストラリアスルメイカNototodarus gouldi)の分布域(Martin et al. 1985を改変)


図4

ニュージーランド海域におけるNZスルメ類2種の幼イカの分布域(Uozumi and Forch 1995)


図1

NZスルメ類の国別漁獲量(データ:FAO 2014)

図6

ニュージーランド海域における日本のトロール船のCPUE(トン/時間)及びいか釣り漁船のCPUE(トン/日)の経年変化(酒井・若林 2010、西田・若林 2010より)
2002年(2001/2002年)漁期にはいか釣り漁船は出漁しなかった。


図7

ニュージーランドのNZスルメ類の管理海域



ニュージーランドスルメイカ類(ニュージーランド海域)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
5.3〜7.3万トン
平均:6.2万トン(2008〜2012年
我が国の漁獲量
(最近5年間)
761〜1,789トン
平均:1,220トン(2008〜2012年)
最新の資源評価年
次回の資源評価年

管理・関係機関
ニュージーランド政府

最近の動き
当海域で2014年に1隻の我が国いか釣り船が操業した。資源量水準は、1987〜2012年漁期の我が国いか釣り船のCPUEデータから判断すると低位であると考えられる。また、本資源の総漁獲量ベースで見ると、2011年の各国による本資源の総漁獲量は約6.0万トンで2004年以降低迷しており、減少傾向が続いている。

生物学的特性
  • 寿命:1歳
  • 成熟開始年齢:約6〜8か月
  • 産卵期・産卵場:周年;主に冬、ニュージーランド南島南岸および東岸の陸棚上 (ニュージーランドスルメイカ)、南北両島間の西岸陸棚上 (オーストラリアスルメイカ)
  • 索餌場:陸棚上
  • 食性:中深層性魚類、オキアミ類、いわし類
  • 捕食者:海鳥類、アザラシ、さめ類等

利用・用途
いか飯、焼するめ、刺身(塩辛を除く、日本のスルメイカと同様な加工原料)

漁業の特徴
ニュージーランド海域で漁獲されるスルメイカ類の総称“ニュージースルメ”は、ニュージーランドスルメイカとオーストラリアスルメイカの2種を含む。NZスルメ類は1960年代までは未開発であったが、1970年代から我が国による開発が進み、1980年には、釣りトロール両漁法を合わせた我が国の総漁獲量は6万トンを超えるようになった。本資源は、我が国と韓国が漁獲している。しかしながら、1990年代以降、同国政府の規制強化等により、最近年では外国船の入漁は減少している。

漁獲の動向
NZスルメ類は1970年代に我が国により開発されて以降、1980年代には総漁獲量は8万トン前後で推移し、その6〜7割を我が国の漁獲が占めていた。しかし、1990年代以降はニュージーランド政府の規制強化等により、外国船の漁獲量は減少(我が国の漁獲は2割以下に減少)し、ニュージーランドの漁獲が増加している。1990年代以降総漁獲量の年変動は大きく、2004年には14万トンに達したものの、それ以降は減少していた。

資源状態
各国による総漁獲量で見ると、20年間の年平均及び最近5年間の漁獲量はそれぞれ8.3万トン、7.1万トンであることから、本資源は現状では減少傾向にあると示唆される。
いか釣り船のCPUEを見る限り、最近の10年間は各漁船1日あたり3〜11トン前後(平均5.1トン)であり、漁獲成績報告集計による2013年のCPUEは3.1トン/日で低い値であった。1987年から2012年までの我が国いか釣り船のCPUEデータを見て、最大値(2012年)の11.1トン/日と最小値(1990年)の2.2トン/日の間を3分割して上から高位(8.1トン/日以上)、中位(CPUEが5.2〜8.1トン/日)、低位(CPUEが5.2トン/日以下)という基準で評価すると、2013年漁期の資源水準は低位であったと判断できる。

管理方策
ニュージーランド政府は、当初トロール漁業は漁獲量を規制し、いか釣り漁業は努力量(隻数)を規制した。しかし、同じ資源に対する管理方策の統一を行い、現在ではいか釣り漁業にも漁獲量規制を実施している。現在、本資源は北側のSQU 10T、東西のSQU 1JとSQU 1T及び南のオークランド諸島のSQU 6Tの4ストックに個別のTACC(商業漁獲可能量)が決められている。イカ類のような単年性の生物資源ではMSYの推定は不可能で、その必要もなく、また、現状の漁獲規模では将来の加入量や資源量に影響を与えないとの考えから、TACCはここ10年間に大きな変化はなく12.7万トンである。TACCに基づき配分されるITQ(個別譲渡可能漁獲割当量)は、DWG(Deepwater Group Limited)が管理する。なお、南部海域のオークランド諸島のSQU 6Tストックは、トロール船によるニュージーランドアシカの混獲数の限度頭数を2006年以降68〜113頭と毎年設定している。

資源管理方策まとめ
  • 4つのストックについてTACCを決定。
  • ITQはDWGが管理。
  • 鰭脚類のトロール船による混獲を規制。