--- 要約版 ---

13 キハダ 中西部太平洋

Yellowfin Tuna

Thunnus albacares

                                                                                   
PIC

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図

太平洋におけるキハダの分布


図1

中西部太平洋におけるキハダの漁法別漁獲量年変化


図

中西部太平洋キハダの年齢と成長
矢印はほぼ全ての個体が成熟する体長(尾叉長120 cm)を示す


図

Multifan-CLで推定された加入量(上)と資源量(下)の傾向(千トン)(Langley et al. 2011)


図

Multifan-CLで推定された各漁業の本資源への影響(Langley et al. 2011)
縦軸は漁業が資源を減少させた割合(%)を示したもの。はえ縄(青)、まき網素群れ(赤)、まき網流れ物(緑)、フィリピン・インドネシアの漁業(黄)、その他(灰色)



キハダ(中西部太平洋)の資源の現況(要約表)

資源水準 中位
資源動向 横ばい
世界の漁獲量
(最近5年間)
47.9〜57.5万トン
平均:52.4万トン(2007〜2011年)
我が国の漁獲量
(最近5年間)
4.6〜6.4万トン
平均:5.4万トン(2007〜2011年)


管理・関係機関
中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)
太平洋共同体事務局(SPC)

最近一年間の動き
1998年以降、50万トン前後で比較的安定して推移してきた中西部太平洋(WCPFC条約水域)におけるキハダ漁獲量は、まき網による記録的高漁獲によって2008年に過去最高の57万トンに達した。2011年にはまき網の近年よりもおよそ10万トン少ない漁獲によって2003年以降で最低の48万トンに減少した。一方、1998年以降2.0〜2.7万トンで推移していた竿釣り漁業がインドネシアの漁獲の倍増により2011年には過去最高の3.7万トンの漁獲をあげている。中西部太平洋における本種の資源評価は2011年に実施されたものが最新である。

生物学的特性
  • 寿命:7〜10歳
  • 成熟開始年齢:3歳
  • 産卵期・産卵場:周年・表面水温24℃以上の海域
  • 索餌場:分布域に等しい
  • 食性:魚類、甲殻類、頭足類
  • 捕食者:まぐろ・かじき類、さめ類、海産哺乳類

利用・用途
刺身、缶詰、練り製品の原料

漁業の特徴
本資源の主要な漁業は大洋のやや深い水深帯(100〜250 m)の魚群が対象のはえ縄と、表層付近の魚群が対象のまき網・竿釣りである。従来は、はえ縄の漁獲が大勢を占めたが、1980年代からまき網漁業が熱帯水域で発達し、その漁獲量は他漁業を遥かに凌駕した。フィリピン・インドネシアでは小型まき網、ひき網、竿釣り、手釣りなど漁業が小規模かつ多様で、漁獲量も大きく、増加傾向にある。

漁業資源の動向
本資源のはえ縄漁業は1950年代初頭にキハダを主な対象種として発展し、1970年代半ばにその主な対象をメバチに換えた。本資源の大規模な産業的まき網漁業は1980年代初めに、カツオを主要な対象種としつつ多くのキハダも漁獲する漁業として発達した。まき網漁業の発展は、インドネシアとフィリピンによる漁獲の増加と相まって、1980〜1990年の間に中西部太平洋でのキハダの漁獲を20万トンから40万トンへと倍増させた。この10年間、年間のキハダ漁獲の55〜70%はまき網によって漁獲されており、2011年には、総漁獲の56%がまき網、20%がはえ縄、8%が竿釣り、手釣りが6%、残りがフィリピン及びインドネシアにおける他の漁業によって漁獲されている。近年の本種の漁獲は50万トン前後で比較的安定しているが、2008年には歴史的に突出した最高漁獲量574,825トンを記録した。

資源状態
2011年の資源評価の結果、主要モデルでは、Fcurrent/FMSYは0.56〜0.90と推定され、WCPOにおけるキハダ資源に対する漁獲努力の状態はMSYレベルを超えて(overfishing)おらず、Bcurrent/BMSYと SBcurrent/SBMSYは1.0よりもかなり高い(1.25〜1.60 と1.34〜1.83)と推定され、現在の資源状態はMSYレベルを下回った(Overfished)状態にもないと考えられる。MSYの推定値(480,000〜580,000 mt)は、推定された近年のキハダ漁獲量レベル(550,000 mt)と同等のレベルである。さらに、平衡状態において、予想される生産量(Y_Fcurrent)はMSYの推定値に非常に近く、現在の生産量が資源から長期間において生産可能な状態かそれ以上にあることが示唆される。

管理方策
2012年12月に開催されたWCPFC本会合において、我が国等がメバチの幼魚を多量に混獲する熱帯域の大型まき網漁船の管理強化を求め、協議の結果、2013年から2017年の5年間でメバチの過剰漁獲を解消し、資源回復を行う計画を来年中に作成することで合意した。また、2013年の保存管理措置は、次のとおり採択された。
(a) まき網漁業
・集魚装置を用いた操業の4か月間(7〜10月)禁止またはそれに相当するFADs使用制限
・漁獲努力量を2010年水準に制限
(b) はえ縄漁業
メバチの漁獲量を2001〜2004年の平均値から30%削減
この措置は、直接的にキハダの漁獲を制限するものではないが、キハダを含む全体の漁獲努力量を抑制するものである。

資源評価まとめ
  • WCPFCからの委託により、SPC(南太平洋委員会)のOFP(Oceanic Fisheries Programme)が実施
  • 統合モデルであるMultifan-CLにより評価
  • 資源水準は中位で横ばい