--- 要約版 ---

58 サケ(シロザケ) 日本系

Chum Salmon

Oncorhynchus keta

                                                                          
PIC

[HOME] [詳細版PDF] [要約版PDF] [詳細版html] [戻る]
図

日本系サケの分布(黄色:産卵地域、青色:漁場海域、赤色:分布海域、緑色:索餌(夏季)海域)


図

北太平洋におけるサケ未成魚の7月における平均尾叉長(Ishida et al. 1998)


図

8〜9月における日本系サケ未成魚の海洋分布。遺伝的系群識別により推定されたCPUE(トロール網1時間曳きあたりの採集個体数)(Urawa et al. 2009)。


図

サケの来遊数(沿岸漁獲と河川捕獲の合計)と放流数


図

日本各地域におけるサケの回帰率の推移


図

夏季ベーリング海におけるサケの年齢別CPUE(トロール網1時間曳きあたりの採集個体数)(Sato et al. 2012)



サケ(シロザケ)(日本系)の資源の現況(要約表)

資源水準 高位
資源動向 変動
世界の漁獲量
(最近5年間)
-
我が国の漁獲量
(最近5年間)
暦年漁獲重量:13〜20万トン
平均:16.9万トン


管理・関係機関
北太平洋溯河性魚類委員会(NPAFC)
日ロ漁業合同委員会

最近一年間の動き
2011年度漁期のサケの沿岸漁獲尾数は3,909万尾で、河川捕獲数を合わせた来遊数は前年度比88.0%の4,344万尾であった。これは平成(1989年)以降で最も少ない来遊数に相当する。2012年10月末の来遊数は3,751万尾で前年同期と比較すると約8%の増加ではあるが、前年にひき続き低調な来遊となっている。

生物学的特性
  • 寿命・成熟年齢:2〜8歳
  • 産卵期・産卵場:秋〜冬、北日本の河川
  • 索餌期・索餌場:夏、オホーツク海(海洋1年目)、ベーリング海(海洋2年目以降)
  • 食性:水生昆虫・落下昆虫(河川)、動物プランクトン・マイクロネクトン(海洋)
  • 捕食者:ウトウなど海鳥・ウグイなど魚類(幼魚)、ネズミザメなど大型魚類・オットセイなど 海産哺乳類(未成魚・成魚)、ヒグマなどの陸生肉食動物

利用・用途
用途は広く、塩蔵品(新巻、山漬、定塩)、生鮮・冷凍品(焼き魚、石狩鍋、三平汁、チャンチャン焼き、ステーキ、ムニエル、ルイベ)、乾製品(トバ等)、燻製、フレーク、練り製品、缶詰、氷頭なます、いずし、塩から(めふん)等がある。魚卵製品として、すじこ、イクラがある。成魚の皮は民芸品。

漁業の特徴
主に北日本の産卵河川周辺で夏〜冬季に定置網で漁獲される。北太平洋公海でのさけ・ます漁業は禁止されている。他国経済水域内での日本系サケの漁獲量は不明である。日本で増殖対象となっている溯河性さけ・ます類のうち最も漁獲量が多い。

漁業資源の動向
1970年代から沖合域の漁獲量は徐々に減少し、同時に沿岸域の漁獲量が増加した。最近5年間の漁獲量は13.1〜20.0万トン(3,960〜6,058万尾)、2011年の沿岸漁獲量は13.1万トン(3,960万尾)である。

資源状態
稚魚放流数は1960〜1970年代にかけて増加し、1980年代から約18〜20億尾で安定している。2011年の放流数は約12億尾に減少したが、2011年3月に発生した東日本大震災の影響で本州太平洋側の放流数が把握できず、集計に含まれていないためである。一方、成熟魚の来遊数(沿岸漁獲尾数と河川捕獲尾数の合計)は、1960年代後半の約5百万尾から1990年代には約6千万尾と10倍以上に増加した。資源量と沖合資源調査結果の推移から、現在の資源水準は中位から高位と判断できるが、2004年以降、漸減傾向がみられる。

管理方策
回帰率への密度効果は認められなかったため、最大の持続生産量及びそれに必要な最適放流数は算出できなかった。現在のところ、本資源の変動は大きいが歴史的な高水準にあるため、現在の水準の維持が望ましい。資源水準の維持には、近年の放流数約18億尾の維持が必要で、産卵親魚量一定方策による管理が適切である。海洋での体成長に密度効果が観察されるため、索餌域である北太平洋の生物生産を考慮した資源管理方策を開発する必要がある。回帰率への密度効果は認められなかったため、最大の持続生産量及びそれに必要な最適放流数は算出できなかった。現在のところ、本資源の変動は大きいが歴史的な高水準にあるため、現在の水準の維持が望ましい。資源水準の維持には、近年の放流数約18億尾の維持が必要で、産卵親魚量一定方策による管理が適切である。海洋での体成長に密度効果が観察されるため、索餌域である北太平洋の生物生産を考慮した資源管理方策を開発する必要がある。

資源評価まとめ
  • 稚魚放流数は安定
  • 資源水準は中位から高位と判断されるが、北海道では回帰率が隔年変動
  • 近年5か年では資源が変動しつつ漸減

資源管理方策まとめ
  • 現在の資源水準を維持することが管理目標
  • 稚魚放流数・産卵親魚数一定方策が適切
  • 推定回帰尾数と必要親魚数の差が漁獲可能量
  • 海洋生産力を考慮した管理方策が必要