--- 要約版 ---

14 キハダ インド洋

Yellowfin Tuna

Thunnus albacares

                                                       
PIC

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図

インド洋におけるキハダの主要な分布域


図

インド洋キハダ国別漁獲量(1950〜2011年)(IOTC データベース:2012年9月)


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インド洋キハダ漁法別漁獲量(1950〜2011年)(IOTC データベース:2012年9月)


図13

インド洋キハダFAO海域別漁獲量(1950〜2011年)(IOTC データベース:2012年9月)


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Multifan-CLに使用された5海域(右下)における四半期別標準化CPUE
台湾(海域1:LL1)と日本(海域2−5:LL2 - LL5)


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ASPM(左)及びMultifan-CL(右)による資源評価結果(神戸プロット)



キハダ(インド洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 中位
資源動向 微増
世界の漁獲量
(最近5年間)
(2007〜2011年)
27〜32万トン
平均:30万トン
我が国の漁獲量
(最近5年間)
(2007〜2011年)
0.4〜2.0万トン
平均:0.9万トン


管理・関係機関
インド洋まぐろ類委員会(IOTC)

最近一年間の動き
2012年10月に開催されたIOTC第14回熱帯まぐろ作業部会で資源評価が実施され、資源は乱獲及び過剰漁獲ではないと推定された。2011年のキハダ総漁獲量は30.3万トンで、2010年と同程度の29.8万トンに引き続き低いレベルの漁獲量となった。この原因は、主にソマリア沖海賊の活動により、まき網船・はえ縄船(特に後者)が操業を自粛し他の海洋へ移動したためである。そのため、キハダ資源は回復傾向にある。

生物学的特性
  • 寿命:7〜10歳
  • 成熟開始年齢:3歳
  • 産卵期・産卵場:表面水温24℃以上の海域で行われ、赤道域では主に12〜1月、主な産卵海域は東経50〜70度
  • 索餌場:分布域に等しい
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身や缶詰原料

漁業の特徴
インド洋におけるキハダの主漁場は、南緯10度以北、モザンビーク海峡付近及びアラビア海である。以下は最近5年間(2007〜2011年)の記述である。漁法別漁獲量は、35%がEU(主にスペイン・フランス)によるまき網漁業(西部インド洋)、18%が台湾、インドネシア、日本によるはえ縄漁業、26%が流し網漁業(主にイラン、オマーン、スリランカ)、5%が竿釣り漁業(主にモルディブ)、そしてその他の漁業(便宜置籍船などによる)が15%となっている。また、総漁獲量の約半分(45%)が、沿岸国・島嶼国における小規模漁業(流し網・竿釣りなど)で漁獲されている。1994年以来、中近東諸国(イラン、オマーン、イエメン、パキスタン)のまき網及び流し網による漁獲量が増加していることが挙げられる(総漁獲量の18〜20%で最近5か年平均は19%)。海域別では、西インド洋(FAO海域51)と東インド洋(FAO海域57)における平均漁獲量の割合が72%及び28%である。

漁業資源の動向
西インド洋でフランス及びスペインのまき網漁業が本格的に開始される1983年までは、キハダ総漁獲量は最大9.4万トンであり、はえ縄による漁獲が50%以上であった。まき網漁業が開始した1984年からは、総漁獲量は急増し、1988年には20万トンを超えた。1993年にはアラビア海で台湾による大量漁獲があったため40万トンに達し、その後2002年までは34〜38万トンと比較的高いレベルで推移した。また、2003〜2006年にかけて、西インド洋熱帯域において大量漁獲がまき網漁業(主に素群れ操業)、はえ縄漁業及び小規模漁業であり、2004〜2005年にはアラビア海で台湾のはえ縄漁業による2度目の大量漁獲があった。これにより、キハダの総漁獲量は、2003〜2006年に40〜50万トン台へと急増し、2004年に52万トン(最大漁獲量)を記録した。しかし、その後2009〜2011年には漁獲量が27〜30万トンへと急減し1992年以降最低レベルを記録した。この漁獲量の急減の主な原因は、ソマリア沖の海賊の活動により、まき網船・はえ縄船が操業を自粛し他の海洋へ移動したためである。

資源状態
2012年の第14回熱帯まぐろ作業部会では、統合モデルのMultifan-CL、ASPM、SS3を用いて資源評価が行われた。その結果、MSYは34.4万トン(範囲:29.0〜45.3万トン)(前回35.7万トン)と推定された。F2010/FMSYは0.69(0.59〜0.90、前回は0.84)、SSB2010/SSBMSYは1.24(0.91〜1.40、前回は1.61)と推定された。ASPMでもMultifan-CLによるものと類似していた。以上より、資源(2010年)は漁獲圧、資源量ともにMSYレベルの手前にある。漁獲量は、2003〜2006年の大量漁獲の影響に加え、ソマリア沖の海賊の影響で、急減傾向にあり、最近5年間の平均漁獲量は30 万トンである。現状(2010年)の漁獲量を継続すると、3年後にそれぞれSSB<SSBMSY(乱獲)、F>FMSY(漁獲過剰)になる確率はそれぞれ1%未満、58%と予測され、10年後にはそれぞれ8%、83%と予測された。

管理方策
キハダ資源に関し、2012年のIOTC第15回科学委員会では、Multifan-CL及びASPMにより実施された資源評価結果から、近年は漁獲圧が減少しMSYを下回っているので、特段の管理は必要ないとした。

資源評価まとめ
  • 漁獲圧、資源量ともにMSYレベルの手前にある。
  • 海賊の影響で最近年漁獲努力量が急減したため、資源状況は回復傾向にある。

資源管理方策まとめ
  • ソマリア沖におけるはえ縄・まき網の1か月間の禁漁海域(それぞれ2月、11月)(2010年より実施)。
  • TAC設定に向け計算式など協議。