国際漁業資源の現況 -H24要約版-

--- 要約版 ---

57 カラフトマス 日本系

Pink Salmon

Oncorhynchus gorbuscha

                                                           
PIC
北海道斜里郡斜里町・幌別川の野生カラフトマス
(左手前が雌、左右奥3尾は雄。雌の尾鰭は産卵床を掘ったために擦り切れている)

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図

日本系カラフトマスの主たる分布域(高木ほか 1982を改変)


図

標識放流(1956〜2010年)によって確認された日本系カラフトマスの沖合分布域


図

カラフトマスの月別平均尾叉長±標準偏差(Ishida <et al. 1998より抜粋)と成長曲線


表

カラフトマスの月別平均尾叉長と平均体重(Ishida et al. 1998より抜粋)


図

日本の漁業におけるカラフトマスの漁獲量経年変化(歴年)


図4

日本系カラフトマスの漁獲数と放流数の推移


図

繁殖期の河川流量を説明変数にした日本系カラフトマスの再生産曲線


図

日本系カラフトマスの来遊漁獲数の予測値と実測値の関係



カラフトマス(日本系)資源の現況(要約表)

資源水準 中位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
---
我が国の漁獲量
(最近5年間)
0.9〜2.2万トン
平均:1.4万トン


管理・関係機関
北太平洋溯河性魚類委員会(NPAFC)
日ロ漁業合同委員会

最近一年間の動き
カラフトマスの2010年漁期の沿岸での漁獲尾数は644万尾であった。2003年以降、奇数年が豊漁年で偶数年が不漁年というパターンが続いたが、2009年以降この傾向がなくなり、2011年は2010年より不漁となり、漁獲尾数は495万尾と減少した。

生物学的特性
  • 寿命・成熟年齢:ほぼ全てが2歳
  • 産卵期:8月〜10月
  • 産卵場:北海道北東部に流入する河川
  • 索餌期・索餌場:夏期・北西太平洋
  • 食性:水生昆虫(河川)、動物プランクトン・マイクロネクトン(海洋)
  • 捕食者:鳥類・オショロコマなど魚類(幼魚)、ネズミザメなど大型魚類・オットセイなど海産哺乳類(未成魚・成魚)

利用・用途
用途は広く、塩蔵品、生鮮、缶詰等がある。魚卵製品として、筋子(ます子)がある。

漁業の特徴
主に北海道北東部沿岸の産卵河川周辺で夏〜秋季に定置網で漁獲される。広く北太平洋を回遊するが、北太平洋公海のさけ・ます漁業は禁止されている。他国200海里水域内での漁獲量は不明である。

漁業資源の動向
1970年代から沖合域での漁獲量は減少し、沿岸域の漁獲量が増加した。沿岸漁獲尾数は、1990年代に急増し偶数年と奇数年の差も広がった。しかし近年、奇数年と偶数年で一定の豊凶が見られるものの、そのパターンの持続性は不明瞭になってきており、過去3か年は連続して沿岸漁獲数が減少している。2011年の沿岸漁獲量は7,348トン(495万尾)であった。2012年の沿岸漁獲量(速報値)は2,937トン(196万尾)で、過去26年間で最も低い値となっている。最近5年間(2007〜2011年)の沖合を含む漁獲量は0.9〜2.2万トンであった。

資源状態
稚魚放流数は1980年代から約1.4億尾で安定しているが、来遊漁獲数(沿岸漁獲+河川捕獲)は、1970年代後半〜1980年代前半の約1百万尾から、1990年代には5百万尾以上となった。しかし、2009年以降は3か年連続で漁獲数が減少し、2012年の漁獲数は約2百万尾と過去26年間で最も少ない漁獲数となった。したがって、現在の水準は中位で減少傾向にある。

管理方策
繁殖期の河川流量を説明変数として作成した再生産曲線を元に来遊漁獲数を予測し、現在の資源水準が維持できる河川遡上数を獲り残すという、産卵親魚量一定方策とした。今後は、放流効果と自然再生産量の定量的な評価を行い、索餌域である北太平洋の生物生産も考慮した資源管理方策を開発する必要がある。

資源評価まとめ
  • 個体群動態モデルにより漁獲数を推定個体群動態モデルにより来遊漁獲数を推定
  • 3か年連続して漁獲数が減少、2012年来遊漁獲数は過去26年間で最低値
  • 資源は中位水準、減少傾向

資源管理方策まとめ
  • 現在の資源水準の維持が管理目標
  • 一定の産卵親魚量を獲り残すことが必要
  • 自然再生量と放流効果の把握が必要