--- 要約版 ---

69 ナンキョクオキアミ 南極海

Antarctic Krill

Euphausia superba

                                                       
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ナンキョクオキアミの漁場(サウスシェトランド、サウスオークニー、サウスジョージア水域が現在の主漁場である)


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海区別のナンキョクオキアミ漁獲量の推移(1972〜2011年)


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48海区における過去10年間の小海区別漁獲量


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CCAMLRの統計海区



ナンキョクオキアミ(南極海)の資源の現況(要約表)

資源水準 高位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
12.6〜21.2万トン
平均:16.6万トン
我が国の漁獲量
(最近5年間)
1.6〜3.9万トン
平均:2.5万トン


管理・関係機関
南極海洋生物資源保存委員会(CCAMLR)

最近一年間の動き
2010/11漁期及び2011/12漁期のナンキョクオキアミ総漁獲量は、世界合計でそれぞれ180,992トン及び156,289トン、日本単独ではそれぞれ26,390トン及び16,258トンであった。2010/11漁期はサウスシェトランド水域(FAO統計海区48.1小海区)が多くの氷に覆われたため、サウスオークニー水域(48.2小海区)中心の操業となった。サウスオークニー水域での漁獲量は全漁獲量の64%を占めた。2011/12漁期は、サウスシェトランド水域(48.1小海区)とサウスジョージア水域(48.3小海域)中心の操業となり、全漁獲量のそれぞれ、48%と37%を占めた。日本は本漁期終了後、約40年間に及ぶオキアミ漁業から撤退した。ナンキョクオキアミの資源量は2000年の一斉音響調査に基づき推定される。2010年にパラメータの見直しと再計算が行われた結果、48海区の資源量は2007年の推定値4,429万トン(変動係数11.4%)から6,030万トン(変動係数12.8%)に上方修正され、予防的漁獲制限量も347万トンから561万トンに改訂された。小海区単位のトリガーレベル分割は3年間延長され、その間にフィードバック管理方策の導入が検討される。

生物学的特性
  • 寿命:5〜7歳
  • 成熟開始年齢:雌2歳、雄3歳
  • 産卵期・産卵場:12〜3月、南極海の陸棚、陸棚斜面水域
  • 索餌期・索餌場:主に夏季・南極大陸寄りの南極表層水域
  • 食性:夏)植物プランクトン 冬)動物プランクトン・アイスアルジー・デトライタス
  • 捕食者:海産哺乳類、海鳥類、魚類、いか類等

利用・用途
飼料、釣餌、食品、薬品等

漁業の特徴
世界のナンキョクオキアミ漁業は、1972/73漁期に旧ソ連が7,400トンを漁獲したことに始まる。その後日本、ポーランド等が参入し、1981/82漁期に50万トンを超えて最大漁獲量に達した。1986/87漁期から1990/91漁期までの年間漁獲量は35万〜40万トンで安定していたが、1992/93漁期には旧ソ連体制の崩壊によってロシア漁船の採算が取れなくなり8万トン台へ急落した。1992/93漁期以降の年間漁獲量は13万トン前後で推移していたが、2010/11漁期には21.26万トンに若干増加した。2010/11漁期の主要な漁業国は、1位ノルウェー(3隻10.2万トン)、2位韓国(3隻2.9万トン)、3位日本(1隻2.6万トン)である。そのほか中国、ポーランド、チリが操業した。このうち2005/06漁期に新規参入したノルウェーは、コッドエンドにフィッシュポンプを取り付けた連続操業可能なトロール漁具を装備した大型船を導入するなどして、急速に漁獲量を拡大している。また、中国は2009/10年に初めて1隻が操業し2千トンを漁獲したが、2010/11漁期には5隻が操業し1.6万トンを漁獲した。日本の漁獲量は近年2万〜4万トンで安定している。近年、南極半島周辺でも冬季に海氷に覆われない状況が発生し、夏季中心の操業から冬季を中心とした操業に変わりつつある。

漁業資源の動向
現在は南極半島周辺(48海区)のサウスシェトランド水域、サウスオークニー水域、及びサウスジョージア水域が実質的な漁場である。2009/10漁期はサウスシェトランド水域が主漁場となり、当該水域では過去最大の漁獲量(153,262トン)を記録し、小海区単位に分割されたトリガーレベル(新たな管理措置への移行基準となる漁獲量上限)に近づいたため、2010年10月10日に48.1小海区は閉鎖された。2011/12漁期はサウスシェトランド水域とサウスジョージア水域中心の操業となった。

資源状態
1981年に行われたFIBEX国際共同バイオマス調査では、48海区の資源量は当初1,510万トン、修正値3,540万トンと推定された。2000年に日本、英国、米国、ロシアが行ったCCAMLR-2000一斉調査では48海区のナンキョクオキアミ資源量は当初4,429万トン(変動係数11.4%)、修正値3,729万トン(変動係数20.86%)と推定されていたが、2010年の再計算により6,030万トン(変動係数12.8%)に上方修正された。これに伴い、予防的漁獲制限量は347万トンから561万トンに改訂された。主要漁場である48海区における近年の世界のナンキョクオキアミ漁獲量は、総資源量の0.3%に過ぎず、資源水準は高位、資源動向は横ばいと判断される。しかし、地球温暖化などの環境変動により資源が予想外の急激な変化を示す可能性もある。

管理方策
CCAMLRは条約水域を海区に区分し、海区ごとに保存管理措置を決定する。2010年に48海区の予防的漁獲制限量は561万トンに改訂されたが、国別に漁獲枠が設けられることはない。ナンキョクオキアミ資源自体は高いレベルにあるが、漁獲の局所的集中によりペンギン、オットセイ等の捕食者に悪影響が及ぶことを懸念し、新たな管理措置の導入を検討中である。48海区全体に対して62万トンに設定されていた新管理措置への移行基準(トリガーレベル)を小海区ごとに分割することが2009年の年次会合において決まり、2011年の年次会合で3年間延長された。各小海区への割当量は48.1小海区15.5万トン、48.2及び48.3小海区27.9万トン、48.4小海区9.3万トンだが、全体の合計は62万トンを超えることはできない。当面これが実質的な許容漁獲量になる。過去2年の漁場形成は平年と異なる時空間パターンを示し、年変動も大きいことから、漁船を通じた科学データ収集や対照区や実験区の導入を含むフィードバック管理の導入が検討されている。

資源評価まとめ
  • 音響調査に基づき主漁場である48海区の総資源量は6,030万トンと推定され、資源は高水準にある。漁獲の集中による局所的枯渇がペンギンやオットセイなどの捕食者に及ぼす影響や地球温暖化による変動が懸念されている。

資源管理方策まとめ
  • CCAMLR保存管理措置による海区毎の予防的漁獲制限量は48海区561万トン、58.4.1海区44万トン及び58.4.2海区264.5万トン。
  • 2009年に導入された48海区の小海区別トリガーレベルは48.1小海区15.5万トン、48.2及び48.3小海区27.9万トン、48.4小海区9.3万トン(全体の合計は62万トン)で、当面これが実質的な許容漁獲量となる。