--- 要約版 ---

67 アメリカオオアカイカ 東部太平洋

Jumbo Flying Squid

Dosidicus gigas

                                                                            
PIC

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図3

アメリカオオアカイカの成長(酒井・若林 2010)


図2

アメリカオオアカイカの分布図


図1

アメリカオオアカイカの国別漁獲量(データ:FAO 2014)


図6

アメリカオオアカイカの分布と主な海流
紫■の範囲はかつて報告されていた本種の分布範囲、赤■は最近年に分布拡大したと思われる範囲、青■は主漁場。


図10

日本のいか釣り漁船によるペルー海域(200海里内)におけるアメリカオオアカイカCPUE(トン/日/隻)の月別変化及び南方振動指数の月別変動



アメリカオオアカイカ(東部太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 高位
資源動向 安定
世界の漁獲量
(最近5年間)
64.3〜95.1万トン(全域)
平均:84.2万トン(2008〜2012年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
0.1〜2.7万トン(ペルー海域)
平均:1.4万トン(2008〜2012年)
最新の資源評価年
次回の資源評価年

管理・関係機関
ペルー政府(ペルー200海里内)
チリ政府(チリ200海里内)
メキシコ政府(メキシコ200海里内)

最近の動き
FAO漁獲統計によると、2012年のアメリカオオアカイカ漁獲量は95.1万トンとなり、本種漁業が始まってから最も高い漁獲量を更新し、頭足類の中で最大の漁獲量を維持した。そのうち、ペルーとチリがそれぞれ49.7万トンと14.5万トンの漁獲を揚げた。さらに、特筆すべきことは、ペルー沖公海での中国の漁獲量が26.1万トンに達したことである。本種は近年の世界的な需要の高まりから国際原料となり、主要沿岸国のペルーは、2011年から本種の漁業管理規則と入漁許可に関して価格競争入札を導入することを決定した。しかし、現時点まで入札等に係る制度が確立せず、2012年1月以降、日本漁船は当該水域での操業ができない状態となっている。このため、メキシコ海域やエクアドル海域での操業が模索されている。

生物学的特性
  • 寿命:1歳(中型)
  • 成熟開始年齢:約4〜5か月(中型)
  • 産卵期・産卵場:周年、カリフォルニア〜チリ沖の湧昇域
  • 索餌期・索餌場:周年、カリフォルニア〜チリ沖の湧昇域
  • 食性:プランクトン、魚類、いか類(共食い)
  • 捕食者:キハダ、いるか類、マッコウクジラ等

利用・用途
味噌漬・もろみ漬け、塩辛、さきいか、燻製、天ぷら・フライ、カップ麺用のフリーズドライ、イカリング

漁業の特徴
我が国は、1989年頃からメキシコ200海里(EEZ)内で釣り操業を開始した。その後、ペルーEEZ内で高密群が発見され、1990年から漁船40隻余りが出漁し、4〜8万トンを漁獲した。その後ペルー海域は1996年からペルー海域は不漁となったが、コスタリカ沖で新漁場が開拓された。2002年以降、我が国は主としてペルー海域で操業してきた。主な漁業国は、ペルー、チリ、メキシコなどで、沿岸の零細漁民による日帰りの手釣り漁業が発展している。近年はペルー沖やチリ沖の公海において、中国船を主体とする外国いか釣り漁船による漁獲が急増している。

漁業資源の動向
全世界のアメリカオオアカイカ漁獲量は1990〜1992年にかけて、約3〜12万トンに急増し、その後1998年を除き、2001年まで14〜30万トンを維持した。その後、2002・2003年に約40万トンに増加し、2004年以降、多少の変動はあるものの総漁獲量は約80万トン前後で高い漁獲量が維持されている。2012年には95.1万トンに達し、本種資源を漁獲し始めてから最大の漁獲量を更新した。これは、いか・たこ類の単一種で世界一の漁獲量となっている。

資源状態
ペルー海域では1991〜1995年は好漁であったが、1996〜1997年にかけてCPUEが減少した。前者の漁期は、エル・ニーニョ傾向の温暖期で、後者の漁期はラ・ニーニャ傾向の寒冷期であった。このため、1996年漁期の不漁の原因として、海況(ラ・ニーニャ現象)と乱獲の両方の可能性が考えられた。1997/1998年には大規模エル・ニーニョが発生したものの好漁にはならず、引き続き不漁であった。2000年以降は好漁に転じ、資源水準は高い値で推移している。日本漁船のペルーEEZ内での操業によるCPUEの変動を見ると、一時的に2007〜2008年にかけて減少が見られたが、2000年以降では月ごとの変動をしながらも比較的高い値で推移してきた。2010年から日本漁船およびペルー沿岸零細の釣り漁業のCPUEの減少が観察されたが、2011年中頃からCPUE水準は回復し、2012年1月以降にさらに増加して資源は高位となった。ペルー沖公海においては資源水準の情報は少ないが、日本と同様に2011年以降、ペルー200海里内での操業ができなくなった台湾の報告によると、本資源の豊度は2005年以降減少傾向にあるとしている。

管理方策
  • ペルーEEZ内(ペルー政府):プロダクションモデルによって算定されたMSYを基に漁獲割当を決定する。外国漁船の80海里までの入漁制限(2011年)、これまで許可されていなかった自国中型いか釣り船操業許可の検討中(2014年)
  • チリEEZ内(チリ政府):チリ中央部の第15州から第12州までの海域において、大規模漁業と零細漁業とに分けて、漁獲割当(Quota)を決定している。
  • メキシコEEZ内(メキシコ政府):詳細不明

資源管理方策まとめ
  • 2012年のペルーEEZ内における漁獲割当は50万トンであるが、外国漁船への入漁許可が出されていない。