--- 要約版 ---

66 アルゼンチンマツイカ 南西大西洋

Argentine Shortfin Squid

Illex argentinus

                                                                       
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図

"夏季産卵系群"の雌の成長曲線
各点は生まれ月及び幼稚仔期(◇)を示す(Brunetti et al. 1998aより)


図

アルゼンチンマツイカの分布図


図

各国のアルゼンチンマツイカ漁獲量の変遷(1981〜2010年)(データ:FAO 2012より)


図

日本のいか釣船のCPUE(トン/日)の経年変化とアルゼンチン調査船による秋冬生まれ群(南パタゴニア系群)の加入量(トン)の経年変化


図

アルゼンチンEEZとフォークランドFICZ内での漁獲量と総漁獲量の変遷


図

本種の季節発生群(系群)と南緯44度を境とした資源分割管理



アルゼンチンマツイカ(南西大西洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 増加
世界の漁獲量
(最近の5年間)
19.2〜95.5万トン
平均:59.0万トン (2006〜2010年)
我が国の漁獲量
(最近の5年間)
0〜1.0万トン
平均:0.2万トン (2006〜2010年)


管理・関係機関
英国及びアルゼンチンの二国間のSAFC(South Atlantic Fisheries Commission、南大西洋漁業委員会)

最近一年間の動き
2012年漁期における我が国いか釣り船は、2007年からの南西大西洋からの完全撤退によって、引き続きアルゼンチンEEZ内、公海及びフォークランドFICZ海域(暫定保護海域)への入漁はなかった。2004年には枯渇寸前にまで資源は減少したが、2005年から急速に回復に向かった。同海域への日本漁船の入漁はなかったが、2008年はアルゼンチンEEZ及びフォークランドFICZ海域内での漁獲量は30万トンを超え、前年に引き続き豊漁となったが、2009年漁期には前兆なしに資源水準が急激に悪化し、7.1万トンにまで激減した。2010年以降漁獲量はわずかに増加しているものの、依然水準は低位である。

生物学的特性
  • 寿命:1歳
  • 成熟開始年齢:約8〜12か月
  • 産卵期・産卵場:1年中;主に秋から冬、アルゼンチン沖大陸棚斜面域
  • 索餌場:アルゼンチン沖大陸棚上
  • 食性:中深層性魚類、オキアミ類、端脚類
  • 捕食者:メルルーサ(幼イカ期)、海鳥など

利用・用途
するめ、塩辛、まぐろはえ縄の餌等

漁業の特徴
主要な漁業国は、アルゼンチン、台湾、中国、韓国等である。1970年代に沿岸国のアルゼンチン等によって年間数千トンが漁獲されていたが、1980年代に入りポーランド、日本等の遠洋漁業国のトロール船による本格的な操業が開始された。1980年代の半ばに日本、台湾及び韓国のいか釣り船が操業を開始した。現在でもいか釣り漁船による漁獲がほとんどである。本種の盛漁期は南半球の夏から秋(2〜6月)で、漁場は季節とともに南北に移動する。

漁業資源の動向
1980年代後半から総漁獲量は増加し、100万トンに達するような年を除くと、近年まで50〜70万トン前後で安定していた。日本の漁獲量は、1990年代は約10万トンで安定する一方、沿岸国のアルゼンチンの漁獲量は急増を始め30〜40万トンに達した。2004年には総漁獲量は約18万トンに低下したが、2006年に急増し、それ以降、資源は高水準を保ち公海を除くアルゼンチンEEZ及びフォークランドFICZ内での漁獲量は約30万トンを超えた。2009年に再び漁獲量は激減(7.1万トン)したが、2010年以降はやや増加傾向にある。日本は2007年からのいか釣船の完全撤退により、2012年も漁獲はなかった。

資源状態
1994年から1996年にかけて低水準となったが、その後、資源水準は回復に転じ、1999年にピークに達した。しかし、翌年には再び資源量は急激に減少し、2004年には資源は枯渇の危機に瀕した。2006年から徐々に加入量は増加を始め、2007年、2008年ともに再生産関係は親イカ量及び翌年加入量ともに高い水準域にあったが、2009年に一転して資源水準は急激に低下し、加入量は前年の13%まで落ち込んだ。1993〜2011年の19年間のアルゼンチンEEZ及びフォークランドFICZ内での漁獲量の範囲から判断すると、2012年の漁獲量15.8万トンは、依然低水準である。

管理方策
本資源の大部分はアルゼンチンEEZ 内及びフォークランドFICZ海域内に分布し、管理上は便宜的に南緯44度線で区切って、南方資源と北方資源に分けて異なる管理方策をとっている。北方資源(南緯44度線より北)は、実質アルゼンチンのみが管理し、入漁隻数制限と漁期制限(5月1日〜8月31日)による努力量管理方策を実施している。一方、南方資源は、SAFCに基づき英ア二国が共同で、入漁隻数制限と解禁日(2月1日)制限による努力量管理のほかに、再生産管理を実施している。再生産管理とは、本種が単年性(年魚)であり、世代が重複することがないことから、ある年の資源はすべて前年の産卵親イカから生まれてくる再生産関係がある程度成立すると仮定し、来漁期の資源に回す親を一定量確保する施策である。南方資源では相対逃避率(目標値40%)に加え、絶対逃避量(4万トン)を設定し、漁獲量を管理している。

資源評価まとめ
  • 南方資源の評価機関はSAFCが実施
  • 漁期前の着底トロールによる生物量調査及びLeslie-DeLury法により評価
  • 資源水準は低位で増加

資源管理方策まとめ
  • 南北資源ともに基本的には努力量管理方策維持
  • 南方資源は、相対逃避率40%及び絶対逃避量4万トンを設定
  • 前年の漁獲実績による入漁隻数の制限
  • 解禁日と禁漁期(終漁日)の設定