--- 要約版 ---

70 マジェランアイナメ・ライギョダマシ 南極海

Patagonian Toothfish・Antarctic Toothfish

Dissostichus eleginoidesDissostichus mawsoni

                                                           
PIC1
マジェランアイナメ (Fisher and Hureau 1985)

PIC2
マジェランアイナメ漁獲物 (CCAMLR HP)(C)B. Watkins

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図

CCAMLR水域におけるマジェランアイナメの漁獲量の海域別の年変化(CCAMLR 2012)


図

CCAMLR水域におけるライギョダマシの漁獲量の海域別の年変化(CCAMLR 2012)


図

我が国におけるメロ類の漁獲量の経年変化(SC-CAMLR 2012)


図

メロ類の主棲息深度と漁獲枠設定の単位となる小海区(Subarea/division) 影の部分は、両種の主棲息深度500〜1,800 mの陸棚斜面域。太破線は2種の区分線。 北側域;マジェランアイナメ、南側域;ライギョダマシ(CCAMLR保存管理措置)



マジェランアイナメ・ライギョダマシ(南極海)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位〜中位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
CCAMLR水域1.3〜1.6万トン
平均:1.5万トン
我が国の漁獲量
(最近5年間)
CCAMLR水域200〜355トン
平均:243トン


管理・関係機関
南極海洋生物資源保存委員会(CCAMLR)

最近一年間の動き
2010/11年漁期のCCAMLR水域内のメロ類(マジェランアイナメ及びライギョダマシ)の報告漁獲量は13,220トンと、前年2009/10年漁期と比較して1,298トン減少した。我が国のCCAMLR水域における2010/11年漁期の漁獲量は246トン(マジェランアイナメ41トン、ライギョダマシ205トン)と、前年漁期の355トン(マジェランアイナメ73トン、ライギョダマシ282トン)より大幅に減少した。

生物学的特性
(マジェランアイナメ)
  • 寿命:約50年
  • 成熟開始年齢:6〜9歳
  • 産卵期・産卵場:6〜9月、南極周辺海域の陸棚斜面水域
  • 索餌場:南極周辺海域の陸棚斜面水域
  • 食性:オキアミ類、魚類、イカ類、甲殻類
  • 捕食者:海産哺乳類

利用・用途
冷凍切身、みそ漬けなどの加工品

漁業の特徴
本資源対象の漁業の始まる前、魚類対象のトロール漁業が1970年頃からサウスジョージア水域、ケルゲレン諸島水域で行われていた。その漁場は1977/1978年以降、サウスオークニー諸島水域の高緯度域へ拡大したが、高い漁獲量は長く続かず、1980年代初期に急減した。その後、代替としてメロ類(マジェランアイナメ及びライギョダマシ)を対象とした底はえ縄漁業がサウスジョージア水域、ケルゲレン諸島水域及び南極大陸周辺の陸棚域で始まった。

漁業資源の動向
2010/11年漁期のCCAMLR水域内のメロ類の報告漁獲量は13,220(2009/10年漁期14,518)トンと、前年2009/10年漁期と比較して1,298トン減少した。これまで本漁業資源に対してIUU(違法・無規制・未報告)操業による推定漁獲量が多く、資源状態に悪影響を及ぼしていることが強く懸念され、管理措置上にも大きな問題を抱えていた。そのため、CCAMLRは輸出入に係る規制強化等IUU操業に対し積極的な対策を講じており、IUU操業による推定漁獲量は年々減少傾向にある。しかしながら、海域によっては依然としてIUU操業による大きな被害が続き、正規漁船の操業に深刻な影響を及ぼしている。なお、2010/11年以降はIUU船目視報告の精度が問題視され、IUU操業による漁獲量の推定は行われなくなった。

資源状態
CCAMLR水域全体での資源量調査は行われていないが、本種の主な分布域が陸棚・陸棚斜面域であることから、右下図に示された生息海底深度面積と生物データの組合せで小海区ごとに1〜2年ごとに資源評価が行われている。ただし、日本漁船が主に操業している新規・開発操業域や調査操業域(禁漁域)では十分な資源評価がなされておらず、正確な値は不明である。現在、標識放流調査並びに耳石等生物データの収集の実施が行われており、これらのデータをもとに、近い将来、より正確な資源評価が行われる予定である。

管理方策
CCAMLRの科学委員会の魚類資源評価作業部会が、魚類の資源管理のための科学的検討を行っている。検討方法は海区により異なり、漁獲量とCPUEの動向から判断する場合、標識放流調査から判断する場合、資源動態モデルによるシミュレーションで判断する場合がある。その結果を受けて、CCAMLRが管理措置を決定する。なお、2012/13年漁期の我が国の新規・開発漁業予定の小海区は4つあり、48.6海区で400トン、58.4.1海区で210トン、58.4.2海区で70トン、58.4.3.a海区で32トン、88.1海区で3,283トンの漁獲枠が設定されている。また、禁漁区である58.4.4海区では我が国に漁獲枠50トンの調査漁業が認められている。なお、58.4.3b海区では2009/10漁期以降調査操業に準じた厳しい保存措置のもとで操業を行ってきたが、標識再捕の成果が上がらないことなどから2012/13漁期以降禁漁となった。

資源評価まとめ
  • CCAMLR科学委員会の魚類資源評価作業部会で検討を実施
  • 資源は低位〜中位水準、横ばい

資源管理方策まとめ
  • CCAMLRが毎年の漁獲報告データに応じて、その都度、小海区毎に漁獲制限量を算出
  • 漁獲制限の取り決めのない領海区では禁漁措置