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05 大西洋クロマグロ 東大西洋

Atlantic Bluefin Tuna

Thunnus thynnus

                                                           
PIC

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最近の動き

2013年の大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)への報告漁獲量は約13,300トンであった。ICCATでは2014年9月に資源評価を更新した。この更新では、数理モデルへの入力データに最近2年分の漁獲情報・資源指数を追加するにとどめ、モデルの詳細は前回(2012年)の資源評価での設定を踏襲した。その結果、親魚資源量は1970年代から2000年半ばまで減少し続けた後、近年は急激な増加傾向に転じたと推定された。ただし、推定された親魚資源量の増加速度や量には高い不確実性があると考えられている。近年(2011〜2013年)の親魚資源量は過去最大時(1957〜1959年)の約175%(実際の漁獲量が公式報告漁獲量よりも多い場合は190%)であった。これらを踏まえ、2022年までに60%以上の確率でMSYを達成するとの管理目標に対し、現行の資源評価では定量的に評価しきれていない不確実性が含まれている懸念はあるものの、最も予防的なMSY程度の漁獲量(約2.3万トン)までであれば回復目標を達成可能と勧告した。この科学委員会(SCRS)の管理勧告を踏まえ委員会は、SCRSでの毎年の資源評価指数による判断を条件づけた上で、総漁獲量(TAC)を2015年に16,142トン(日本枠は1,345トン)、2016年に19,296トン(1,608トン)、2017年に23,155トン(1,931トン)にすると決定した。なお次回の資源評価は、2016年に東西系群の混合も考慮した新たなモデルを開発して実施する予定である。


利用・用途

ほぼ、全てが刺身やすし用途に用いられている。ヨーロッパでは、卵巣の塩漬け(からすみ)や背肉の塩漬けとしても利用される。


図1

図1. 大西洋クロマグロ(東系群)の漁法別海域別公式漁獲量の推移(1950〜2013年)(ICCAT 2014a,b)
漁獲量には投棄分も含まれる。


表1

表1. 大西洋クロマグロ(東系群)の各年齢時体長(cm)と体重(kg)


図2

図2. 大西洋クロマグロ(東系群)の年齢あたりの体長と体重


図3

図3. 大西洋クロマグロの分布域(赤)と主要漁場(青)、産卵場(黄)
縦太線は東西の系群の境界。索餌場は産卵場を除く分布域。


図4

図4. 大西洋クロマグロ(東系群)の親魚資源量の経年変化
赤は公式に報告された漁獲量を用いた場合、青は1998〜2007年の実際の漁獲が公式に報告された漁獲よりも多かった場合(ICCAT 2014a,b)


図5

図5. 大西洋クロマグロ(東系群)の加入尾数(1歳魚)の経年変化
赤は公式に報告された漁獲量を用いた場合、青は1998〜2007年の実際の漁獲が公式に報告された漁獲よりも多かった場合(ICCAT 2014a,b)


図6

図6. 大西洋クロマグロ(東系群)の2〜5歳(左図)及び10歳以上(右図)の漁獲死亡率
赤は公式に報告された漁獲量を用いた場合、青は1998〜2007年の実際の漁獲が公式に報告された漁獲よりも多かった場合(ICCAT 2014a,b)


附表1

附表1. 大西洋クロマグロ(東系群)の海域別・漁法別漁獲量(2003〜2013年、ICCAT 2014a,b)(単位:トン)漁獲量には投棄分も含まれる。


附表2

附表2. 大西洋クロマグロ(東系群)の海域別・国別漁獲量(2003〜2013年、ICCAT 2014a,b)
0は、0.5トン未満を表し、空欄は、未報告であることを表す。漁獲量には投棄分も含まれる。


漁業の概要

主な漁業国はスペイン、フランス、日本、イタリア、モロッコ、チュニジア及びトルコである。日本の漁獲は全てはえ縄による。スペインは定置網と釣り漁業とまき網、フランスは地中海でまき網、イタリアはまき網で漁獲する。東大西洋(ビスケー湾、Santiago et al. 2014)と地中海(Fromentin 2004)では小型魚(2〜5歳)の漁獲が知られているが、特に地中海における過去のまき網漁獲量統計値の精度には疑問がある(ICCAT 2009a)。

遺跡の発掘調査からは、紀元前7000年から地中海においてクロマグロが獲られていたことが明らかになっている(Desse and Desse-Berst 1994)。フェニキア人、その後、ローマ人によって西地中海一帯でクロマグロの漁獲が行われた(Doumenge 1998、Farrugio 1981、Mather et al. 1995)。この時代の主な漁法は手釣りと様々な種類の地引き網であった。クロマグロ漁業は中世に至っても盛んに行われていた。16世紀頃には、地引き網が次第に定置網に置き換わっていった(Doumenge 1998、Ravier and Fromentin 2001)。定置網では、およそ3000年から4000年前よりクロマグロの漁獲が行われており(Fromentin et al. 2000)、17世紀以降、過去数世紀にわたって1.5万トンから2万トンの漁獲があった(Fromentin 1999)。

ICCATの公式漁獲統計によれば、1950年から1965年には、主に東大西洋における定置網やまき網で年間3万トン前後の漁獲が行われた。地中海におけるまき網やはえ縄などの漁業は、1960年代に開始された。北東大西洋における主な漁業は、はえ縄、定置網、釣り漁業であり(図1、付表1)、地中海における主な漁業は、まき網及びはえ縄である。地中海においては、まき網の漁獲が全体の6割から8割を占めている。

大西洋におけるクロマグロを対象とした日本のはえ縄漁業は、カリブ海からブラジル沖の熱帯域で1963年頃から開始され、年間数万トンを漁獲していたが、数年でその漁場は消滅した。この漁場に分布していた魚群が大西洋の東西どちらの系群に属していたかは不明であるが、現在の水域区分では主に西大西洋であった。その後は地中海及びジブラルタル海峡付近が主要な漁場となった。漁期は地中海が4〜7月(6月は禁漁)、ジブラルタル海峡付近では3〜6月である。1990年以降、冬季の西経35〜45度、北緯35度以北(北大西洋中央部)の新漁場が開発された。さらに1998年以降アイスランドやフェロー諸島付近に8〜11月にかけて漁場が形成され、年間千トンを超える漁獲が記録されている。

地中海西部(スペイン、モロッコ)の定置網では3〜7月、フランスのまき網では6〜9月、イタリアの各種漁業では6〜9月が盛漁期である。トルコでは10〜2月、チュニジアでは1〜5月がまき網の盛漁期となっている。なお、まき網の漁期は5月26日〜6月24日に制限される。

公式報告漁獲量は1990年代以降、1996年の約5万トンまで急増し、それ以降ICCATが設定したTAC(2〜3.6万トン)前後で近年まで推移してきた。増減の大部分は地中海での漁獲によるものである。しかしながら2008年にSCRSは、公式報告漁獲量には深刻な過少報告が存在することを指摘し、漁獲量規制が遵守されずに漁獲量が報告されない状況が、クロマグロ資源に明白な悪影響を及ぼすと警告した(ICCAT 2009a)。このため2008年以降のSCRSでは、公式報告漁獲量が正しかった場合と、1998〜2007年の実際の漁獲量が公式報告漁獲量よりも多い場合による計算結果から資源状態を検討している。なおSCRSでは、2008年以降の漁獲量はより正確な報告がなされているとの前提のもと、公式報告漁獲量を資源評価に用いている。2012年及び2013年の公式報告漁獲量は10,852トン、13,333トンであった(ICCAT 2014)。

実際の漁獲量が公式報告漁獲量よりも多い場合について、地中海で操業する漁船数とCPUEに基づいてSCRSが推定した漁獲量は、1998〜2006年には約5万トン、2007年には約6.1万トン(報告された漁獲量は3.5万トン)であった。2009年のSCRSでは、更に詳細なデータを用いて漁獲量の推定が行われた。新たに入手可能になったデータには貿易統計、登録漁船の名簿、漁船からの毎週の漁獲報告、蓄養生け簀の登録情報、VMSのデータが含まれていた。それによれば、2008年の漁獲量について、公式に報告された値が23,868トンであった(図1)のに対して、こうした様々なデータを利用した最も確からしい推定値は25,760トンであり、漁船の潜在的な漁獲能力からの最大推定値でも34,120トンであった。一方、2008年の漁獲量を、2007年漁獲量推定に用いた同じ方法で推定した場合には約68,600トンにもなった。SCRSは、これをもって2008年に自身が行った約6.1万トンの2007年の推定漁獲量が過大なものであったとは明言を避けているが、暗にその可能性を示唆している(ICCAT 2010)。


生物学的特徴

年齢は背鰭棘の輪紋から推定されており、大西洋クロマグロ西系群と同様に、成長につれて雄が雌より大きくなる。成長式と体長(尾叉長)体重関係式は以下のとおりである(東大西洋:Rey and Cort 未発表、地中海:Arenas 未発表、表1)。
      Lt=318.85 (1-e-0.093(t+0.97))     (Cort 1991)
        体重=0.0000295体長2.898958     (<101cm)
      体重=0.000019607体長3.0092     (>100cm)

なお、近年のデータを含めて体長体重関係が再推定され、以下の関係式を将来の資源評価に用いることが合意された。

      体重=0.0000315551体長2.898454     (Rodriguez-Marin and Ortiz 2014)

最大体長は約3.5 m、寿命は25〜30歳である。各年齢時の体長及び体重は、1歳で53 cm(3 kg)、3歳で98 cm(18〜19 kg)、5歳で136 cm(45〜51 kg)、10歳で204 cm(146〜176 kg)である(Cort 1991)(図2)。近年、耳石の輪紋分析を用いた本系群の年齢-体長関係の再評価が行われ、従来よりも遅い成長であることが示唆されていた。しかし、これは暫定的結果であることから、資源評価では従来通りの成長式が使用されている。

本種の卵は分離浮性卵で、受精卵の直径は約1 mmである。従来、マジョルカ島からシチリア島にかけての地中海で、6〜8月に産卵すると考えられてきたが、近年、東地中海でも本種の卵稚仔の分布が確認されていることから、より広範囲に産卵場が形成されているものと考えられる。全ての雌が産卵を開始する年齢は5歳(130 cm)であると考えられており、これは大西洋クロマグロ西系群に比べてかなり若い。産卵数は尾叉長200〜250 cmの成魚で2,000〜3,800万粒と報告されている。

卵は分離浮性卵で、受精卵の直径は約1 mmである。産卵場はマジョルカ島からシチリア島にかけての地中海で、産卵期は6〜8月である。近年、東地中海でも卵稚仔が確認されており、従来考えられていたよりも広い範囲で産卵が行われているものと思われる。全ての雌が産卵を開始する年齢は5歳(130 cm)と、大西洋クロマグロ西系群に比べてかなり若い。産卵数は尾叉長200〜250 cmの成魚で2,000〜3,800万粒と報告されている。

主な分布域は北緯30〜45度の海域で、他のまぐろ類に比べて沿岸にも来遊する(図3)。地中海で孵化した稚魚は索餌水域を目指して移動を始め、地中海に広く分散する。一部はジブラルタル海峡を経てビスケー湾などの東大西洋に回遊する。ビスケー湾からは西大西洋の北米沖へ移動した例が通常型の標識放流結果から示されている。

現在まで20年以上にわたり、大西洋クロマグロは西経45度線で東西2つの区域の別系群として分けて管理されてきた。しかし、1990年代以降に行われた通常標識や電子標識の放流再捕結果から、東西系群は北大西洋において混合して広く回遊を行うことが示された(Block et al. 2005)。また、ポリ塩化ビフェニル(PCB)を指標として用い、地中海生まれの東系群は2〜3歳までに米国東岸へ回遊することが報告されている(Dickhut et al. 2009)。さらに、耳石中心部分の酸素安定同位体比を用いた最近の研究(Carlsson et al. 2007、Boustany et al. 2007)によると、地中海で漁獲された大型のクロマグロのほぼ全ては東系群であった一方、西系群の漁場とされる米国東岸沖の索餌場で漁獲された未成魚(69〜119 cm)の62%は地中海生まれの東系群であり、大型魚(>250 cm)はほぼ全てがメキシコ湾生まれの西系群であったことが報告されている(ICCAT 2011)。2012年に発表された研究では、標本数が限定的ではあるが、西大西洋での漁獲物(2〜6歳魚)に占める西系群の割合が年々低下していることが示された(Secor et al. 2012)。これらの結果は、西大西洋での漁獲物には東系群の魚が含まれている可能性を示唆しており、西経45度で東西2つの系群に分けて管理する方法の妥当性に疑問を呈している。

本種の胃内容物には魚類や甲殻類、頭足類等幅広い生物が見られ、特定の餌料に対する嗜好性はないようである(Ortiz de Zarate and Cort 1986、Eggleston and Bochenek 1990、Uotani et al. 1990)。仔稚魚期には、魚類に限らず多くの外敵がいるものと思われるが、あまり情報は得られていない。遊泳力がついた後も、まぐろ類を含む魚食性の大型浮魚類により捕食されるが、50 cm以上に成長すると、外敵は大型のかじき類、さめ類、歯鯨類等に限られるものと思われる。


資源状態

本系群の資源評価は、ICCATのSCRSにおいて、加盟国の研究者の共同作業で実施される。前述のとおり、近年の標識放流や耳石中心部分の酸素安定同位体比の研究結果は、西経45度線で西大西洋(大西洋クロマグロ西系群)と東大西洋・地中海(大西洋クロマグロ東系群)に分けたICCATにおける管理に対する疑問を投げかけているが、漁獲魚をより正確に東西系群に分ける方法が確立されていないため、最新(2014年)の資源評価は従来の西経45度線で東西系群に分けるやり方を踏襲している。

SCRSは、資源評価で使われている漁獲量、漁業努力量及び漁獲物体長組成データの精度が大幅に改善されない限り、信頼できる資源評価結果を得るのは困難であると委員会に対して報告している。漁獲データが不十分であることは、とりわけ近年の資源状態の推定を困難にしている(ICCAT 2011)。資源評価手法としては、年齢別漁獲尾数を基本データとし、資源量指数をチューニングに用いるADAPT VPAが用いられている。

2014年9月に実施した資源評価では、ADAPT VPAを引き続き使用し、モデルの詳細は前回(2012年)の資源評価での設定を踏襲した。近年2年間のデータを追加して、1950年から2013年までの年齢別漁獲尾数(1〜10+歳)と、はえ縄CPUE等7種類の資源量指数を入力データとし、ICCAT公認プログラムであるVPA-2BOX(Porch 2003)を用いて資源評価を実施した。公式報告漁獲量が正しかった場合と、1998〜2007年の実際の漁獲量が公式報告漁獲量よりも多い場合による計算結果から資源状態を検討した。推定された親魚資源量(4歳以上)、加入量及び漁獲死亡率(2〜5歳及び10歳以上)をそれぞれ、図4〜6に示す(ICCAT 2014a,b)。親魚資源量は1970年代より2000年半ばまで減少し続けた後、近年は急激な増加傾向に転じたと推定された。ただし、推定された親魚資源量の増加速度や量には高い不確実性があると考えられている。公式報告漁獲量が正しかった場合、近年(2011〜2013年)の親魚資源量は過去最大時(1957〜1959年)の約175%(実際の漁獲量が公式報告漁獲量よりも多い場合は190%)であった(図4)。高齢魚の漁獲死亡率は、2000年以降に急増したが、最近年は漁業規制の影響で減少した。また若齢魚の漁獲死亡率は2003年以降に急減し、近年は30 kg未満の小型魚の漁獲制限の影響でさらに減少した。以上の結果は、2012年(前回)に行われた資源評価結果よりも楽観的であり、資源の水準は高位で、資源の動向は増加傾向と評価された。

2010年の資源評価では、資源回復目標(BMSYの代替値)が従来のSSBFMAXからSSBF0.1に引き上げられた。計算上、過去の加入量の推定値に基づき、高(1990年代)・中(1950〜2006年)・低(1970年代)の3段階の加入レベルを仮定したシナリオを検討している。公式報告漁獲量を用いた場合(1998〜2007年の実際の漁獲が公式報告漁獲量よりも多い場合)の推定された2013年の親魚資源量は、SSBF0.1と比較して、1)中加入レベルを仮定した場合は1.10(1.11)倍、2)低加入レベルを仮定した場合は1.60(1.74)倍、3)高加入レベルを仮定した場合は0.67(0.55)倍であった。また、2013年の漁獲死亡係数FはF0.1と比較して0.40(0.36)倍であった。

SCRSは、2022年までの将来予測を、2種類の漁獲量、3種類の加入レベルの仮定を組み合わせた計6シナリオで示した。将来の親魚資源量の推定には、非常に高い不確実性があるものの、漁獲量は最も予防的な3加入シナリオ中最小のMSY(低加入シナリオで約2.3万トン)まで増加可能であると勧告された。


管理方策

2009年に、ICCATは2022年までに60%以上の確率で最適な資源状態に回復させるという計画を決定した(ICCAT 2009b)。2014年のSCRSによる勧告は以下の通りである(ICCAT 2014b)。SCRSは、近年の規制により明らかに漁獲量及び漁獲死亡が減少したこと、最近年の全ての資源量指数が上昇傾向であることを明記した。2022年までに60%以上の確率でSSBF0.1を達成するとの管理目標については、現行の資源評価では、定量的に評価しきれていない不確実性が含まれている懸念があり、将来の資源回復確率を定量的に示すことは困難としながらも、最も予防的なMSY程度の漁獲量(約2.3万トン)までであれば回復目標を達成可能と勧告した。なお、TACを増加する場合は急激な増加を避け、数年(例えば2〜3年)かけるべきであり、委員会は毎年、資源量指標(CPUE等)などに基づくSCRSのアドバイスを受けるべきであると勧告された。

これらの結果に基づき、2014年11月にジェノバ(イタリア)で開催されたICCAT年次会合で、以下の規制が決定された(REC14-04)。TACを2015年に16,142トン(日本枠は1,345トン)、2016年に19,296トン(1,608トン)、2017年に23,155トン(1,931トン)にすると決定した。なお次回の資源評価は、2016年に東西系群の混合も考慮した新たなモデルを開発して実施する予定である。

SCRSがステレオビデオカメラによる蓄養魚活け込み時の体長及び資源量を推定する技術の実用化を強く勧告している(ICCAT 2012, 2013)。これを受けて委員会では、2013年より全ての生簀において活け込み時の尾数及び重量の推定のため、ステレオビデオカメラ、または同等の情報が得られる方法を導入している(ICCAT 2014c [Rec13-07])。

ICCATでは様々な漁業規制を行っている(ICCAT 2014d [Rec.14-04])。禁漁期は、はえ縄については6月1日〜12月31日(ただし、地中海及び東部大西洋の一部(西経10度以西、北緯42度以北、及びノルウェーEEZ内)は2月1日〜7月31日)、まき網は5月26日〜6月24日以外(ノルウェーEEZ内は6月25日〜10月31日以外)とする。また、各国の保存管理措置遵守確保の強化のため、漁業国及び蓄養(養殖)国が活け込み時にクロマグロの尾数及び重量を正確に確認してICCATに報告できない場合、クロマグロを放流することを義務付けしている。この他の規制として、漁獲証明制度、小型魚を保護するため体重30 kg未満の漁獲、陸揚げ、販売の禁止(ビスケー湾の竿釣り、ひき縄、中層トロール、アドリア海の蓄養向けについては体重8 kg未満)、魚群探査のための航空機の利用禁止等がある。


大西洋クロマグロ(東大西洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 高位
資源動向 増加
世界の漁獲量
(最近5年間)
1.0〜2.0万トン
平均:1.3万トン
(2009〜2013年公式報告漁獲量)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
1,089〜1,922トン
平均:1,277トン(2008〜2013年)
管理目標 2022年までに60%以上の確率で親魚資源量をMSYを与えるレベルに回復
資源の状態 SSB2013/SSBF0.1=1.10 [0.55-1.74] *
F2013/F0.1=0.40 [0.36-0.40] *
管理措置 TAC:1.61万トン(日本枠:1,345 トン)(2015年)
地中海まき網禁漁期、東大西洋の一部と地中海はえ縄禁漁期、航空機禁止、蓄養魚管理強化、30 kg未満の小型魚の漁獲、陸揚げ禁止(一部例外あり)、漁獲証明制度
管理機関・関係機関 ICCAT
最新の資源評価年 2014年
次回の資源評価年 2016年
* 代表値は公式報告漁獲量が正しかった場合に、将来の加入量を過去の中位(1950〜2006年)加入レベルと仮定した場合を示し、括弧内は公式報告漁獲量が正しかった場合または1998〜2007年の実際の漁獲量が公式報告漁獲量よりも多い場合に、将来の加入量を3段階の加入レベルを仮定した場合の最小値及び最大値を示す。

執筆者

くろまぐろユニット
みなみまぐろサブユニット 国際水産資源研究所 くろまぐろ資源部 温帯性まぐろグループ

木元 愛・伊藤 智幸


参考文献

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