--- 要約版 ---

25 マカジキ 中西部北太平洋

Striped Marlin

Tetrapturus audax

                                                                           
PIC

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図1

太平洋におけるマカジキの分布域(桃色)と主要漁獲域(青色)


図

北太平洋(赤道以北)の我が国の漁業種別漁獲量


図

北太平洋の国別漁獲量(ISC集計分、トン)


図

中西部北太平洋のマカジキ資源評価に用いた資源量指数(Brodziak and Katahira 2011)
左図)日本の遠洋近海はえ縄。青:エリア1(北緯10度以南)、黒:エリア2(北緯10度以北かつ東経160度以西)、緑:エリア3(北緯10度以北かつ東経160度以東)。
右図)オレンジ:日本の沿岸はえ縄、紫:台湾の遠洋はえ縄、赤:ハワイのはえ縄。


図

統合モデル(Stock Synthesis 3)で推定した産卵親魚量(ISC 2011)



マカジキ(北太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 低位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
2,200〜3,500トン
平均:2,900トン(2006〜2010年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
1,700〜2,500トン
平均:2,200トン(2006〜2010年)


管理・関係機関
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)
北太平洋におけるまぐろ類及びまぐろ類似種に関する国際科学委員会(ISC)

最近一年間の動き
2012年4月のISCカジキ作業部会会合において、2011年12月に行った本種の資源解析結果を用いて将来予測を行った。将来予測を含む資源評価結果が、2012年8月に中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC科学委員会)に報告された。2011年の資源評価では、東部北太平洋の群が遺伝学的に中西部北太平洋の群と異なる可能性が高いことがDNA分析結果から示されたことより、中西部北太平洋と東部北太平洋の系群の境界線が西経140度にあるとして、ISCでは中西部北太平洋資源の資源解析を行った。2011年12月にISCが行った中西部北太平洋におけるマカジキの資源解析の結果、本資源は低位水準にありかつ減少していると考えられた。将来予測の結果、FMSYまたは現状の漁獲圧(F)で漁獲した場合、産卵親魚量は2017年までに2012年より45〜72%または14〜29%増加すると予測され、楽観的な結果となった。なお本資源の資源回復方策は、2007年の資源評価結果をもとに、2010年のWCPFC年次会合で検討され、各国が2000〜2003年の最高漁獲量から、2011年は10%、2012年は15%、2013年以降は20%漁獲量を削減する措置が採択されている。

生物学的特性
  • 寿命:10歳
  • 成熟開始年齢:3〜4歳
  • 産卵期・産卵場:4〜6月、北緯20度前後の海域/li>
  • 索餌期・索餌場:調査中
  • 食性:調査中
  • 捕食者:調査中

利用・用途
刺身、寿司、切り身(ステーキ)

漁業の特徴
本資源のほとんどがはえ縄と流し網で、一部が突きん棒やひき縄で漁獲される。我が国の漁獲の大部分はまぐろ類を対象とした操業の混獲で漁獲されていたが、近年流し網による漁獲が増加している。本資源が主対象の操業は房総沖、釧路沖、南西諸島等ではえ縄、突きん棒、流し網等で季節的に行われている。

漁業資源の動向
我が国の北太平洋のマカジキの漁獲量は、1970年代に1万トンを超えていたが、近年は2,000トン前後に留まっている。ISCが集計した北太平洋におけるマカジキの漁獲量は1960年代前半までは1万トン以下であったが、その後急激に上昇し15,000トン以上に達した。漁獲量は、1970年代半ば以降、多少の増減を繰り返しつつも一貫した減少傾向を示し、2010年には約2,400トンとなっている。

資源状態
2011年の資源評価では、東部北太平洋の群が遺伝学的に中西部北太平洋の群と異なる可能性が高いことがDNA分析結果から示されたことより、ISCでは2011年12月に中西部北太平洋と東部北太平洋の系群の境界線が西経140度にあるとして、中西部北太平洋資源の資源解析を行った。
中西部北太平洋における日本の遠洋近海及び沿岸はえ縄、ハワイのはえ縄の資源量指数は、すべてにおいて1990年代後半から2000年代中頃に共通して減少が認められ、この時期に資源量が大きく減少したことを示唆しているものと考えられる。
資源解析の結果、推定された産卵親魚量は、1975年から1980年にかけ5,000トンから2,000トンに大きく減少し、その後1990年代半ばまで3,500トン前後で推移していた。1990年半ば以降、産卵親魚量は数年で大きく減少し、1,500トン前後で近年まで推移している。産卵資源量が1990年代半ば以降に1980年代の水準に回復しなかった原因は、漁獲死亡係数の増加及び加入量の減少であると考えられる。2009年の産卵親魚量は、1980年代と比較して約1/3と推定されており、本資源は近年低位水準にありかつ減少していることを示している。2017年までの将来予測では、将来の加入レベルが低い場合(近年と同レベル)と高い場合(1975年以降の再生産関係)を仮定した。FMSYまたは現状の漁獲圧(F)で漁獲した場合、産卵親魚量は2017年までに2012年より45〜72%または14〜29%増加すると予測された。2001〜2003年の平均のFで漁獲した場合、産卵親魚量は短期的には2012年より2%減少するが、2017年には6%増加すると予測された。なお北委員会の要請により、将来の加入レベルが近年(2004〜2008年)の最も低い場合を仮定して追加計算を行った結果、将来予測結果は上記2つの加入シナリオより悲観的になった。

管理方策
ISCでは2007年の資源評価結果をもとに“本資源の漁獲死亡率を近年のレベル(2003年あるいはそれ以前の水準)よりも減少させるべき”という勧告を行った。2007年の資源評価結果をもとに、2010年のWCPFC年次会合では、各国が2000〜2003年の最高漁獲量から、2011年は10%、2012年は15%、2013年以降は20%漁獲量を削減する措置が採択された。2011年12月にISCが新たに実施した資源解析結果では、中西部北太平洋マカジキ資源は、近年低位水準にありかつ減少していると推定された。一方、本種の成長は早く、生産性の高い資源であると考えられており、将来予測の結果は現在のF、FMSYで漁獲した場合、資源は増加すると予測された。ISCは、これらの結果をもとに、現在の漁獲死亡率を減少させると、産卵親魚量の増加に繋がり、将来高い加入量が得られる確率が高まると勧告した。

資源評価まとめ
  • 資源水準は低位減少

資源管理方策まとめ
  • 各国が2000〜2003年の最高漁獲量から、2011年は10%、2012年は15%、2013年は20%漁獲量を削減