--- 要約版 ---

30 カツオ 中西部太平洋

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Katsuwonus pelamis

                                                                                   
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図

太平洋におけるカツオ分布及び漁場分布


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中西部太平洋のカツオの成長パターン


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中西部太平洋カツオの主要漁法別漁獲量の経年変化(トン)


図

解析に用いた海域区分と各海域での1972~2008年の漁法別累積カツオ漁獲量分布
緑:竿釣り、赤:まき網、黄:その他


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MSYレベルを基準とした相対的漁獲係数(F/FMSY)と相対的資源量(B/BMSY)の経年変化
縦軸及び横軸の1.0はMSYレベルを示す



カツオ(中西部太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 高位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
155.8〜180.0万トン
平均:166.9万トン(2006〜2010年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
23.9〜32.4万トン
平均:28.6万トン(2006〜2010年)


管理・関係機関
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)

最近一年間の動き
2011年の中西部太平洋におけるカツオの総漁獲量は155.7万トンであり、全太平洋の漁獲量183万トンの87%を占める。漁法別漁獲量(暫定値)では、まき網が77%の120万トン、竿釣りが約13%の20万トン、その他の漁業が10%の15万トンとなっている。
カツオの資源評価は2011年に行われたものが最新であり、統合モデルであるMultifan-CLにより実施された。その結果、中西部太平洋におけるカツオ資源の現状は、現在の漁獲圧はMSYを下回っていることから過剰漁獲にはなっておらず、かつ現在の資源量はMSYを上回っていることから乱獲状態にはなっていない、と結論づけられた。

生物学的特性
  • 寿命:6歳以上
  • 成熟開始年齢:1.5歳
  • 産卵場:表面水温24℃以上の海域
  • 索餌場:表面水温15℃以上の海域
  • 食性:動物プランクトン、魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海鳥類など

利用・用途
刺身・たたきによる生食、缶詰や節原料

漁業の特徴
2011年の中西部太平洋におけるカツオの総漁獲量は155.7万トンであり、全太平洋の漁獲量183万トンの87%を占める。漁法別漁獲量(暫定値)では、まき網が77%の120万トン、竿釣りが約13%の20万トン、その他の漁業が10%の15万トンとなっている。まき網については日本・韓国・台湾・米国の遠洋漁業国が近年の漁獲量の5〜6割を占め、他はインドネシア、パプアニューギニア、フィリピンが多い。竿釣りについては、2005頃まで日本が約6割を占めでいたが、次第に減少し、2006年以降は1位をインドネシアに譲り、近年日本は4割ほどになっている。

漁業資源の動向
漁獲量は1960年前後には10〜17万トン、1970年には20万トンを超え1970年代後半には30万トン(それぞれ日本船による漁獲量のみ)を超える水準へと増大した。この間の漁獲の伸びは主に竿釣りが中心となったが、漁場の拡大に伴う活餌保持の問題と共に燃油高騰等の経済的要因から、特に遠洋竿釣り漁船数は減少し、漁獲量の伸びは停滞した。1980年代には各国のまき網船による熱帯水域漁場の開発も始まり漁獲量の急増期に入った。1970年代まで40万トン台であった中西部太平洋における漁獲量は1990年代には100万トン前後に増大、さらに2002年には120万トン、2009年には180万トンに達したが、2011年にはカツオ漁獲量は156万トンに減少している。

資源状態
近年MSYに対する漁獲圧と資源量の指標は急速に1.0に向かって近づき始めたが、現在の漁獲圧はMSYを下回っており過剰漁獲にはなっておらず(Fcur/FMSY=0.37)、現在の資源量はMSYを上回っており、乱獲状態にはなっていない(Bcur/BMSY=2.68)。

管理方策
2012年12月に開催されたWCPFC本会合において、我が国等がメバチの幼魚を多量に混獲する熱帯域の大型まき網漁船の管理強化を求め、協議の結果、2013年から2017年の5年間でメバチの過剰漁獲を解消し、資源回復を行う計画を来年中に作成することで合意した。また、2013年の保存管理措置は、次のとおり採択された。
(a) まき網漁業
・集魚装置を用いた操業の4か月間(7〜10月)禁止またはそれに相当するFADs使用制限
・漁獲努力量を2010年水準に制限
(b) はえ縄漁業(カツオにはほとんど影響しない)
メバチの漁獲量を2001〜2004年の平均値から30%削減
この措置は、直接的にカツオの漁獲を制限するものではないが、カツオを含む全体の漁獲努力量を抑制するものである。

資源評価まとめ
  • 最新の資源評価は2011年のWCPFC科学委員会で実施。
  • 獲圧はMSYを下回り、過剰漁獲ではない。
  • 資源量はMSYを上回り、乱獲状態ではない。
  • 資源は中程度に漁獲され、漁獲死亡率は持続的である。しかし、赤道海域における高い漁獲が資源の分布縮減を発生させ、高緯度(日本、豪州、NZ及びハワイ)の漁業のカツオ利用度を減少させている懸念が生じている。
  • 現在の漁獲状態が継続すれば、資源がMSYに向かって減少するにしたがい漁獲率は減少し、漁獲も減少する。近年の漁獲死亡率及びMSY関連資源量指標の急激な変化もあり、漁獲努力量の増大はモニターされるべきである。WCPFCは、資源量の更なる減少に伴う漁獲率の減少を制限するためにカツオ漁業の開発の制限を検討すべき。
  • 漁業は資源のサイズ、特に赤道西部海域に大きな影響を与えており、漁獲率に影響を与えると予測される。まき網のさらなる漁獲努力量は、カツオの長期的漁獲の観点からは僅かな増大しかもたらさないだけでなく、メバチやキハダの漁獲死亡率の増大も引き起こす。中西部太平洋における総漁獲努力の管理においては、この点を認識すべきである。
  • まき網漁獲物構成の不確実性に留意し、科学委員会はWCPFCにまき網漁獲物構成データの推定の改善継続を求める。