--- 要約版 ---

60 スケトウダラ ベーリング公海

Walleye Pollock

Theragra chalcogramma

                                                       
PIC
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図1

本資源の分布域(赤)、産卵場(黄)及び漁場(青)


図2

アリューシャン海盆の中層性スケトウダラの分布域(緑)と想定される回遊経路略図


図3

アリューシャン海盆スケトウダラ(雌)にみられる年齢・体長関係の経年変化


図4

条約特定水域における日米調査船調査による中層性スケトウダラの現存量(親魚量)推定値(単位:百万トン)
図

ベーリング公海でのスケトウダラの国別漁獲量


図5

条約特定水域で米国調査により捕捉された7歳魚加入尾数
(1988年以前の加入尾数は生残率から逆算された推定値を使用;赤は漁獲減耗)



スケトウダラ(ベーリング公海)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
0 (漁業停止)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
0 (漁業停止)


管理・関係機関
中央ベーリング海におけるすけとうだら資源の保存及び管理に関する条約(CCBSP)

最近一年間の動き
本資源を管理する中央ベーリング海におけるすけとうだら資源の保存及び管理に関する条約の締約国年次会議と科学技術委員会が2012年9〜12月にインターネット上で開催された。この中で、資源は依然として低水準と判断され、これまでに引き続き漁業停止を継続することとなった。

生物学的特性
  • 寿命:10歳以上
  • 成熟開始年齢:4〜5歳
  • 産卵期・産卵場:3月、アリューシャン海盆南東部
  • 索餌場:アリューシャン海盆
  • 食性:橈脚類、おきあみ類、魚類等
  • 捕食者:海鳥、魚類、海産哺乳類等(幼魚期)、海産哺乳類等(成魚期)

利用・用途
主にすり身原料やたらことして利用される

漁業の特徴
1980年代半ば、200海里体制が確立され、我が国の北洋底魚漁業がベーリング海大陸棚漁場を失いつつあったころ、アリューシャン海盆に生息する本種資源が対象の中層トロール漁業が開発された。漁場はベーリング海中央部の公海域に設定された。海盆域には成魚のみが分布することから、未成魚は周辺の大陸棚海域で生活していると考えられる。

漁業資源の動向
本資源の漁獲量は1985年から急増し、1989年には日本、韓国、ポーランド及び中国により140万トンを超した。しかし、1989年をピークに漁獲量は激減し、1992年には1万トンまで落ち込んだ。日本を含む漁業国は、1993年にこの公海漁業を自主的に停止し、1995年以降もCCBSPによる措置に基づき停止が続いている。

資源状態
1980年代後半に200万トンを超した特定水域現存量は、1990年代に入り激減し、1994年には50万トンを下回り、以降、近年まで低位水準が続いている。日米の調査による現存量推定値は2000年以降30万トンと見積もられ、2012年の米国調査による推定値は過去最低の6.7万トンであった。条約の規定に従い特定海域に60%が分布と仮定すると海盆全域の推定資源量はおよそ11万トンとなった。この資源量は、漁業の全盛期であった1980年代後半の推定値の35分の1以下の低水準となっている。

管理方策
本資源は、国際条約により管理されている。特定水域の調査結果からABCを決定し、加盟国が合意した漁獲可能水準(AHL;Acceptable Harvest Level)が得られる場合にはこれを採用する。しかし、合意に至らない場合、漁業再開のためには1990年代初頭の水準に達することが必要であるとの考え方から、海盆スケトウダラの資源量が167万トンを越すことが必要とされる(特定水域の現存量はその60%の100万トン)。この場合のAHLは条約附属書により設定されている。

資源評価まとめ
  • 資源評価は中央ベーリング海におけるすけとうだら資源の保存及び管理に関する条約において実施
  • 特定水域資源調査によるモニタリング
  • 資源水準は低位で、動向は横ばい

資源管理方策まとめ
  • 中央ベーリング海におけるすけとうだら資源の保存及び管理に関する条約の締約国年次会議では、資源回復の兆候がみられないため、AHLが0の漁業停止状態が1993年以降継続している。