--- 要約版 ---

17 メバチ 中西部太平洋

Bigeye Tuna

Thunnus obesus

                                                                               
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図5

太平洋におけるメバチの分布


図8

中西部太平洋メバチの年齢と成長
矢印はほぼ全ての個体が成熟する体長(尾叉長120 cm)を示す。


図3

中西部太平洋におけるメバチの国別漁獲量年変化


図1

中西部太平洋におけるメバチの漁法別漁獲量年変化


図9

MULTIFAN-CLで推定された本資源の加入量
灰色:95%信頼限界


図10

Multifan-CLによる本資源の推定総資源量


図11

Multifan-CLによる本資源への各漁業のインパクト
緑がはえ縄、青がまき網素群、水色がまき網付群れ、黄がフィリピン・インドネシアの漁業、赤がその他を表す。



メバチ(中西部太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 中位
資源動向 減少
世界の漁獲量
(最近5年間)
13.7〜15.8万トン
平均:15.1万トン(2007〜2011年)
我が国の漁獲量
(最近年間)
1.9〜3.4万トン
平均:2.5万トン(2007〜2011年)


管理・関係機関
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)
太平洋共同体事務局(SPC)

最近一年間の動き
太平洋におけるメバチの漁獲量は1980年代初頭のおよそ12万トンから徐々に増加し、2000年以降25万トン前後で推移している。2011年の太平洋における本種の漁獲量は最近10年間で最低の235,266トンであり、そのうち中西部太平洋(WCPFC条約水域)での漁獲は159,479トン(太平洋全体の約68%)であった。本海域におけるメバチの包括的な資源評価が2011年に行われた。

生物学的特性
  • 寿命:10〜15歳
  • 成熟開始年齢:3歳
  • 産卵期・産卵場:周年・表面水温24℃以上の海域
  • 索餌場:温帯域
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身や缶詰原料

漁業の特徴
本種の漁業はやや深い水深帯(100〜250 m)を狙うはえ縄と、表層付近を狙うまき網・竿釣りが主である。従来、はえ縄の漁獲が安定的に大半を占め、主に100 cm以上の中・大型魚を漁獲してきた。一方、表層では30〜100 cm未満の小型魚を漁獲する。1990年代からのFADsを用いたまき網操業で小型魚の漁獲が急増し、大きく資源にインパクトを与えている。はえ縄漁獲物の多くは我が国市場向けの刺身用だが、まき網漁獲物は缶詰原料となる。はえ縄漁業国は日本・台湾・韓国・中国等であり、主要なまき網漁業国は米国・台湾・フィリピン・日本などである。

漁業資源の動向
主要な漁業はまき網とはえ縄であり、主に赤道域で漁獲されているが、はえ縄の場合にはある程度の漁獲を亜熱帯域(例えば日本東方及びオーストラリア東方沖)でも漁獲している。また、多くの小型魚がフィリピンとインドネシアの小型まき網やひき縄等によって漁獲されている。全太平洋におけるメバチの漁獲量は1980年代初頭のおよそ12万トンから徐々に増加し、12〜29万トンの間で推移している。2011年の太平洋における本種の漁獲量は過去10年間で最低の235,266トンであり、そのうち中西部太平洋(WCPFC条約水域)での漁獲は159,479トンであり、過去10年のほぼ平均レベル(太平洋全体の約65%)であった。

資源状態
今回の結果では、MSYは74,993 mtと推定され、近年の漁獲量はそれを大きく上回っている。近年の漁獲レベルは近年の高い加入を仮定しても、長期間維持することはできないと結論される。Fcurrent/FMSYはすべてのケースで1を上回っており、MSYレベルを確保するには、グリッド中央値を参照するならば、1.42と推定され、2006〜2009年漁獲死亡レベルの30%の削減が必要である。現在の資源状態の評価によればBcurrent/BMSYが1.34、親魚資源量ではSBcurrent/SBMSYが1.37といずれも1を上回っており、親魚資源がMSYレベルを下回っている確率は13%と推定され、乱獲状態にはない(乱獲状態に近づいていると著者は考えている)。また、もし小型魚の死亡が減少すれば、MSYは増加し、現在よりも多くの漁獲が許容されると考えられる。

管理方策
2012年12月に開催されたWCPFC本会合において、我が国等がメバチの幼魚を多量に混獲する熱帯域の大型まき網漁船の管理強化を求め、協議の結果、2013年から2017年の5年間でメバチの過剰漁獲を解消し、資源回復を行う計画を来年中に作成することで合意した。また、2013年の保存管理措置は、次のとおり採択された。
(a) まき網漁業
集魚装置を用いた操業の4か月間(7〜10月)禁止またはそれに相当するFADs使用制限
(b) はえ縄漁業
メバチの漁獲量を2001〜2004年の平均値から30%削減

資源評価まとめ
  • WCPFCからの委託により、SPC(南太平洋委員会)のOFP(Oceanic Fisheries Programme)が実施
  • 統合モデルであるMultifan-CLにより評価
  • 資源水準は中位で横ばい